Apple TV+は、いまやストリーミング業界で揺るぎない地位を確立した。サービス開始時には『WIRED』から「奇妙で、悩ましく、欲求不満を感じさせるサービス」と厳しい評価を受けたこともあったが、現在では状況が大きく変化した。ドラマ、ドキュメンタリー、コメディなど、幅広いジャンルにわたって質の高いコンテンツを提供し、充実したライブラリを構築するまでに成長。その進化は目覚ましいものがある。
初めてApple TV+を利用する人は、豊富なコンテンツのなかから何を観るべきか迷うかもしれない。そこで『WIRED』が厳選した、特におすすめのシリーズを紹介したい。
「セヴェランス」
「セヴェランス」のシーズン2ほど待ち望まれていたドラマがあっただろうか? もちろんあっただろう。「ゲーム・オブ・スローンズ」が思い浮かぶ。しかし、「セヴェランス」は、Apple TV+を独自のエッジの効いた一流コンテンツを持つストリーミング配信会社として確立した番組であることを考えると、この番組のシーズン2に対する期待は非常に大きい。シーズン2公開の心の準備ができていない人のために、予習をしておこう。
アダム・スコット演じるマークは、妻の死に打ちひしがれた男で、仕事と家庭の記憶を分ける「セヴェランス」という処置を受けることを選択する。この設定に彼はとても満足していたが、出張中に元ルモン・インダストリーズの同僚に居場所を突き止められる。これ以降、彼は「セヴェランス」だけでなく、自分の会社が行っている業務についても疑問を抱くようになる。そこから先は、刻々と状況は奇妙で暗いものになっていく。緊張感と胸が張り裂けそうなほど切ない「セヴェランス」というドラマは、最後まで観客を飽きさせない。
「マーダーボット」
SF作家マーサ・ウェルズのファンは、マーダーボット・ダイアリー・シリーズの映像化を長い間待ち望んでいた。というのも、Apple TV+が2023年に、ウェルズの2017年の中編小説『All Systems Red』を映像化すると発表していたからだ。この人気作と、それに続くシリーズ作品が、今回のドラマシリーズの原作である。
マーダーボットとは、ウェルズの物語に登場する主人公であり、本作でも主人公として描かれている。演じるのはア