数々の映画祭で日本人初の快挙を成し遂げてきた映画監督・脚本家の長久允氏。その思考法と脚本術を存分に伝える『あなたにしか作れないけれど、世界に通用してしまう 脚本の教室』が間もなく発売となります。佐久間宣行さん、ラランド・サーヤさんも大絶賛の同書から、抜粋・再構成して特別公開します。


脚本の教室Photo: Adobe Stock



遠回りも悪くない 

 極端な話だけど。もしあなたが今、20歳で、書きたいけど書けないなら、10年待ってみましょう。


 私も、一度は夢をあきらめて、就職をしました。


 10年どころかそれ以上、何も関係ないことをする時間を過ごしました。

「映画を作りたい」という気持ちには、もうすっかりフタをして鍵をかけ戸棚の奥にしまって、サラリーマンをしていました。


 ただ、今となってはそれがあってこその自分なので、必要な時間でした。たぶん、23歳から映画を作り続けていたら辿り着けなかった自分になっていると思います。


 10年以上違う道を歩いたからこそ持てた眼差しがそこにあるからです。映画は、眼差しなので。はい。


 私は心から思うのです。夢、あきらめてよかった。遠回り、最高。(ポジティブです)



時間が作品のタネになる

 10年別の仕事をすると、そこで積み重なった嫌な気持ちはきっと脚本になります。


 もしあなたが30歳で、書きたいけど書けないのなら、10年待ってみましょう。


 その10年間、あなたは孤独で暮らしたかもしれないし、家族ができているかもしれないし、そのどちらでもないかもしれない。


 なんにせよ、その10年間であなたが感じたことがたくさんあるはず。


 もともと書きたかったあなたなら、その10年間のことを脚本にできるはず。

 つまらない人生などありませんから。


 また、これは綺麗事ではなくスタートに遅いとかは絶対にないので。

 やなせたかしさんがアンパンマン描いたの50歳くらいだもんな~ということを希望に、自分の人生を生きることに集中するのもありだと思います。本当に。

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