映画の大成功で、原作にも大きな影響が出ているようだ。8月1日、版元の朝日新聞出版は「書籍販売が累計130万部を突破」と発表した。
原作の文庫『国宝 上下巻(青春篇・花道篇)』は、もともと2017年から翌年にかけて朝日新聞で連載された小説だ。
作者の吉田修一さんは、歌舞伎指導を担当した中村鴈治郎さんの元で約3年にもわたり、黒衣を纏って歌舞伎の舞台裏を取材した。作品には取材の成果が存分に盛り込まれ、その緻密な描写と深い人間ドラマが高く評価されている。
芸術選奨文部科学大臣賞(2018年)、中央公論文芸賞(2019年)をダブル受賞し、過去作『悪人』などと並ぶ著者の最高傑作ともいわれている。
映画はもはや社会現象に
映画は公開から49日間(6月6日〜7月24日)で興行収入71億7000万円、観客動員数510万人を突破。市川團十郎さん、片岡愛之助さんら現役の歌舞伎役者も熱い感想をSNSに投稿してきた。
團十郎さんは、自身のXに《俳優の方々が、1年以上も稽古を重ね撮影に挑む、そういう姿勢一つのものに取り組む姿勢。それにより生まれる世界そこに人々は共感と感動を観る。監督はじめ関係者全ての方々に賞賛。#国宝 是非ご覧ください。などと私がいうのは可笑しいですが笑 観てほしい作品です。歌舞伎役者として思いました。》と投稿し、長女の麗禾さんと弟の勸玄さんにも勧めたと綴った。
愛之助さんは、自身のブログで《最高でした 吉沢亮さん、横浜流星さんの歌舞伎役者振りには感銘をうけました。余り素晴らしかったので、終わっていい時間でしたが、思わず直ぐ流星君にLINEしちゃいました^_^》と絶賛し、《オーディブルでは「国宝」を今歌舞伎座で襲名中の八代目 尾上菊五郎さんが読んでいらっしゃるので、とても面白いし、歌舞伎のセリフもリアル再現で、歌舞伎好きの方は特に必聴です》と原作の朗読版も勧めている。
SNSでは「吉沢亮を100億円の男に」とリピート鑑賞が盛り上がる
さらに、SNSでは驚きのムーブメントまで巻き起こっている。映画をきっかけに吉沢亮さんの魅力にハマった人々が「吉沢亮を100億円の男に」と、映画をリピート鑑賞しているのだ。
「週刊女性PRIME」でファンたちのこうした“推し活”が報じられると、
「あたしも100億の男にしたい!中の一人です」
「100億円の男🎉🎉🎉にしましょう🥰」
「行くぜ〜!!」
「まかせろ!!」
とファンの意気込みが続々投稿されている。
興行収入が100億円に届くまで、あと28億3000万円。吉沢さんが「100億円の男」になるの日は、そう遠くはないかもしれない。
【画像クリックで購入画面へ】『国宝』特集が組まれた雑誌『AERA』(2025年6月9日号)。表紙を飾るのは吉沢亮さん。原作者の吉田修一さんとの対談も掲載