ホラー映画『遺愛』が、オランダで開催された「第55回ロッテルダム国際映画祭」でワールドプレミア上映された。
本作は、監督を酒井善三さん、企画/プロデュースをテレビ東京の大森時生さんがつとめる作品。
フェイクドキュメンタリー(モキュメンタリー)番組「このテープもってないですか?」「SIX HACK」を手がけた2名がタッグを組んで制作する。日本での公開は6月を予定している。
「ロッテルダム国際映画祭」でのワールドプレミアの様子
母の介護からはじまる愛と呪いの物語『遺愛』
『遺愛』の主人公は、父の死を機に実家へ戻り、母の介護をはじめた女性・藤井佳奈。
彼女は母との時間を取り戻すかのように献身的に介護をするが、次第に周囲で起こる異変に違和感を覚えていく。
佳奈と母は、呪われているのか。それともナニカを呪ってしまったのか。
「“愛”と“呪い”は紙一重」をテーマに、慈愛に満ちた介護のはずが、徐々に不穏さと違和感が混在したような、ただならぬ恐怖に飲み込まれる2人を描いていく。
映画『遺愛』特報「このテープもってないですか?」タッグによる最新作
監督をつとめる酒井善三さんは、SKIPシティ国際Dシネマ映画祭でSKIPシティアワードを受賞した映画『カウンセラー』などで知られる。
企画/プロデュースの大森時生さんは、テレビ東京のフェイクドキュメンタリーシリーズ「TXQ FICTION」や、展覧会イベント「行方不明展」「恐怖心展」などを手がけてきた人物だ。
今回開催されたワールドプレミア上映では、現地の映画ファンや批評家から、「日常にある愛、そしてそこに潜んでいる呪いの描き方が斬新だ」「主演・山下リオの演技は、まさに“憑依”そのもの。多層的で説得力がある」といったフィードバックが寄せられたという。
主演をつとめる山下リオさん
また、観客の「この映画はホラー映画なのか? それともファミリームービーですか?」という質問に対して、酒井善三さんは「ホラー映画は恐怖を描くが、人は自分が理解できない、合理的に割り切れないものに“恐怖”を感じます」と語った。
その上で、「この映画は家族愛を物語のベースとなる要素として描いている。そういった意味ではあくまでも“恐怖”映画という表現がぴったりかもしれません」と説明している。

