2月1日に東京・東京ドームで行われたFRUITS ZIPPERのワンマンライブ「FRUITS ZIPPER SPECIAL LIVE 2026『ENERGY』」の模様が、TELASAの見放題プランにて2月21日正午より配信される。令和のアイドルシーンを牽引するFRUITS ZIPPERが、5万人のファンを前に繰り広げた夢の一夜。音楽ナタリーではその見どころを、現地に足を運んだ音楽ライター・西廣智一氏のレビューで紹介する。


文 / 西廣智一

TELASA関連記事まとめはこちら

デビューから3年10カ月でたどり着いた夢のステージ

2022年4月にキャパ150人のライブハウスでステージデビューしてから、3年10カ月で東京ドームを5万人の観客で埋め尽くすまでに成長したFRUITS ZIPPER。2月1日に開催されたその東京ドーム単独公演「FRUITS ZIPPER SPECIAL LIVE 2026『ENERGY』」は、彼女たちにとってひとつのゴールであると同時に、ここから始まる新たな物語の序章とも言えるものだった。約3時間におよんだそのステージの模様は、ライブ当日にTELASAで生配信されたが、このたびTELASA見放題プラン加入者向けにアーカイブ配信が決定した。そこで、このテキストでは「FRUITS ZIPPER SPECIAL LIVE 2026『ENERGY』」の特筆すべきポイントに触れながら、ライブの見どころについて紹介していく。

5万人のふるっぱー(FRUITS ZIPPERファンの呼称)で埋め尽くされた東京ドーム。

5万人のふるっぱー(FRUITS ZIPPERファンの呼称)で埋め尽くされた東京ドーム。

①全持ち曲+αのぜいたくなセットリスト

「RADIO GALAXY」から元気いっぱいにスタートしたこの日のライブでは、FRUITS ZIPPER“はじまりの曲”である「君の明るい未来を追いかけて」を筆頭に、昨年末の「第76回NHK紅白歌合戦」でも披露された代表曲「わたしの一番かわいいところ」、テレビアニメ「クレヨンしんちゃん」の主題歌としてもおなじみの「はちゃめちゃわちゃライフ!」など、これまでFRUITS ZIPPERがリリースしてきた楽曲がもれなく披露された。この中には、ライブ初披露となる「Sugarless GiRL」や、「ハートのローラーコースター」から始まる緩急に富んだスペシャルメドレーも含まれており、かわいさに振り切った曲からクールさやカッコよさを打ち出した曲、エモーショナルさが際立つ曲までさまざまな要素を網羅。結成から今日までの約4年間にわたる活動の集大成と呼べるような内容は、初めて彼女たちのライブを観るビギナーはもちろんのこと、初期からグループを熱心に追いかけてきたコアなファンまでをも満足させるものだった。

FRUITS ZIPPER

FRUITS ZIPPER

そのほか、“COSEIメドレー”と題したブロックでは7人のソロ曲が矢継ぎ早に披露されたほか、松本かれん&櫻井優衣のアイドル性を前面に打ち出した「大きくなったら何になる?」、鎮西寿々歌&早瀬ノエルがしなやかに歌い踊る「Midnight in my Head」、仲川瑠夏・月足天音・真中まなの強い個性が入り混じった「Round and Round」といったユニット曲もお披露目。さらに、公演翌日の2月2日から配信スタートとなった新曲「成長期なので。」まで飛び出し、“これまで”と“これから”をつなぐ貴重な機会にもなった。

「大きくなったら何になる?」を歌う松本かれん(左)と櫻井優衣(右)。

「大きくなったら何になる?」を歌う松本かれん(左)と櫻井優衣(右)。

「Midnight in my Head」を披露する早瀬ノエル(左)と鎮西寿々歌(右)。

「Midnight in my Head」を披露する早瀬ノエル(左)と鎮西寿々歌(右)。

「Round and Round」を歌う月足天音、仲川瑠夏、真中まな(左から)。

「Round and Round」を歌う月足天音、仲川瑠夏、真中まな(左から)。

②大会場ならではの特別演出の数々

FRUITS ZIPPER史上過去最大規模のワンマンライブとあって、随所に用意された演出の数々も本公演を語るうえで欠かせない要素の1つとなっている。まず、公演冒頭や幕間、エンディングなどに用意された映像パートでは、メンバー7人が未確認の惑星の研究する学者に扮し、2022年4月に発足した研究で、ついに新たな惑星を発見して宇宙船で降り立つというストーリーが展開される。この映像の中には、チーム発足(=デビュー)から現在までの歴史を振り返る要素も含まれており、グループの軌跡を再認識&追体験することができた。

ロケットに乗ってアリーナを旋回するFRUITS ZIPPER。

ロケットに乗ってアリーナを旋回するFRUITS ZIPPER。

ステージ背面には巨大なLEDスクリーンが。

ステージ背面には巨大なLEDスクリーンが。

また、観客が手にしたペンライトは無線制御により、曲に合わせて一斉に点灯・消灯する仕組みとなっており、パートによって歌唱メンバーの担当カラーで客席が染まったり、時には美しい虹色の海を作り上げたり、その絶景は筆舌に尽くし難いものがある。

