2026年3月25日、映画監督篠田正浩の逝去から1年が経つ。篠田監督は1953年に松竹撮影所へ入り<松竹ヌーベルバーグ>と呼ばれる若き映画作家の1人として作品を生み出し、1966年には独立プロ「表現社」を設立し数多くの作品に取り組み日本映画の可能性を切り開いた。映画とともに駆け抜けた94年の生涯の中で世に送りだした数々の映画を、改めて鑑賞してもらい、次の世代にも繋いでいきたいという想いから、このほど、篠田正浩監督作品について再顕彰するプロジェクトを関係各社の協力を得て始動する。

画像2写真提供:表現社

命日である3月25日に公式Webサイトがオープンし、5月からはゆかりの深い劇場で、それぞれの視点でセレクションされた特集上映や、監督・篠田正浩または篠田作品を語るトークイベントを順次開催予定。各劇場がどのような切り口で篠田作品を選ぶのか、注目される。また、鑑賞の助けとなる全作品解説を収めた記念書籍の刊行も決定。さまざまな角度から篠田映画を楽しんでもらい、新しい観客とも出会える場となるようプロジェクトを進めていく。時同じくして海外でも企画上映、映画祭出品などの知らせが届いている。(株式会社 表現者)

画像3 ©1986 表現社/松竹株式会社

【映画監督 篠田正浩 レトロスペクティブプロジェクト】
<上映>
2026年5月29日(金)~6月11日(木)Bunkamuraル・シネマ渋谷宮下の上映を皮切りに、現在、シアター・イメージフォーラム(8月)、新文芸坐(9月)、シネ・ヌーヴォ(9月)、ユーロスペース(11月)、ロイヤル劇場(秋)の6劇場での上映が決定。各劇場がセレクションした特別な特集上映やトークイベントを開催。
Bunkamuraル・シネマ渋谷宮下
上映作品:「乾いた湖」「乾いた花4Kデジタルリマスター版」「暗殺」「あかね雲」「心中天網島」「はなれ瞽女おりん

<出版>
5月の上映開始にあわせキネマ旬報社より全作品解説を収めた記念書籍刊行。

<公式Webサイト>
3月25日:新たな情報拠点を開設。https://www.cinemaclassics.jp/shinoda/

<海外上映もアメリカ、台湾で予定>
3月27日~4月24日:HARVARD FILM ARCHIVE(ハーバード大学フィルムアーカイブ)
「Sixties Shinoda」 篠田正浩監督の1960年代の6作品を特集上映
上映作品:「乾いた湖」「乾いた花」「暗殺」「異聞猿飛佐助」「処刑の島」「心中天網島
4月10日~4月19日:Golden Horse Fantastic Film Festival (台北金馬ファンタスティック映画祭)台湾~「夜叉ヶ池」上映

<松竹ヌーベルバーグ>の旗手として時代を問い続け、独自の視点で日本文化を描き出した映画監督篠田正浩。その作品群を捉え直す本プロジェクトは、映画ファンのみならず、広く文化芸術を愛する人々へ向けた貴重な機会となる。今後も上映を含め「映画監督篠田正浩レトロスペクティブプロジェクト」は随時、企画を発表していく。

画像4© Mineko Orisaku

篠田正浩プロフィール】
1931年岐阜県生まれ。1953年松竹撮影所に入社。1960年「恋の片道切符」で監督となる。その後、大島渚吉田喜重らと共に松竹ヌーベルバーグの一人として前衛的な作品を発表。1966年松竹を退社してフリーとなり1967年独立プロ「表現社」を妻の岩下志麻と共に設立し自主製作を始める。以降、心中もの、歴史劇、ドキュメンタリーと幅広いジャンルを手がけ、独自の映像世界を確立していく。「心中天網島」(1969)や「沈黙(1971)」は、国際的にも高い評価を獲得した。「はなれ瞽女おりん」(1977)は妻でもある俳優・岩下志麻を主演に迎えて圧倒的な映像美で描き出し、日本のアニミズムや土着の精神性を鋭く問い直し、篠田映画におけるひとつの到達点として今なお語り継がれている。その後も、叙情豊かな名作「少年時代(1990)」などで多くの映画賞に輝き、鋭い知性と視覚美を兼ね備えた作品で観客を魅了した。2003年、日独合作の大作「スパイ・ゾルゲ」を最後に映画監督引退を表明。引退後も、日本文化や歴史に対する深い造詣を活かした執筆や講演活動を精力的に行い、日本映画の黄金期を支え、その精神を現代へと繋ぎ続けた知性派の映画監督。2025年3月25日逝去。

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