TOGETHER トゥギャザー

TOGETHER トゥギャザー

2025年はとにかくホラー映画が豊作だった年だったと思います。

自分も年ベス候補にいくつも入れたほどで、ホラーが苦手とか言ってた頃が懐かしいほど堪能できた1年でした。

 

こうした背景には、やはり配給側の予算が厳しい問題やホラースリラー以外のジャンル映画が下火になってきていること、オリジナル作品の企画が通りにくい状況など、今やホラー映画でないと低予算でできない、アイディアを活かせない、結果利益が出ないという世知辛い問題があるように思えます。

 

またホラーといっても正当なホラー映画が量産されているのではなく、あくまでホラー演出が際立った別のジャンルの映画や哲学を持った作品が増えてるように思えます。

 

今回鑑賞する映画は、一応は「ボディ・ホラー」ですが、恋愛共依存になった一組のカップルの話。

感情は離れていても体はくっついていく…という倦怠期カップルの末路をこわ~くみせるとのこと。

個人的にしばらくくっつくことをしてないもんでね…普通にうらやましいんですけどねw

早速鑑賞してまいりました!!

 

 

作品情報

サンダンス映画祭でのワールドプレミア上映で大反響を呼び、気鋭の映画会社NEONが争奪戦の末に米国配給権を獲得した本作を、オーストラリア出身の新人監督マイケル・シャンクスが「恋に落ちることで人はどう変わるのか」をテーマに作り上げた。

 

長年連れ添ってきたことで気持ちがすれ違っている一組のカップルが、洞窟での一夜をきっかけに超自然的な身体の変異現象に見舞われ、世にもシュールで皮肉な極限状況に陥ってしまう姿を、予想のはるか斜め上を行くスリルとサプライズ、ブラックユーモアで描く共依存ボディ・ホラー。

 

自身も15年以上連れ添ているパートナーがいるというマイケル・シャンクス監督は、本作を通じて『「自分の人生」と「相手の人生」の境目が曖昧になっていく。そんなテーマを掘り下げた』と語る。

 

そんな倦怠期のカップルを演じるのは、「スクリーム4」や「プロミシング・ヤング・ウーマン」のアリソン・ブリーと、「グランド・イリュージョン」の新作が控えるデイヴ・フランコ。

実は二人は2017年に結婚している正真正銘の夫婦。

本作ではプロデューサーとして製作に携わっており、実際の夫婦だからこそ見せることができるリアルな瞬間が映っているに違いない。

 

身体の突然変異と恋愛の共依存を融合させたボディホラー。

私生活とプロフェッショナル両方の関係を両立している二人が、我々に伝えたいこととは。

www.daytona-park.com

 

あらすじ

 

長年連れ添ってきたミュージシャン志望のティム(デイヴ・フランコ)と小学校教師のミリー(アリソン・ブリ―)が、住み慣れた都会を離れ、田舎の一軒家に移り住む。

 

ところが森で道に迷い、不気味な地下洞窟で一夜を過ごした直後から、ふたりの穏やかな日常が暗転する。

ティムは突然意識が混濁し、身体が勝手に暴走する奇妙な症状に悩まされ、気持ちがすれ違いがちだったミリーとの関係が危うく揺らぎ出す。

 

やがて、その異変はミリーの身にも勃発。目に見えない磁力に引き寄せられるかのように互いを求め、身体と身体がくっついていくその想像を絶する現象は、ふたりが一緒に育んできた愛と人生すべてを侵蝕していくのだった……。(公式より抜粋)

youtu.be

 

 

感想

#トゥギャザー 鑑賞。
倦怠期カップルに起きる不気味すぎる現象。
目を瞑りたくなるグロさもありながら、演者の柔軟すぎる動きも面白く、テーマ性も加えて見応えある佳作。
主演のデイヴブランコとアリソンブリーは実際に夫婦だそうで、よくこんな映画をプロデュースしたなと感心。 pic.twitter.com/f3mGODAqFi

— モンキー🐵@「モンキー的映画のススメ」の人 (@monkey1119) February 6, 2026

「あなたとひとつになりたい」

これを見てから言いましょうw

もっとボディホラーを強調することもできたけど、恋や愛がテーマならこれくらいがちょうどいいんだろう。

以下、ネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

見方によっては美しい物語、か?