そして、オープニングやライブ中盤に用意された、「ピポパポ」という楽曲のミュージックビデオに登場したメンバーキャラクターをモチーフにした気球や、メンバーが高い位置にまでせり上がるリフター、天高く吹き上がる炎、メインステージからT字に伸びた花道とアリーナ中央に設置されたサブステージを存分に使ったパフォーマンスなど、ドームの規模感だからこその演出の数々が楽曲に彩りを与えるのはもちろん、FRUITS ZIPPERやそのファンにとって大切な1日をより忘れられないものにしてくれた。

FRUITS ZIPPERメンバーを乗せて東京ドーム内を浮遊するキャラ気球。

FRUITS ZIPPERメンバーを乗せて東京ドーム内を浮遊するキャラ気球。

③アイドルとしての矜持が伝わるパフォーマンス

数十人以上の大所帯アイドルとは異なり、たった7人で5万人のオーディエンスと対峙するには、それ相応の覚悟が必要だろう。場合によっては、先に挙げたような演出をひたすら連発して、記念碑的なお祭りやイベントとして終えることもできただろう。しかし、FRUITS ZIPPERは最低限の特別演出を用いつつも、自らが掲げるモットー「NEW KAWAII」のもと、「アイドル・FRUITS ZIPPER」のありのままの姿を我々に届けてくれた。

FRUITS ZIPPER

FRUITS ZIPPER

広いステージに合わせて、既存の振付をバラして見せるやり方は極力抑え、曲によってパフォーマンスする場所(メインステージやサブステージなど)を変えながら、ファンが求める / 観たいFRUITS ZIPPERの姿やパフォーマンスに徹底的にこだわったステージングには、ある種のストイックさすら感じられるものがある。このシンプルかつ正攻法なやり方を見失わなかったからこそ、彼女たちはここまで到達できた……そう実感してしまうほど、彼女たちがステージから振り撒く笑顔、はつらつとした歌声、躍動感に満ちたダンス、MCで語られるメッセージには説得力があったのだ。

これだけさまざまなアイドルグループが活動する現在、なぜFRUITS ZIPPERが世間から愛されるのか。その理由がすべて詰まったパフォーマンスを通して、「日本のアイドルはすごいんだぞ!」という事実をぜひ感じ取っていただきたい。

公演情報
FRUITS ZIPPER ARENA TOUR 2026

2026年4月24日(金)神奈川県 横浜アリーナ
2026年4月25日(土)神奈川県 横浜アリーナ
2026年5月2日(土)東京都 国立代々木競技場 第一体育館
2026年5月3日(日・祝)東京都 国立代々木競技場 第一体育館
2026年5月5日(火・祝)東京都 国立代々木競技場 第一体育館
2026年5月6日(水・振休)東京都 国立代々木競技場 第一体育館
2026年5月19日(火)広島県 広島グリーンアリーナ
2026年5月20日(水)広島県 広島グリーンアリーナ
2026年5月30日(土)香川県 あなぶきアリーナ香川
2026年5月31日(日)香川県 あなぶきアリーナ香川
2026年6月6日(土)北海道 北海道立総合体育センター 北海きたえーる
2026年6月7日(日)北海道 北海道立総合体育センター 北海きたえーる
2026年6月24日(水)愛知県 IG アリーナ
2026年6月25日(木)愛知県 IG アリーナ
2026年7月4日(土)兵庫県 GLION ARENA KOBE
2026年7月15日(水)福岡県 マリンメッセ福岡A館

TELASA関連記事まとめはこちら

プロフィール
FRUITS ZIPPER(フルーツジッパー)

アソビシステムが手がける、アイドル文化を世界に向けて発信するプロジェクト「KAWAII LAB.」より2022年2月に誕生したアイドルグループ。プロデューサーはアイドルグループ・むすびズムの元メンバーで、「KAWAII LAB.」の総合プロデューサーを務める木村ミサ。活動のコンセプトは「原宿から世界へ」。2022年4月リリースの楽曲「わたしの一番かわいいところ」がTikTokで爆発的に広まり、一躍大注目のグループとなった。2024年4月に1stフルアルバム「NEW KAWAII」を発表し、同年5月には東京・日本武道館で結成2周年を記念した2DAYSライブを開催。翌2025年の3周年ライブは兵庫・神戸ワールド記念ホール2DAYSと埼玉・さいたまスーパーアリーナとさらに規模を拡大し、同年8月には再びさいたまスーパーアリーナのスタジアムモードで3周年ライブの追加公演「さいたまスーパーアリーナ 25周年 FRUITS ZIPPER 3rd Anniversary 超超超めでたいライブ -さん-」を行い、2日間でのべ7万4000人を動員した。同年末には「第67回 輝く!日本レコード大賞」でシングル曲「かがみ」が優秀作品賞を受賞。さらに「NHK紅白歌合戦」初出場を果たし、代表曲「わたしの一番かわいいところ」を歌唱した。2026年2月には初の東京・東京ドーム公演「FRUITS ZIPPER SPECIAL LIVE 2026『ENERGY』」を成功に収め、この公演で初披露した新曲「成長期なので。」を翌日にリリースした。結成4周年を迎える春には全国8カ所を巡るアリーナツアー「FRUITS ZIPPER ARENA TOUR 2026」を行う。

Write A Comment

Pin