
最優秀作品賞に選ばれた「ふつうの子ども」 ©2025「ふつうの子ども」製作委員会
第39回高崎映画祭の各賞が同映画祭委員会(須藤賢一委員長)から発表され、最優秀作品賞に呉美保(おみぽ)監督の「ふつうの子ども」が選ばれた。不寛容な今の社会を精いっぱい生きる子どもたちの姿をリアルに描き「愛情と勇気が詰まった傑作」と高く評価された。映画祭は3月20日に開幕し、22日午後5時から群馬県高崎市栄町の高崎芸術劇場で授賞式が開かれる。(石井宏昌)
昨年1月〜12月中旬に国内で劇場公開された邦画約650本を対象に同映画祭選定委員会が審査し、6部門に監督や俳優計11人・組を選出した。
「ふつうの子ども」は小学4年生の子どもたちが始めた「環境活動」が思わぬ方向に転がり、大人たちを巻き込んでいく物語。成長過程の子どもたちの日常をみずみずしく描いた。映画祭の志尾睦子プロデューサーは「子どもの目線で見た大人たちの姿をクリアに描き、なかなか見たことのない映画」と評した。
最優秀監督賞は「次元を超える」の豊田利晃監督と「敵」の吉田大八監督。SF的要素のある壮大な物語を紡いだ豊田監督は「物事に対する鋭い洞察力と鋭敏な感性を持ってこそ成立する世界観」、筒井康隆さんの同名小説を原作に映画化した吉田監督は「伸びやかで繊細な作家性に心酔した」とそれぞれ称賛された。
最優秀主演俳優賞も2人。「風のマジム」から伊藤沙莉さんが「繊細で雄弁な高い演技力」で、渋川市出身の渋川清彦さんは「中山教頭の人生テスト」で「人生のわびしさと豊かさを体現する主人公を見事に演じ上げた」とたたえられた。
志尾プロデューサーは「コロナ禍を経て、今回は未来に向けて人間のたくましさを伝える映画、力をもらえる作品が多かった」と総評。「その中でも特に未来への希望を感じられる作品を選んだ。ぜひ見ていただきたい」と呼びかけた。
映画祭は3月29日まで、高崎芸術劇場、シネマテークたかさき、高崎電気館の市内3会場で開催。上映全ラインアップやチケット販売は2月中旬に発表する。
