ルイス・ハミルトンをプロデューサーに迎えた『F1®/エフワン』の撮影は、世界各国の本物のサーキットコースを使い、キャストは数カ月の厳しいトレーニングを積み、F1®マシンを実際に操縦するなど限界までリアルを追求した。敏腕プロデューサーとしても知られるブラッドは、過去にもレース映画を作ろうと試みたが、一度も実現しなかったそうだ。コシンスキー監督がUS版『GQ』のインタビューで、ブラッド&トム共演で『フォードvsフェラーリ』制作の企画があったものの、スタジオが予算を認めなかったという。
なお、トムとブラッドそれぞれを主演に迎えた大作を監督しているコシンスキーは、2人を比べてこう評している。「トムは常に限界に挑戦するけれど、その一方で非常に能力があり、技術もある。2人とも生まれながらにドライビングの才能がある。だけどきっと、トムと組んだ方が恐ろしい思いをしただろうね」
カーアクションのスーパーバイザーを務めたグレアム・ケリーも同意し、「クラッシュしていただろう。トムは限界まで攻めるんだ。本当にギリギリまでやるから、恐ろしい。『ミッション:インポッシブル』でトムと何度も組んだけれど、彼のために車を作り、一緒にスタントをする私のような人間には、最強にストレスを感じる経験だ。それに比べ、ブラッドは話を聞いてくれるし、自分の能力もわかっている。だから彼なら『そうか、僕は止めておく』と言ってくれたと思う」と付け加えている。