2025年6月27日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館
予告編で見たときには、深刻な内容ではあるが、陳腐に陥りがちな設定と思った。しかし、脚本には工夫があった。それが、時制のシャッフル。
見ている人は戸惑うだろう。興味を失ってしまうかもしれない。しかし、少しだけ我慢して観て欲しい。それは、最も基本的なプロットが映画の中心に据えられているから;生と死。特に、主人公の陥る重病だけでなく、生の原点が余すところなく描かれるのがよい、十分な配慮の元に。しかも、時制がシャッフルされることにより、「生」に光が当たり、明るい気持ちで観ていられるのが救い。
我々にとってうれしいところ;シェフたちのコンペティション、ボギューズ・ドール(金のボギューズか)の場面は、あの「料理の鉄人」を思い出させた。英国では、デザートを含めて料理人のコンペティションが盛んで、TV番組としても放映されていることは知っているが。丸ごとのタコが出てきたところもおかしかった、西洋では、タコは「不吉」の象徴だから。今や、和食は世界の食事の頂点にあることが、まざまざと感じられた。やや身びいきか。
ただ、難があることも事実。女性の主人公は、厳しい化学療法を受けているとは言え、へばっているようには見えなかった。そのための髪の処理であったのか。出産に至るステップにも、無理な設定が。奔放なのはよいけれど、少し過ぎたかな。でも、それらを補って余りある映画。是非、劇場で。
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