(C)西野亮廣/「映画 えんとつ町のプペル 約束の時計台」製作委員会
「ねえ、泣いてるの?」
2025年12月24日。リビングで5歳の息子に顔を覗き込まれ、私は言葉に詰まった。
私は「映画 えんとつ町のプペル」を観ていた。
劇場公開当時、興行収入24億円超の異例の大ヒットを記録した同作。しかし私は、コロナ禍真っ只中だったこともあり、映画館へは行けず、今の今までその世界に触れずに過ごしていた。
「映画 えんとつ町のプペル」より
(C)西野亮廣/「映画えんとつ町のプペル」製作委員会
けれど、クリスマス・イブの夜、本当になんとなく、ふと、再生ボタンを押してみたのだ。
物語が始まり、やがてエンドロールが流れる。さっきは「泣いてるの?」なんて聞いてきた息子も、今は私の隣にちょこんと座り、画面をじっと見つめていた。
とん、と何かに胸を突かれたような気がした。心に宿る温かな気持ちに気がつく。なんで私は今まで観ていなかったんだろう。物語の続きを観たい。そう思った。
「映画 えんとつ町のプペル 約束の時計台」より
(C)西野亮廣/「映画 えんとつ町のプペル 約束の時計台」製作委員会
最新作「映画 えんとつ町のプペル 約束の時計台」が、3月27日に公開を迎える。
本記事では最新作公開に向け、前作「映画 えんとつ町のプペル」への、筆者やSNSで募集したさまざまな人々の“大切な思い出”を特集する。
読めばきっと、あなたもプペルに会いに行きたくなる。
そして今度こそ、映画館へ、新しい思い出をつくりに行こう――。
【#映画com編集者の思い出】自宅リビングで──遅ればせながら、刺さりに刺さりまくった…
「映画 えんとつ町のプペル」より
(C)西野亮廣/「映画えんとつ町のプペル」製作委員会
まずは少しだけ、筆者の思い出を語らせてください。

正直にいえば、「映画 えんとつ町のプペル」公開当時、私は映画館に行きませんでした。
コロナ禍という厚い雲に覆われていた“あのころの世界”で――私たち家族は生まれたばかりの息子を抱えて暮らしていました。
「映画 えんとつ町のプペル」より
(C)西野亮廣/「映画えんとつ町のプペル」製作委員会
映画を観ることは仕事柄、どうしても必要なこと。しかし外出先で自分が感染し、息子や妻に何かがあったら?
だから私は、業務以外の「映画館という無上の楽しみ」をそっと胸にしまい、仕事や家族との1秒1秒を大切に、「元の暮らしが戻る日」を待ち続けました。
●“夢なんて見るな”――息苦しい日々に光を灯す、ルビッチの諦めない心
「映画 えんとつ町のプペル」より
(C)西野亮廣/「映画えんとつ町のプペル」製作委員会
5年経った今、初めて「映画 えんとつ町のプペル」を観られたことは、大きな意味があるのだと思います。
終わりの見えなかったコロナ禍で、「いつか元の生活に戻れる」と信じることは、まるで存在しない「星」を信じるような、途方もない夢物語でした。
「映画 えんとつ町のプペル」より
(C)西野亮廣/「映画えんとつ町のプペル」製作委員会
だからこそ、ルビッチが“星なんてない”“夢なんてみるな”と笑われても、煙の向こうの空を見上げ続けたその姿が、息苦しい現実でも「希望」を捨てなかった私たち自身の姿と、重なって見えたのです。
その瞬間に、そうか、と気が付きました。「映画 えんとつ町のプペル」は、理不尽な状況下を耐え抜いた、すべての「普通の人」の戦いを肯定してくれる映画なのだ、と。
5年前の記憶がよみがえり、“あのころの自分や家族”と再会できたようにも思えました。そして、生まれたばかりだった息子は、一緒に映画を観られるまで成長した。雲が晴れ日常が戻った、今、この世界で。
●ただの映画ではないのかもしれない。「よく頑張ったな」と、5年前の自分を抱きしめる体験
「映画 えんとつ町のプペル」より
(C)西野亮廣/「映画えんとつ町のプペル」製作委員会
私は映画で「自分と同じだ」と共感する瞬間が3つあったら、「私のための映画」と思うようにしています。そんななか本作はまさに3つの共感がありました。
世界の閉塞感。親子との記憶。物語を通じて、かつての自分や家族を思い出せたこと。
「映画 えんとつ町のプペル」より
(C)西野亮廣/「映画えんとつ町のプペル」製作委員会
「映画 えんとつ町のプペル」を観ることの“本質”は、映像美や物語だけでなく、「あのころの自分」と再会することなのだと、私は思います。そして「よく頑張ったな」と、自分や大切な人を抱きしめてあげる体験なのだとも。
ルビッチ、プペル。会いにくるのが遅くなって、ごめん。これは私のための映画だったよ。
「映画 えんとつ町のプペル 約束の時計台」より
(C)西野亮廣/「映画 えんとつ町のプペル 約束の時計台」製作委員会
そして、会えなくなってしまったプペルに、私もまた会いに行きたい。
これが、私の「映画 えんとつ町のプペル」の“思い出”です。
【#あのとき観たプペルを語ろう】あなたは、いつ、どこで、誰と観た? 忘れられない “個人的”な思い出の数々
「映画 えんとつ町のプペル」より
(C)西野亮廣/「映画えんとつ町のプペル」製作委員会
筆者が“あのころの自分”に思いを馳せたように、「映画 えんとつ町のプペル」を観た人の数だけ“大切な思い出”があるはず。
