【超おすすめの極上ミステリーを“発見”】とんでもなく
良かった…いい意味で「予想と違う」と悶絶、沁みる、
泣ける、そして“逆転”する!「古畑任三郎」「ガリレオ」
好きの心が震えたこの“最上級の体験”、激推ししたい!画像1

映画.comをご覧の皆さん、どうもこんにちは、編集部に所属している「名作ミステリー鑑定人」です。

「お前誰だよ」というツッコミは華麗にスルーさせていただきつつ、早速お伝えしたいことがございます。最近、あらゆる“名作”を探し求めている私のレーダーが猛烈に反応する映画がありました。

それが「木挽町のあだ討ち」(2月27日公開)。直木賞と山本周五郎賞をダブル受賞した永井紗耶子さんの同名小説を、柄本佑&渡辺謙の初共演で映画化した作品です。

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でね、私の“直感”が働いたんですよ、この映画はもしかして――

予想を覆すミステリーの名作

なんじゃないかって。

ということで実際に鑑賞してみた結果は……ステイ、ステイ、ステイ、“結論を急ぐなかれ”ですよ! 本作の魅力をじっくりと解き明かしていきつつ、最後に「鑑定結果(名作なのか、否か)」をお伝えします。

【予告編】江戸に咲いた大輪の華、そのカラクリを解き明かしましょう。

<用語解説>

木挽町:東京都中央区銀座にあった地名。名称の由来は、木挽き職人が多く住んでいたことから。江戸時代の劇場街で、現在でも「歌舞伎座」が存在している。

仇討ち(あだうち):主君や親兄弟などを殺したものを討ち取って恨みを晴らすこと。江戸時代、武士階級で慣習として公認されていた制度。

【開始5分で“沼”に落ちた】これってどんな時代劇?
いいえ違います。超高品質なエンタメミステリーです「仇討ち事件」の顛末に疑問を持ち、真相を探る加瀬総一郎(演:柄本佑)「仇討ち事件」の顛末に疑問を持ち、真相を探る加瀬総一郎(演:柄本佑)

江戸時代という背景の影響で「時代劇」の印象が強いと思いますが――この映画、ただの「時代劇」ではないんです。というよりも「時代劇」の体裁をとった上質なエンタメミステリー! 鑑賞を始めると、一瞬で世界観に“沼落ち”しちゃいます。

[どんな物語?]
雪の降る夜、200人が目撃した“あまりに劇的な仇討ち”。完ぺきに決着したはずだった。しかし突如突きつけられた“異議あり” 「とんでもない秘密」が明らかになる――「仇討ち」の使命を背負った伊納菊之助(右/演:長尾謙杜)、“主人殺し”の罪人・作兵衛(左/演:北村一輝)「仇討ち」の使命を背負った伊納菊之助(右/演:長尾謙杜)、“主人殺し”の罪人・作兵衛(左/演:北村一輝)

開始直後、めちゃくちゃ驚くと思いますよ。だって、仇討ちという“劇的瞬間”がいきなり訪れるんですから。

雪がしんしんと降り積もる夜、木挽町の芝居小屋「森田座」のすぐ近くで、美しい若衆・菊之助(演:長尾謙杜)が父の仇討ちを見事に成し遂げます。この大事件は多くの人々に目撃されて、のちに“美談”として語られることになりました。

で、そんな“劇的瞬間”の1年半後から、物語が“動き出す”んです。キーパーソンは、菊之助の縁者だという侍・総一郎(演:柄本佑)。彼は「仇討ちの顛末を知りたい」と森田座を訪れ、菊之助に関わった人々から事件の経緯をヒアリングしていきます。

総一郎が人々の話を事細かに聞き出していくと、この仇討ちには

「重大な秘密」が隠されていたことが判明!!!!

仇討ちに臨んだ者、“目撃”した人々、真相を追う侍……そして“陰謀”を企む者もいる!?

