ホーム > インタビュー&レポート > 森三中・大島美幸とガンバレルーヤによる
異色の音楽ユニット・MyMの大阪でのクリスマス公演をレポート
「我々の成長曲線を見ていただきたい」
森三中・大島美幸とガンバレルーヤによる
異色の音楽ユニット・MyMの大阪でのクリスマス公演をレポート
「我々の成長曲線を見ていただきたい」
Miyuki(森三中・大島美幸)、Yoshiko(ガンバレルーヤ・よしこ)、Mahiru(ガンバレルーヤ・まひる)の3人からなる音楽ユニット・MyM(マイムー)が2025年12月26日、GORILLA HALL OSAKA(大阪)にて『MyM X’mas Special Event 2025』を開催。笑いをまじえつつ、楽曲・パフォーマンスともに高い完成度を見せ、AnM(アンマー/ファンの呼称)のボルテージを一気に引き上げた。
MyMは2024年、「本気でアーティストを目指すプロジェクト」の中で結成された。楽曲を提供するのは、BTS、BE:FIRSTらに楽曲提供をおこなう音楽プロデューサーのMatt Cab、MATZ、YouTube登録者数160万人を超えるアーティスト・ずま、映画やドラマなど数多くのタイアップ曲を発表しているシンガーソングライター・eillら錚々たる顔ぶれ。ヒップホップやダンスミュージックを軸に多彩なジャンルを横断しながら、いずれの楽曲でも、メンバーである3人が個性的かつ刺激的なボーカルを光らせている。
そんなMyMによる待ちに待った大阪でのクリスマス公演。3人が登場し、「昨日(25日)だけど、メリークリスマス」「行くぞ」と声を上げると会場は一気にヒートアップ。


オープニングを飾ったのは、1994年にEAST END×YURIがリリースしたミリオンヒット曲のリメイク「DA.YO.NE」。しかしよく聴くと、サビのパートだけ原曲の歌詞<だよね>ではなく、関西弁の<そやな>にアレンジして披露されていた。武内由紀子、今田耕司、東野幸治によるWEST END×YUKIが「DA.YO.NE」の関西版ソングとして発表した「SO.YA.NA」の要素を加える粋な計らいを見せると、AnMも<そやな>と一斉にレスポンス。
その勢いのまま、アグレッシブなステージを繰り広げる…かと思いきや、Yoshiko、Mahiruは早くも息を切らして給水タイム。その間、Miyukiは昼のバラエティ番組『ぽかぽか』(フジテレビ系)出演時に同公演のPRをした効果もあって大盛況になったと感謝を口に。一方で番組中、Miyukiの必死すぎる告知にMCのハライチから「ダセえ!」とツッコミを入れられたことを話題にあげ、「でも、(MyMは)泥臭くいこうよ」と自分たちのスタンスを表明した。

ここでMahiruが「AnMのみんな、こっからノンストップで行くからついて来れるか? くだらねえMCはここまでだ」と”ノンストップメドレー”を宣言。2曲目「超NAMAIKI」では、Mahiruの疾走感溢れるフロウが印象的。体をのけぞらせて歌うYoshikoのボーカルスタイルも抜群の格好良さだった。またサビパート<生意気におめかし>に合わせて、メイクをする振付はかわいらしさが感じられた。間髪入れずデビュー曲「ASOBOZE」を投下し、耳に手を添えて<ASOBOZE>と誘いかけるように歌う。
しかし”ノンストップメドレー宣言”もどこへやら。「ハァ、ハァ、ゼェ、ゼェ」と荒い呼吸が会場に響き渡り、2度目の水分補給。Yoshikoは演奏中「Miyukiから”ピー、ピー”って心配になる音が出てた」と苦笑い。

それでも続くユニット初の恋愛ソング「おまんじゅうこわい」の曲中では、AnMと一緒に手でまんじゅうの形を作って両頬にくっつける”おまんじゅうポーズ”で一体感を生み、落ちサビではMiyukiの体をYoshikoとMahiruがなぞりながら大胆に歌い上げた。ちなみに演奏後には「このままTikTokの撮影をします」と、公式アカウントに投稿する「おまんじゅうこわい」の振動画が撮影された。
そのあとのソロコーナーでは、それぞれのルーツやパーソナリティを感じさせる楽曲が披露された。YoshikoはT.M.Revolutionの「WHITE BREATH」を歌唱。T.M.Revolutionの奇抜な衣装に似せたウェアを身につけ、ステージ上に設置された扇風機で、おなじみの”突風”を再現。雪を模した紙吹雪を舞わせたが、口に紙吹雪が張り付くなどして歌いづらそうな一幕もあった。

Miyukiは、坂本冬美の「津軽海峡・冬景色」をカバー。「青森と北海道を結ぶ津軽海峡。見たこともありません、通ったこともありません」という語りから始まり、曲途中には、切ない眼差しを浮かべながら右手を斜め上に上げる、坂本冬美を彷彿とさせる仕草も。
YoshikoとMiyukiは冬の曲を歌ったが、Mahiruはコーナーの趣旨など関係なくSKY-HIの「何様feat.ぼくのりりっくぼうよみ」をチョイス。ハードなボーカルを聴かせ、「政治、宗教、芸能、金!」と吐きつけた。「サンタじゃなくて、サタンの歌を持ってきちゃった」と笑うMahiruに、Miyukiは「どこがクリスマスソングなの? ”Guilty”って歌ってたもんね…」と呆気にとられていた。
ライブ後半はまず、3人それぞれがおばあちゃんへの想いを込めて歌う「婆CHAN」。これまでのアッパーな空気が一変、素朴で温かいムードが広がった。背景には、おばあちゃんとの思い出にまつわるイラストが映し出され、感動を演出。心に沁みる曲をじっくり聴かせるところに、アーティストとしての3人のポテンシャルを感じることができる。



ユニット初のファンミーティングの模様やミュージックビデオ撮影の風景を記録した映像でこれまでの軌跡を振り返ったあと、アンコール曲に。サンタクロースの衣装で再登場した3人。Mahiruは「こっからはノンストップで行くぜ。死ぬ気で来い、死ぬ気で盛り上がれ」と煽るが、Miyukiは「そういう曲じゃねえんだけどな」とポツリ。アンコール1曲目「煖-DAN-」は3人のソフトなボーカルが堪能でき、特にYoshikoのフロウが心地良い。サビでは、3人の動きに合わせてAnMもハンズアップ。ピースフルな空間を見ることができた。

Miyukiは「ひとつ前の大阪のライブを見返したら、音程もすごく外れていて。ちゃんと反省して、ボイトレをしています。ぜひ我々の成長曲線を見ていただきたいです。そしてまた違った形で笑っていただけるよう、精進してやってまいります」とアーティストとしての進化を期待して欲しいと呼びかけ、ラスト曲「君は1000%」へ。タオルを振りながら盛り上がるこのハイテンション曲をもって、3人とAnMは完全燃焼。Miyukiが「最高のライブでした」と喜び、Mahiruは「全員、顔を覚えたからね」と再開を心待ちにした。
ちなみにMyMは5月29日(金)、なんばHatch(大阪)で2周年記念イベントを開催。Yoshikoが「ひとり3人連れて来てください。その3人が、また3人を連れて来て…」と呼びかけると、Miyukiは「(客が)ひとりでもやるよ!」ときっぱり。それを聞いたYoshiko、Mahiruは「それは向こうが気まずいよ」と戸惑い、AnMを笑わせた。
Text by 田辺ユウキ
Photo by 小林まり
(2026年1月13日更新)