いろんな人の話を聞いてみたくてしょうがない。
だから、最新作の3月27日公開を記念し、X(旧Twitter)にてハッシュタグ「#あのとき観たプペルを語ろう」でみなさまの“思い出”を募集しました。
すると……「面白かった」という感想を超えた、瑞々しい「人生の1ページ」が数多く寄せられました。
「映画 えんとつ町のプペル 約束の時計台」より
(C)西野亮廣/「映画 えんとつ町のプペル 約束の時計台」製作委員会
■「もらった勇気が、今の支え」――仕事帰りのレイトショーで流した涙
Xより抜粋
■「あの時間は、我が家の宝物」――客席で、子どもの手を握りしめた
Xより抜粋
「映画 えんとつ町のプペル」より
(C)西野亮廣/「映画えんとつ町のプペル」製作委員会
■「あの夜が、今の自分の原点」――就活に挫折し、夢を失いかけた夜
Xより抜粋
■「プペルみたいになりたい!」――涙ながらに語った娘
Xより抜粋
「映画 えんとつ町のプペル」より
(C)西野亮廣/「映画えんとつ町のプペル」製作委員会
■「俺たちも信じ続ければ変わるかな」――親友と語り合った、忘れられない夜道
Xより抜粋
【#映画comユーザーの思い出】「この時代にぴったり」映画ファンが評価する“大人も涙が出る確かなクオリティ”
「映画 えんとつ町のプペル 約束の時計台」より
(C)西野亮廣/「映画 えんとつ町のプペル 約束の時計台」製作委員会
さて、また別角度から「映画 えんとつ町のプペル」に迫ってみましょう。
映画.comのレビューには感情的な共感だけでなく、一本の映画としての「作品クオリティ」への評価が寄せられていました。
「映画 えんとつ町のプペル 約束の時計台」より
(C)西野亮廣/「映画 えんとつ町のプペル 約束の時計台」製作委員会
原作絵本は短い物語だったので、長編映画にする時どんな風に膨らますのかなと期待して見に行った。
街の設定やお父さんの話などの深堀りをしつつ、トロッコを使ったダイナミックなアクションなど、映画で映える派手なシーンを盛り込んで楽しいメルヘンに仕上がっている。
美術が大変美しくてそれだけでも見る価値がある。とりわけ前半が楽しかった。冒頭のミュージカルパートはワクワクしたし、『インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説』を彷彿とさせるトロッコアクションは手に汗握った。
杉本穂高さん
「映画 えんとつ町のプペル 約束の時計台」より
(C)西野亮廣/「映画 えんとつ町のプペル 約束の時計台」製作委員会
アニメで初めて泣いた。4クオーター辺りからこんな大量の名言爆弾を放り込まれたら涙腺ディフェンスも決壊、崩壊。
夢を持てば笑われて、声を上げれば叩かれる、エンドロール曲奏でられたらもう涙で前が見えない。
「映画 えんとつ町のプペル 約束の時計台」より
(C)西野亮廣/「映画 えんとつ町のプペル 約束の時計台」製作委員会
誰がその夢は無理だって決めつけたのか。
その人は本当にその夢を叶えた人なのか。なら納得するけど、きっとそう言ってくる人って大抵自分の夢のことについて全く知識のない人だから。
そんな人になんと言われようと気にするな。
だってその夢は誰も叶えたことのない、あなただけが可能性を信じて追い続けた夢だから。
あなたしかその夢を叶えることができないから。
他の人の意見なんて知らなくていい。
ただ自分の信じる道をひたすらに追い求めれば、道はきっと拓く。
バカボンこあらさん
“もう一度”会いに行こう、そして新しい思い出をつくろう──
「映画 えんとつ町のプペル 約束の時計台」より
(C)西野亮廣/「映画 えんとつ町のプペル 約束の時計台」製作委員会
「えんとつ町のプペル」の物語は、まだ終わっていません。
最新作「映画 えんとつ町のプペル 約束の時計台」が3月27日に公開を迎えます。
「映画 えんとつ町のプペル 約束の時計台」より
(C)西野亮廣/「映画 えんとつ町のプペル 約束の時計台」製作委員会
今回のテーマは「再会」。ルビッチの人生を変えた人物であり、もう会えなくなってしまった親友・プペルと、再び会うまでの奇跡の物語――。
主題歌を担当するのは前作に続き、透き通る歌声で世界観を彩るロザリーナ。そして挿入歌として、誰もが知る切ない名曲「366日」を人気女優・小芝風花がカバー。Studio4℃の超絶映像世界にのせ、前作を超えるアクション、感動が、スクリーンで躍動します。
「映画 えんとつ町のプペル 約束の時計台」より
(C)西野亮廣/「映画 えんとつ町のプペル 約束の時計台」製作委員会
「映画 えんとつ町のプペル 約束の時計台」より
(C)西野亮廣/「映画 えんとつ町のプペル 約束の時計台」製作委員会
映画館や配信などで前作を観た人も。
当時はまだ小さかったお子さんも。
そして、筆者のように「行きたくても行けなかった」という“あなた”も。
今度こそ、映画館という特別な場所で「新しい思い出」をつくりに行きませんか?
さあ、プペルに会いに行こう。

「映画 えんとつ町のプペル 約束の時計台」より
(C)西野亮廣/「映画 えんとつ町のプペル 約束の時計台」製作委員会
※映画公開直前には、最新作「映画 えんとつ町のプペル 約束の時計台」の鑑賞レビューをお届けします。