プラトンという哲学者の書いた本によると、我々男と女はもともと一つの体だった、らしい。

ギリシャ神話の神ゼウスは、高い能力を持つ両性人間がいずれ髪を脅かす存在になると思い、彼らを真っ二つにしたそう。

手足が2本ずつ、顔と性器が一つずつの「男と女」にしたことで、それぞれ男女は失った半身に焦がれて求めあうようになった、って。

 

昔の頭いい人はこんなことを考えてたんだなぁ、ついていけねえなぁ。

 

・・・と、バカが露呈してしまいましたが、実はこのエピソード、本作「TOGETHER」の激中にも登場する話で、本作のテーマに非常に重要なモノになっていたわけです。

わざわざれをあるキャラに言わせるなんて、少々優しすぎる説明ですが、俺としてはこんな話知らんし、プラトンのことなんて10年に1回言うか言わないかレベルなんで、ちょうどよかったです。

 

さてさて、本作はすっかり気持ちが離れてしまっただけでなく、片方は売れないミュージシャンで、片方は堅実な小学校教師という格差もある倦怠期カップルが、とある洞窟で飲んでしまった水のせいで、体がくっつく現象に陥ってしまう物語。

 

彼女ミリーの都合で都会から引っ越すことになってしまったティムは、建前こそ彼女を尊重しての決断ですが、本心は都会にいた方が音楽活動しやすいので実は残りたい。

引っ越しパーティーでもみんなのまえで逆プロポーズをするミリーにドン引きしてぶち壊す失態を犯すほど、もうミリーの事よりもミュージシャンとして売れたい願望が強いご様子。

 

この辺は僕もミュージシャン志望だったので、痛いほど気持ちはわかります。

地元で活動することも可能だし、うちのバンドが解散した後、ドラムくんは地元から東京に通って活動していたので、決して不可能なことではない。

ただぁ!

売れないってことは金もないわけで、移動時間も交通費も宿泊費ももったいないし、月に何回も往復するわけですから、その分の疲労度も半端ないわけですよ。

一体どっちの方が利便性あるかって話。

 

きっとティムもミリーと都会で済んでいた最たる理由は「金」だと思うんです。

一人で住むには今の稼ぎではやっていけない、だからちゃんと働いているミリーと住めばいつも一緒にいられるし、活動もできる。

最高じゃん!!!てわけ。

 

でも、そんな浅はかな考えも、月日が経ち35を過ぎても続くかって話。

ティムもティムで何年も連れ添った同棲相手がいるにも拘らず、35歳を過ぎても音楽って正直カッコ悪い。

やるなといわん、責任を取れ。

 

まぁ、映画の2人にモラルやら世間一般常識みたいな説教たれたところで意味ないのでこの辺でw

 

結局モリーの転職を尊重し、森が美しい小さな町へ引っ越した二人は、同僚の先生のアドバイスで、森を散策することに。

しかし嵐がやってきてしまい道に迷う始末。

コンパスの指示通り北へ向かうけど、モノの見事に大きな穴に落ちてしまう。

 

2人が落ちた穴の中は、大きな鐘が部下がった教会だったような場所で、ここで野宿をしながら嵐が去るのを待ちます。

その間素直な思いを語り合いながら、持参したワインとたき火で暖を取る2人。

喉が渇いたティムは、ため池の水を飲んで潤すんですが、これがいけなかった。

 

まず、寝て起きたらモリーと足がくっついていることに気付く。

無理矢理剥がれたはいいものの、皮が剥がれるほどびったりくっついていたことに驚く2人。

 

帰宅後買い物に行くモリーに対し、シャワーを浴びるティム。

すると突然ティムの意識がもうろうとなるではないですか!!

