2023年に他界した世界的ミュージシャン 高橋幸宏が音楽家として、また1人のリスナーとして辿った音楽遍歴を語った「僕の私的音楽史 心に訊く音楽、心に効く音楽」が河出文庫より刊行される。

本書は、2012年8月に刊行され、昨今では入手が困難となっていた「心に訊く音楽、心に効く音楽 私的名曲ガイドブック」(PHP新書)の文庫版。文庫化にあたり、新書版本文のレコード、CDジャケット写真も漏れなく掲載される。また新たに「構成者による書き下ろし」、「文庫解説」を収録し、大増補された。

音楽もファッションも衝撃的だったTHE BEATLES、数々の映画音楽、名曲を産み出した天才 Burt Bacharach、声を聴いているだけで悲しくなるNeil Young――。さらには、YELLOW MAGIC ORCHESTRA“RYDEEN”製作エピソードや、初のソロ・アルバム『Saravah!』へ影響を与えたアーティストたち等、自身が愛好してきた音楽と、自身の音楽活動とを重ね合わせながら軽快に語り尽くす、珠玉のポップ・ミュージック・ガイドだ。

高橋の聞き手となって本書を構成した音楽評論家の天辰保文による「文庫版書き下ろし」は、新書版が刊行された2012年から2022年までの高橋幸宏の音楽活動を、身近な距離感で併走した天辰ならではの視点から紹介する。

「文庫解説」は、同世代の友人で、THE BEATNIKSで高橋幸宏と音楽活動をともにした音楽家 鈴木慶一が担当。幼年期の無国籍な音楽体験、THE BEATLESと映画音楽、どこかに必ずポップが宿る感性、相手の音楽性を引き出す力、ヴォーカリストとしての魅力等、高橋幸宏の音楽家としての魅力に迫る(構成=君塚太)。

カバー写真は、2018年6月27日、休日にプライベート旅行をした際、イギリス ブライトンの小さなレコード店での写真。その前週には細野晴臣のイギリス公演(23日ロンドン バービカンホール、25日ブライトン オールドマーケット)へ。バービカンホールの客席にいた高橋幸宏は細野からの突然の呼び掛けに応え、小山田圭吾とともにステージへ。坂本龍一も加わりYELLOW MAGIC ORCHESTRAの“ABSOLUTE EGO DANCE”を演奏した。この日、YELLOW MAGIC ORCHESTRAが揃う最後のステージになった(撮影=高橋喜代美)。

伝説のロック・フェス“WORLD HAPPINESS”ライヴ音源&映像が待望のパッケージ化、YELLOW MAGIC ORCHESTRA秘蔵ライヴ映像の配信、人気番組での特集等話題が続き、今もなお圧倒的存在感を放つ音楽家、高橋幸宏の音楽遍歴。この機会にぜひチェックしてほしい。

 

▼書籍情報

高橋幸宏
「僕の私的音楽史 心に訊く音楽、心に効く音楽」

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