アメリカ最大の日本映画祭ジャパン・カッツが、2025年もニューヨークで開催される。オープニング作品は、青木康浩監督による長編アニメ映画『ChaO』。サイバーパンク風に再構築されたアンデルセン童話をもとに、人間と人魚が共存する近未来の上海を舞台に描かれる。
話題のアニメ『ChaO』で開幕
青木監督は、本作を7年かけて手描きで制作。100,000枚以上の作画が使われ、視覚的にも感情的にも独特な作品となっている。製作は『マインド・ゲーム』(2004)、『鉄コン筋クリート』(2006)で知られるSTUDIO4℃。米国ではジーキッズ(Gkids)が配給を担当し、日本では8月に公開予定だ。
豪華ゲストが続々登場
さらに、映画監督の黒沢清がゲストとして登場し、新作スリラー『Cloud クラウド』(2024)と自身の1998年作『蛇の道』のリメイク版を上映。黒沢は、映画界での卓越した功績が評価され、Cut Above Awardを受賞する予定だ。
また、今年の日本アカデミー賞で最優秀主演女優賞を受賞した、河合優実も登壇する。河合は、入江悠監督作『あんのこと』(2024)の北米プレミアを紹介する。同作では、河合は社会の周縁で生きる若い女性を演じている。また、大九明子監督による『今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は』(2024)の米国プレミアも担当する。
話題作と名作が集結
その他にも、『九龍ジェネリックロマンス』『本心』『侍タイムスリッパー』などの話題作に加え、岩井俊二の名作『Love Letter』が4K版で上映される。
焼酎のドキュメンタリーで幕を閉じる
閉幕作品は、鹿児島の焼酎造りを追ったジョセフ・オーバーベイ監督のドキュメンタリー『The Spirit of Japan(原題)』。上映後には、焼酎の試飲付きレセプションと監督のQ&Aも予定されている。
ジャパン・カッツは、2025年7月10日から20日まで開催される。日米の映画文化の架け橋となるイベントとして、今年も期待が高まっている。
ジャパン・カッツ 2025で上映される全作品は以下の通り。
Feature Slate(長編部門)
『BLUE FIGHT 〜蒼き若者たちのブレイキングダウン〜』 監督:三池崇史
『ChaO』 監督:青木康浩
『Cloud クラウド』 監督:黒沢清
『ザ・ゲスイドウズ』 監督:宇賀那健一
『あんのこと』 監督:入江悠
『グリッドマン ユニバース』 監督:雨宮哲
『怪獣ヤロウ!』 監督:八木順一朗
『九龍ジェネリックロマンス』 監督:池田千尋
『ぼくのお日さま』 監督:奥山大史
『本心』 監督:石井裕也
『侍タイムスリッパー』 監督:安田淳一
『蛇の道(2024)』 監督:黒沢清
『今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は』 監督:大九明子
『敵』 監督:吉田大八
『ゆきてかへらぬ』 監督:根岸吉太郎
Next Generation(ネクスト・ジェネレーション)
『道行き』 監督:中尾広道
『ほなまた明日』 監督:道本咲希
『プロミスト・ランド』 監督:飯島将史
『素敵すぎて素敵すぎて素敵すぎる』 監督:大河原恵
Classics(クラシック作品)
『ニンゲン合格』 監督:黒沢清
『Love Letter』 監督:岩井俊二
『蛇の道(1998)』 監督:黒沢清
Short Cuts(短編部門)
『END of DINOSAURS』 監督:カコ・アニカ・エサシ
『Flow(原題)』 監督:ショウコ・タマイ
『I AM NOT INVISIBLE』 監督:川島佑喜
『罪人の木』 監督:石原理衣、小野川浩幸
Documentary(ドキュメンタリー部門)
『Japanese Avant-Garde Pioneers(原題)』 監督:アメリ・ラヴァレック
『The Spirit of Japan(原題)』 監督:ジョセフ・オーバーベイ
『どうすればよかったか?(原題)』 監督:藤野知明
※本記事は抄訳・要約です。オリジナル記事はこちら。
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