しかもモリーの乗った車が曲がる度、ティムも同じ方向にカラダが動き、おでこを怪我してしまうほど。

 

病院で処方された筋弛緩剤を飲んで、一時的に楽になったはいいものの、夜寝ていたらモリーの髪の毛が口に入って窒息寸前になったり、モリーの弟のバンドにギターとして参加するために駅へ行ったはいいものの、また急に発作が起きてしまうまでに。

 

結局モリーのいる学校に徒歩で向かい、あまりにも体が欲しくて学校のトイレでエッチしてしまうというw

もちろん行為をした後、抜けなくなるほどくっついてしまい、モリーの方から無理矢理剥がされるという、男にとっては悶絶級の痛さが画面からあふれ出ています。

 

 

頭では抵抗しても身体が言うこと聞かない。

今のティムには薬が効かなくなるとこれが活発になっていきます。

これに追い打ちをかけるように、同僚の家で出された水を飲んだモリーにも同じ現象が起きていくことで、物語はボディホラー感が加速!!

 

作業部屋でツアーをすっぽかしたことへの詫びメッセージを送ろうとしていた矢先、急にモリーがドアのガラス越しで顔をガンガンぶつけているではありませんか!!

無意識だったモリーの顔をひっぱたき、この事態を何とか収めるための話し合いを設けるも、ただただ二人の仲が悪くなるばかり。

 

そもそも二人は長年連れ添ったからこその言い分がある一方で、互いが互いを補える「利点」もあるから離れられないことが、物語から伝わってきます。

ティムは料理ができるが車に乗れない、モリーは仕事と稼ぎと車の運転があるが、料理ができない。

 

車の送迎に関しては都会に住んでいたから浮き彫りにならなかった。

でも田舎に来ればそれが浮き彫りになる。

そして鬱憤が溜まっていくことで膿が溢れてくる。

 

愛とは、気が付けばそこにあるもの

そんな2人に起きてしまう「くっつき現象」。

きっとさ、付き合いたてとか、2人の関係がめっちゃピークの時だったら片方が「もうこのまま一緒になろ♡」みたいなことになるかもしれないんだけど、今の2人には「俺が私が」という思考になってるのがつらい。

 

目の前のことでいっぱいいっぱいな二人は離れて寝ることになりますが、2人の細胞は「あ~~~~くっつきたい!!!」と疼く疼く!!

気が付くと部屋から飛び出しモリーのいる部屋に向かっていたティムは、床を滑っていく体に必死で抵抗して身を守ります。

しかし!やがてモリーの部屋から物音がしだし、開いたドアからまるでエクソシストのアレの様なブリッジした体勢でこちらに向かってきます!

 

この辺はモリー演じたアリソンブリーの柔軟さを意識したパフォーマンスなのか、まぁ~体のやわらかいことやわらかいこと。

まるで平均台で新体操でもしてるんじゃないかという身のこなしで、ブリッジからキレイに足を前に持ってきて直立した後、思いっきり開脚してもう一つの脚だけは前に進ませまいぞ!と抵抗するようなポージングを披露。

 

あまりにも凄すぎて怖くありません!

それを見たティムの顔は汗だくでびくついてるじゃないですか!

