数々の映画祭で日本人初の快挙を成し遂げてきた映画監督・脚本家の長久允氏。その思考法と脚本術を存分に伝える『あなたにしか作れないけれど、世界に通用してしまう 脚本の教室』が間もなく発売となります。佐久間宣行さん、ラランド・サーヤさんも大絶賛の同書から、抜粋・再構成して特別公開します。


脚本の教室Photo: Adobe Stock



そもそもどうやってなったらいいかわからない

 脚本家には、資格がない。映画監督にもない。名乗ればいい。


 私も勝手に名乗っているにすぎません。「脚本家」や「映画監督」は、「コンサル」とか「クリエイティブディレクター」くらい言ったもん勝ちの職業なのです。


 つまり、そういう類いの胡散臭い職業であることを自覚しなければならない。ま、その話はおいておいて。


 とにかくつまり、そこに資格試験はないのです。


 名乗るためにやればいいことはただひとつ。

「書けばいい」。「作ればいい」。



才能よりも「やったかどうか」

 作品を発表していれば、誰しもが脚本家と言って問題ありません。


 しかし逆に言えば、書いてない人は脚本家ではない。そう言い切れます。


 当たり前か! でもそういうことに尽きると思います。


 詩を手帳に書き留めている人は、もうすでに「詩人」です。


 さっき恥ずかし紛まぎれに「コンサル」などと並べてしまいましたが、本音で言うと脚本は「詩人」のそれに近いように思っています。


 脚本家や映画監督は、もしかしたら「職業」ではなく、「生き方」に近いように思うのです。



最初はビジネスになるかは問題ではない

 ビジネスになっているかどうかは問題ではありません。自分を信じて書いていたら勝手にそのうちビジネスになるから安心していい。


 むしろ、作家性が確立し、たまにある作り手サイドの労力と魂を軽視した「しょうもないタイプのコンテンツビジネス」の歯車にならずに済むでしょう。


 さぁ、書きましょう。

 書いたら「脚本家」と名刺にクレジットしちゃいましょう。

 SNSのプロフィール欄に「脚本家」と打ち込みましょう。


 書けた脚本は、ネット上に掲載しちゃってもいいと思うし、脚本のコンペに出してもいいし、自分で監督をして作ってしまうのもよいでしょう。


 だからどうか、一気に、無我夢中で、書いてみてください。

「あなたにしか書けない脚本」を。

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