ヒビノ株式会社のグループ会社であるヒビノイマジニアリング株式会社が実用化を進める、映画館のODS(非映画のデジタルコンテンツ)上映に特化した高音質・高画質の次世代配信サービス「JUUQX」が、2026年2月20日(金)にスカパーJSAT株式会社主催にて開催される人気ダンサー・振付師YUMEKIのスペシャルファンイベント「YUMEKI and FRIENDS:)」のライブビューイングに採用されることが決定した。今回の先行導入を経て、2026年3月より本格的なサービス提供を開始する。
「YUMEKI and FRIENDS:)」ライブビューイングについて
ぴあアリーナMM(神奈川県)で開催されるYUMEKIのファンミーティング「YUMEKI and FRIENDS:)」(主催:スカパーJSAT株式会社)を大阪と福岡の二つの映画館で鑑賞できるライブビューイングだ。2K、ステレオでの上映というODSの標準的な規格でありながらも、JUUQXによる高画質・ロスレス音声伝送を採用することで質の高いパフォーマンスを余すところなくシアターまで届け、映画館の優れた上映設備を最大限に活かした高品位な音響・映像体験を提供する。
公演概要
JUUQX開発の背景
近年、映画館ではコンサート・イベントのライブ中継などを楽しめるODSの上映数が大きく増加し、2023年にはODS関連の興行収入が300億円を超えた。その反面で、主流の再生は2K・ステレオであり、加えて配信の過程でデータ圧縮を繰り返すことにより画質・音質に一定の劣化を伴うことから、4Kシネマプロジェクターや立体音響システムなど、映像作品を最大限に楽しむために設計された映画館の優れた上映設備を十分に活かしきれていない状況が続いていた。
映画館向け音響・映像システムの設計・施工を手掛けるヒビノイマジニアリングは、「ODSの品質は上げられないのか」という疑問をコンテンツホルダー、興行会社、そして映画館が抱える共通の課題であると認識。現代の技術で克服できるはずだと確信し、解決策を模索したという。
その中で注目したのが、株式会社コルグの高音質・高画質を特徴とする動画配信システム「Live Extreme」である。これに、ヒビノイマジニアリングが長年培ってきた映画館の環境に対する技術と深い知見を融合させることで、配信インフラにインターネットを用いる高音質・高画質のODS配信ソリューション「JUUQX」を完成させた。JUUQXは、衛星回線や専用線、ダークファイバーを前提とした従来の伝送方式を補完する「ODS配信の新たな選択肢」として、新しい感動体験の創出とODS市場のさらなる活性化に貢献することを目指すとしている。
JUUQXとは
JUUQXは、ヒビノイマジニアリングが提供する、映画館のODS上映に特化した次世代配信サービスだ。最大の特徴は、圧倒的な「高音質」と「高画質」。配信側のエンコーダーにはインターネット動画配信システムKORG「Live Extreme」を採用し、再生側のデコーダーは、ヒビノイマジニアリングが開発したJUUQX専用のオリジナルSTB(セットトップボックス)アプリケーションを採用している。コンテンツの魅力と映画館の優れた音響・映像設備を最大限に活かした上映を、高い安定性で実現。質の高いエンターテインメントを求めるODSに最適だとしている。
JUUQXの配信プロセス
〈ライブ上映〉
(1)コンテンツお預かり:ライブ会場の映像・音声データをリアルタイムに預かる。映像は4Kまで、音声はミックス済み音源からマルチチャンネル音源まで対応。
(2)リモートプロダクション:映画館設備に特化した音質の調整を実施。遠隔地でのミックスサービスも提供予定。
〈アーカイブ上映〉
(1)コンテンツお預かり:収録された映像・音声データを預かる。Dolby Atmos等にも対応。
(2)アップミックス、リマスタリング:5.1ch、7.1ch、Dolby Atmosなどへの作り替えや音質調整を提供。
(3)エンコーダー:4K60p映像とロスレス・ハイレゾ音声の伝送に対応。タイムシフト機能も搭載。
(4)アップロード:インターネット回線を使用。
(5)配信用サーバー(クラウド):クラウド上で保存・管理。専用CMSも提供予定。
(6)ダウンロード:インターネット回線を使用。
(7)STB(セットトップボックス):映写室に専用STBを設置。専門知識不要のUIで復元処理を行う。
(8)上映:高音質・高画質な上映を提供する。
JUUQXが提供する3つの価値
(1)コンテンツの魅力と映画館のスペックを最大限に引き出す「高品質な体験」
臨場感あふれる高音質
ロスレス・ハイレゾ音声のマルチチャンネルに対応し、ODSの主流だったステレオ(2ch)に加えサラウンドオーディオ(5.1chや7.1ch)、イマーシブオーディオ(Dolby Atmos)の配信が可能。また、ステレオ音源をサラウンドやイマーシブへ作り替えるアップミックスや、映画館という上映環境に特化した音質の作りこみを行うリマスタリングサービスも提供する。
極限まで圧縮劣化を抑えた高精細な映像表現
解像度は最大4K60pに対応。配信工程での圧縮劣化を極限まで抑え、これまで配信過程で圧縮が繰り返されることで生じていた画質劣化を防止する。素早い動きや微細なディティールまでも高精細に再現し、コンテンツが持つ本来の魅力を大スクリーンで余すことなく表現する。
(2)興行の成功を守る「盤石な安定性」
ストリーミングのタイムシフト機能により、最大300秒までの再生バッファを設ける時間差再生が可能。一時的な回線障害や通信速度の変動を吸収し、上映の中断・中止リスクを最小化する。
(3)扱いやすい仕組みで「効率的な運営」を支援
導入しやすく多様な興行形態に対応
高速インターネット回線で、全国の映画館に同時配信が可能。大規模配信はもちろんのこと、わずかなシアターに限定して希少性を高めたプレミアムな上映でもコストメリットを発揮する。コンテンツの特性や市場ニーズに合わせた、多様な興行の形を可能にする。
上映操作の間違いを防ぐ簡便なユーザーインターフェイス
映写室に設置する専用STBのオリジナルアプリケーションは、シンプルで分かりやすい操作デザインになっている。取り扱いに専門的な知識は不要で、最小限のオペレーションで正確に上映を操作できる。
業務の大幅な効率化を支援するODS専用管理システムを提供予定
JUUQXでは、ODS専用の劇場向けコンテンツ管理システム(CMS)を開発中です。上映のスケジュール調整、テスト状況の確認といった、これまで主に手作業で行われてきたODS上映の管理業務を一元的にデジタル化する。これにより、関係者間の連絡を効率化し、興行にかかる手間を大幅に削減。より円滑で間違いのない運営管理を提供予定だ。