そりゃそうだ、このままだとくっついちゃうわけですからw

 

筋弛緩剤を何とか飲みまくった二人は無事助かった…かに見えましたが、てぃうが目覚めると、椅子に座ったままガムテープでぐるぐる巻きにされており、膝の上に座ったまま目が血走っているモリーは、電動のこぎりでくっついてしまった腕を切断しようとしている最中でした。

 

薬が効いているからこの状態で収まっている、だから今のうちに離れることが最優先だというモリーの主張に対し、いやいや待て待て気でも狂ったか正気かお前!?と叫び出すティム。

そりゃそうだ、最愛の相手が今まさに自分の腕を切ろうとしてるんだからw

 

一気にウィスキーを飲んで恐怖心を取り除こうとしていたモリーでしたが、酔っ払い過ぎて手が震えているという逆効果w

もちろんカメラは腕を切ろうと気張っているモリーの姿と、皮膚に触れようとしているのこぎりを映しており、さすがの俺も「うわ~~~マジか!?切るんか!?てか映すんか!?」と思いっきり顔をしかめて見つめていました(薄目でね)。

 

果たして二人はこのままくっついたままなのかってのが、ピークになる瞬間ですが、物語はここから予想だにしない展開に向かうのが、また面白かったんですよ。

 

 

結局あの洞窟の水が何なのかを具体的に説明するこはないんですが、その水を利用して「究極の愛」を実行する、ある団体の存在があったことが示唆されるわけです。

劇中でも何か模様の入った「鐘」が多数映ること、それが道しるべとなって真相にたどり着けるので、冒頭でも触れたゼウスの話然り、本作は本当にい色々優しい手引きをしてくれる物語になってます。

 

本作の言い分を否定はしませんが、正直肯定もしたくなってのが俺の言い分。

ティムは死んだままの父親のそばにずっと添い寝して過ごしていた母親を心底憎んでいたわけですが、きっとティムにはなぜ母親がそこから離れなかったのかを理解していないことがわかるかと思います。

 

そう、ティムはまだこの時点で人を愛することを解っていなかったのではと思います。

ティムはくっつく現象から解放されるために何をすればいいか、答えを見つけるんですね。

それが「自ら犠牲になること」。

それまで建前で彼女を思った行動をしていたティム。

本当は都会に残りたいし、夜の営みも疎かだったくらい「自分の事」しか考えていなかった。

それが今回の一件でようやくモリーのための行動を自らする決断ができた。

それこそが愛なのではないかと、本作は言ってるような気がします。

 

恋愛に疎く乏しい一丁前な事言えない俺が、うちの両親をみて「愛だな」と思ったことがありまして。

単身赴任だった親父が、実家で一人になってしまう母親を思って会社辞めたことです。

妹も家を出て行き、母の面倒は俺が見るような状況が過去にあったんですが、俺も俺で自己中なんで東京で暮らすことを告げたんですよ。

そしたら数日後に親父が帰ってくるって話聞いてね、なんかいいなぁと。

 

 

最後に

本作にピッタリなエピソードになってないですけど、好きな所も嫌いな所も全部分かったうえで「ひとつになりたい」、「ひとつでいたい」って気持ちを、本作はボディホラーという形で表現したんじゃないかと思います。

 

完全体とかドラゴンボールのセルみたいな話でもあるんですけど、ティムとモリーはセルみたいに「おお・・・素晴らしい」とか言ったりしたのかな。

 

映画的に不満を言うのであれば、クライマックスでのティムの決断が唐突過ぎるなと思ってしまいましたね。

失踪したカップルの無残な姿を見て、あの解決策を思いついたって思考がよくわからないですね。

あんな姿になるんなら、どちらかが死んだ方がいいって思うことはできるけど、自分を犠牲にするって直接的なきっかけにはなってないだろうと。

そういう意味で唐突過ぎたなと。

 

でもデイヴフランコもアリソンブリーも、夫婦でこんな映画に出るってすごいなと。

絶対良好でないと作れないですよこんな映画。

アイズワイドシャットのトムちんとニコールキッドマンはこうはならなかったんだろうな…

 

自分も倦怠期を迎えても相手のために犠牲になれるような相手が出来たらいいなぁ…

いや、一人でいいです…めんどくさがり屋なんで・・・。

というわけで以上!あざっしたっ!!

満足度☆☆☆☆☆☆★★★★6/10

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