つまり、この仇討ちには、

想像だにしない“裏”がありました――。

[規格外の“ミステリー的快感”が全開]
“芝居小屋”という舞台が唯一無二――そして証言により真実が二転三転! “昼行灯”柄本佑の名推理に、「古畑任三郎」「ガリレオ」好きもゾクゾクしっぱなし総一郎と「森田座」の面々。右手前に座すのが、芝居小屋全体を取り仕切る立作者の篠田金治(演:渡辺謙)総一郎と「森田座」の面々。右手前に座すのが、芝居小屋全体を取り仕切る立作者の篠田金治(演:渡辺謙)

“一級品のミステリー映画”なんじゃないか? 私のこの予感は見事に当たっていました。だって――

展開がまったく読めなかったんです。

ストーリーは「総一郎が、関係者に話を聞き、証言・証拠を集めていく」をメイン軸に進行していきます。この様子がさながら“探偵の捜査”にも見えるので、ミステリー好きであればドハマり必至のポイント。

さらに、役者や美術や衣装や照明などさまざまな職業が集まる「芝居小屋」(まるで映画製作の現場のよう!)という舞台設定もめっちゃくちゃ捻りが効いていて、本作の唯一無二性を限りなく高めています。

「森田座」の演目「仮名手本忠臣蔵」「森田座」の演目「仮名手本忠臣蔵」「森田座」の演目「京鹿子娘道成寺」「森田座」の演目「京鹿子娘道成寺」

なぜ仇討ちは行われたのか。そして、どうやって実行されたのか――。

芝居小屋の面々の語りによって、“事実”の裏の、裏の、裏側まで透けていき、やがて“一つの真実”へと結実した瞬間のカタルシスが凄まじかったですし、その他にも、ぬらりくらりとした柄本佑の存在感がとてつもなくいい……!!!!

“ミステリー作品の主人公”としてキャラが立ちまくりですし、たとえば「古畑任三郎」「ガリレオ」シリーズが好きな人は確実に“大好物”のやつです。

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しかもね、「キサラギ」的な“大逆転”の痛快さも秘めた作品でもあって……じゃあ何が起こるかって?――言うわけないじゃないですか!! あなたの“楽しみ”を奪うなんてどうかしてるでしょ!!!!

“真実”は自分の目で確かめて――なる早で映画館へGOです!!!!!!

【この真相、あなたは見抜けるか】スクリーンに映る
すべてが美しく、怪しい――仇討ちに隠された5の謎画像10

本作には“真相”へと至るまでに、さまざまな“謎”――つまり“ヒント”が提示されていきます。物語を読み解くうえで、特に重要な5つの“謎”を紹介させてください。

[謎①:田舎侍・総一郎は、なぜ真相を追うのか?]
1年半前に完ぺきに終わった事件を、なぜ今?「弔いたい」と言っているが、本当か?飄々としているが、この男の本心は読めない……

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[謎②:仇討ちに臨む菊之助は、なぜ女形だったのか?]
雪明かりの中に浮かび上がる深紅の着物――隠された真意とは?

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[謎③:なぜ目撃者が200人もいたのか?]
一世一代の“大勝負”は人々の脳裏に刻まれ美談と化した――そもそも、なぜこんなに人が集まったのか??

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[謎④:なぜ舞台は「森田座」の目の前だったのか?]
雌雄を決する男たちの姿をはっきりと映し出す“スポットライト”も…「森田座」の中心人物・篠田金治(演:渡辺謙)はなにを語る?

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[謎⑤:これは本当に“仇討ち”だったのか?]
本作のタイトルは「木挽町の“あだ討ち”」――なぜ仇討ちではなく、あだ討ちなのか? 総一郎の“捜査”は、やがて複雑に入り組んだ“人々の思い”を浮き彫りにしていく

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この他にも“謎(ヒント)”はたっぷり用意されています。

鑑賞の際は、1秒たりとも見逃さないで!

