2026/02/26 21:00

2026年2月21日・22日の2日間にかけて、京都を拠点に活動するアイドル・グループ、きのホ。が主催する〈ホ。フェス2026〉が京都KBSホールで開催された。きのホ。を中心に広がる「愛」と「遊び心」がぎゅっと詰まった2日間。音楽が交わり、人が交わる。その瞬間ごとに生まれる化学反応こそが、このイベント最大の醍醐味であることを、あらためて実感させるステージとなった。ジャンルを越えたアーティストたちの出会いが確かな熱を生み、その熱は会場の隅々まで行き渡っていた。OTOTOYでは、オリジナルのライブフォトと共に、その模様を詳細にレポートする。
LIVE REPORT : 〈ホ。フェス2026〉

取材 &文 : ニシダケン
撮影 : 岡安いつ美
〈ホ。フェス2026〉DAY1、いよいよ開幕
〈ホ。フェス2026〉の会場である京都KBSホールに足を踏み入れると、まず目に飛び込んでくるのは、手作りの装飾の数々だった。出演者紹介パネルや、ファンアート、フォトスポット、さらには歌詞をあしらった展示まで、細部にわたり温もりが宿る空間が広がっていた。これらは、きのホ。のファンが制作し、前日に仕込んだものだという。それは会場「装飾」というよりも「作品」に近く、このまま美術館に持っていけば、「きのホ。展」ができそうなほどの力作ばかり。出演アーティスト全員への愛情が込められた装飾は、会場に入るたびに柔らかな熱を帯びた空気を吹き込んでいた。
開演時間を迎えると、きのホ。メンバーによる「思い思いに楽しんでいただけましたら幸いです」という影ナレが場内に響く。そして「せーの!きのホ。!」の掛け声とともに、メインステージ〈黒七味ステージ〉にメンバーが登場。オープニングの「emo衛門」のイントロに乗せて出演者の名を読み上げ、序盤から一気に会場をヒートアップさせる。さらにきのホ。は、新曲「美談にしないで」を投下。エキセントリックかつトリッキーなサウンドの上で、御堂莉くるみの魂の咆哮が響き渡る。最後はメンバーが客席に降り、後方まで駆け巡りながらフロア全体を沸かせる。主催者自らが最高のトップバッターとして、鮮烈なスタートを切った。

〈ホ。フェス2026〉会場装飾

〈ホ。フェス2026〉会場装飾

きのホ。

きのホ。
その熱気を引き継ぎ、〈白味噌ステージ〉に登場したのは、きのホ。のサウンドプロデューサーでもあるハンサムケンヤ。編成はスリーピースで、ドラムにきのホ。のプロデューサー新井ポテト、ベースにきのホ。の全楽曲で演奏を務めてきたシチロメグミを迎えた、いわば「きのホ。の裏方」が集結した布陣だ。ハンサムケンヤは生活の中で揺れ動く感情の機微を丁寧に描き出し、ノスタルジーを帯びた風景描写と生活者のリアルな歌声が、フェスに静かな深みを与えていた。
地下の〈おばんざいステージ〉のトップバッターはAlaska Jam。サウンドチェックの段階から大盛況で、開演前から入場規制がかかるほどの熱気を見せていた。MCでは、ギタリスト小野武正が機材車の鍵を誤って持参してしまい、他のメンバー全員が新幹線移動になったというエピソードを披露。「渋滞に巻き込まれなくてよかったー!」の叫びをきっかけに、きのホ。の桜寝あしたをサプライズで呼び込み、きのホ。の楽曲「渋滞」をコラボでパフォーマンス。タイトなビートに絡み合うラップが、地下フロアを灼熱の渦へと変えた。

ハンサムケンヤ

ハンサムケンヤ

Alaska Jam

Alaska Jam & 桜寝あした
予期せぬ出来事さえ味方に変えるエンターテインメント
その「渋滞」というワードは、その後、思わぬ形で現実となる。〈黒七味ステージ〉に出演予定だったADAM at feat. Jose(TOTALFAT)が交通渋滞で未到着というハプニングが発生したのだ。急遽、小清水美里、桜寝あした、新井ポテトが場をつなぐことに。そこからさらにハンサムケンヤ、Alaska Jam、ナカヤマシンペイ(Zantō Village)、室井ゆう(グデイ)、雨宮未來(NaNoMoRaL)、美味しい曖昧、そして出演予定がないにも関わらず、たまたま遊びに来ていた玉屋2060%(Wienners)までが続々とステージへ集結。全員できのホ。の「傾いてる」を踊るという、まさかの展開に。
ハンサムケンヤのぎこちないダンスとは対照的に、きのホ。の「ガチオタ」であるナカヤマシンペイが完コピのダンスを披露。さらに愛はズボーンの儀間建太がキレのあるパラパラで乱入し、大盛り上がりを見せる。アクシデントを逆手に取った即席コラボは、フェスならではの一体感を生み出した。予期せぬ出来事さえ味方に変え、エンターテインメントとして成立させてしまうところに、この〈ホ。フェス〉、そしてきのホ。というグループの凄みをみた瞬間だった。


ほどなくしてADAM at feat. Jose(TOTALFAT)が到着。JoseがTOTALFAT「夏ノ大蜥蜴」を弾き語りするスペシャルな場面も挟みつつ、ステンドグラスが開き「PARTY PARTY」へ突入。トラブルを吹き飛ばす圧巻のグルーヴで会場を再び爆発させる。さらに、今回の〈ホ。フェス〉のために制作したという「ときめきモモンガ上昇気流」を桜寝あした、小清水美里とのコラボで披露。ポップでキュートなパフォーマンスがフロアを多幸感で満たした。ラストは「推しのために課金し続けようじゃないか! 推しのために働き続けようじゃないか!」と叫び、「定時で帰ろう」へ。コミカルさと本気が同居するステージで最高潮を更新し続けた。
その後、同様に渋滞に巻き込まれていたTHE NEATBEATSも遅れて到着。「曲順もセットリストも決めていない」と前置きしながらも、圧巻のロックンロールを叩き込む姿は、まさに職人技。ライブの中盤には、「ギターを弾きたいアイドルはいないのかい?」と呼びかけると、きのホ。の小花衣こはる、御守ミコが登場。小花衣はHi-STANDARDばりのローポジションで構え、御守は勢いよく飛び出すも「どこを押さえればいいの?」と戸惑う。それでもバンドの懐深いロックンロールパワーが温かな空気を生み出し、プロフェッショナルな演奏で、フェスに力強い感動を生み出した。

ADAM at feat. Jose(TOTALFAT)& 桜寝あした、小清水美里

ADAM at feat. Jose(TOTALFAT)& 桜寝あした、小清水美里

THE NEATBEATS

THE NEATBEATS