謎解きを見ていたはずが…気づけば、泣けて、沁みて、
胸がアツくなる…人間ドラマも一級品ですよ、本作は。画像16

本作のミステリーについて語ってきましたが、ここに「上質な人間ドラマ」の魅力もプラスオン!

いやー、本当、なんて贅沢な作品なんだ……。

[ドラマが心に“沁みる”]
すべての点が1つの線で繋がる時、浮かび上がったのは“感動”だった――語り尽くせぬほど多くの人々の思いが交錯。その真実に、「大好き」の感情が止まらなくなった画像5

謎解きの爽快感に熱中した“あなた”に到来するのは“想定外の感情”です。それは――

心が震えるほどの感動

ネタバレに直結してしまうので多くを語れませんが、この“仇討ち”には、当事者の菊之助以外に、さまざまな人々の思いが重なり合っています。これが白日の下にさらされた時、肌がふつふつと粟立つような興奮と感動を覚えるんですよ。

巧みな口上で客寄せとして入口に立つ木戸芸者・一八(演:瀬戸康史)巧みな口上で客寄せとして入口に立つ木戸芸者・一八(演:瀬戸康史)斬り合いなどの立廻りを振り付ける「森田座」の立師・相良与三郎(演:滝藤賢一)斬り合いなどの立廻りを振り付ける「森田座」の立師・相良与三郎(演:滝藤賢一)

「きっとこんなオチかな?」と予測を立てながら鑑賞をしていると、想像していたものからの“感情の飛距離”がとんでもなくてですね。自分の心の揺らぎが、段階を追うごとに、強く、そして速くなっていったことを、今でも覚えています。

女形をしていた「森田座」の衣裳方・芳澤ほたる(演:高橋和也)女形をしていた「森田座」の衣裳方・芳澤ほたる(演:高橋和也)「森田座」の小道具方・久蔵(演:正名僕蔵)「森田座」の小道具方・久蔵(演:正名僕蔵)

より多くの人に味わってほしい――これが鑑賞後、率直に思ったこと。そして、本作は真実を知ったうえで再鑑賞すると、各シーンの描写や、各キャラクターの表情の“見え方”が変わってくるので、2回、3回、いやもしかしたら、人によっては10回も楽しめちゃうかも!

[最後に]
巧妙なミステリー、圧巻の人間ドラマ、キャストの妙技、心をうばう映像美…やがて訪れる“あまりに爽快なラスト”に大拍手 おいおい、万人に勧めたいエンタメ作品じゃないか!画像21

ミステリー要素で興味・関心を喚起しつつ、ネタバレ厳禁の“人情”で心を震わせてくる本作。しかも“爽やかな鑑賞後感”でトドメを刺してくるのだから、たまらんのですよ……。

剣劇アクションの楽しさもしっかりと押さえていますし、なにより……感動の波状攻撃! 一筋縄ではいかない巧妙さ!! 全要素が“大団円”を迎えるラストは、本当に必見です。

1年を通じて「面白い作品」に出合うことは何度だってありますよね。

でも、こんなにも「愛おしい」と感じられる作品はなかなかないと思います。

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――いやぁ、まだ作品愛が止まらないな……。個人的な“ココ見て”ポイント、伝えさせてください!

・掴みどころのない昼行灯…なのに、時折見せる推理の鋭さ――主演・柄本佑の“探偵”っぷりがめっちゃいいんだよね(令和の「金田一シリーズ」とかできそう!)

・渡辺謙が「仮名手本忠臣蔵」で“国宝級”の名演!!!!というか、ミステリーあり、人情ドラマあり、さらには歌舞伎シーンも→10分に1回くらい見どころやってくるんです

・ファーストルックからドラマチック――時代劇の名手・源孝志監督の手腕がさえわたる映像美にうっとり。“感情”が空気に溶け込み、スクリーンからダイレクトに伝わってくる!

まだまだ語り足りませんが、そろそろこの辺りで“鑑定”はストップ。

ではでは、鑑定人として導き出した「結論」をお伝えしましょう。

「木挽町のあだ討ち」は―――

名作認定です。

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