2026年も数々の作品が公開・配信を控えているなか、最も期待している作品を映画ライター10名が発表します。
🎬『トイ・ストーリー5』🎬
鴇田崇
言わずと知れたディズニー&ピクサーの大傑作「トイ・ストーリー」シリーズ最新作であり、一昨年のD23でタブレットにお株を奪われそうになる(?)おもちゃたちの姿を描いたビジュアルを見た時から、気になっている一作ではあります。確かに子どもたちのおもちゃに限らず、さまざまな価値観が生まれ、それまで当たり前だったことが、そうじゃなくなっていく時代でもあるなか、『トイ・ストーリー』の日本公開から30年、はたしておもちゃの時代は、もう終わってしまうのかどうなのか。子ども部屋に届けられた箱の中身とその顛末に大いに注目したいところです!
🎬『スペシャルズ』🎬
赤山恭子
『ナイトフラワー』で心えぐられた内田英治監督の待機作です。何と言っても、内田監督の秘蔵っ子・佐久間大介さんがようやく主演という!(『マッチング TRUE LOVE』も控えていますけどね…吐夢も最高なんですけどね…)内田監督は、俳優としての佐久間さんの魅力を四方八方から照らす抜群の方なので、何がどういう形で出てくるかという点がとっても楽しみ。渋さ0のはちゃめちゃな設定をどう料理するのでしょうか。なおかつ、敬愛する青柳翔さんが人情深い殺し屋役ですと!鑑賞前からはまり役と確信しています。楽しみ×2です。
🎬『レンタル・ファミリー』🎬
牧口じゅん
『ザ・ホエール』で、イケメン俳優から実力派名優へと見事に脱皮を遂げたブレンダン・フレイザーが、他人の人生の中でさまざまな“役割”を演じる本作で、どのような演技を見せてくれるのか大いに期待。しかも舞台はハイコンテキスト文化である日本。彼が日本文化への理解や戸惑いをどのように体現するのか、その微妙なニュアンスをどう表現するのかにも注目したい。オリジナリティあふれる物語、日本という独特の舞台、個性的な俳優陣が織りなす化学反応が、日本独自の魅力をどのように引き出すのか、楽しみ。
🎬『ブゴニア』🎬
児玉美月
ヨルゴス・ランティモス監督の『哀れなるものたち』はあまりにも鮮烈で、少しの迷いもなく2024年のベスト映画に選んだ。映画館で映画を観る体験としての喜びを思い出させてくれた一作でもあった。『ブゴニア』は『女王陛下のお気に入り』からのエマ・ストーンと、『哀れなるものたち』『憐れみの3章』に続く再タッグで、またもや新しい世界へと連れて行ってくれるのではないかと期待。メインポスターとして公開されているエマ・ストーンの丸刈姿からインパクトが強烈で、ビジュアルからすでに心惹かれています。
🎬『プラダを着た悪魔2』🎬
上原礼子
前作の公開当時 2006年。当初のアンディのように、「ファッション業界の話でしょ、別世界」と斜に構えていた私は“飾らない私らしく”のつもりでアンディが選んだ「セルリアン」ニットのシーンにガツンとやられた。私自身がまさにワークライフバランスについて悩んでいた時期でもあり、やがて洗練されながら仕事をこなせるようになっていくアンディに共感を寄せ、背中を押された。あれから20年。いまや彼女はミランダの隣に、正々堂々と立ち並んでいる。自分らしく仕事を続けてきた(はずの)アンディの現在は? 大好きなエミリーはどう関わってくる? どうか、どうかどうか、がっかりさせないでね! と1ファンとしては願うばかり。
🎬『ただ、やるべきことを』🎬
西森路代
本当は、パク・チャヌクの『しあわせな選択』と行きたい気持ちをぐっとおさえて本作を選んだ理由は、韓国のインディペンデントな作品をより紹介したいからです。本作は、パク・クネ大統領の退陣を求める「ろうそくデモ」が盛んなころ、ある造船会社のリストラを任された社員たちを描いた作品です。韓国と言えば、なにかあったらデモでそのおかしさを訴えて、社会を変えていこうとしたり、実際に変えてきた実話の映画が多い印象があると思います。しかし、そのような映画が観客に共感され励まされることが難しくなった今を思わせます。粛々と“ただ、やるべきことを”していても、どうにもできないやるせなさもある映画ですが、こういう現実も描かないと取り残されてしまう人もいると感じます。ケン・ローチの作品や、韓国ドラマ『ミセン-未生-』などを見て来た人におすすめしたい作品です。
🎬『マーティ・シュプリーム』🎬
渡邉ひかる
『ワン・バトル・アフター・アナザー』がなければ、これが2025年マイ・ベストだったのに…な『名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN』がとても素晴らしかったティモシー・シャラメが、今度は卓球選手になるという。しかも、粛々と卓球に励むわけではなく、既婚者を寝取ったり、また別の既婚者を寝取ったり、どれだけ既婚者好きなのかとツッコみたくなる最低くんのよう。シャラメが卓球のテクでねじ伏せればチャーミングに見えるのか、クズはクズなのか、大いに気になるところ。ジョシュ・サフディが描く50年代も、日本での撮影パートも楽しみ。
🎬『オデュッセイア』🎬
冨永由紀
西洋文学の礎であるホメロスの叙事詩について、概要は知っていても実は通読していない者として、これは全貌を理解する近道になりそう。古代ギリシャから語り継がれる英雄帰還の旅物語は、冒険に神話、怪物まで登場と何でもあり。紀元前8世紀頃に遡る物語をクリストファー・ノーラン監督が21世紀の技術でどのように描くのか、興味が募る。2025年は実写による冒険ファンタジー『落下の王国』の再上映が日本で予想外のヒットとなったが、同じく実写重視のノーラン監督は観客をどう驚嘆させるのか、その企みが楽しみだ。
🎬『私たちの話し方』🎬
新田理恵
恥ずかしながら、この映画を観て初めて、ろう者の間でもコミュニケーション方法の違いによって分断があることを知った。人工内耳を装着して口話による教育を受け、“普通”であろうと努力しているものの、どうしても社会からの疎外感を抱いている主人公ソフィー。彼女が、ろう者であることに誇りを持って雄弁に手話で語る青年と出会い、新しい世界に足を踏み入れていく。それぞれの考え方を尊重しながら成長していく彼女たちの姿が瑞々しく、青春映画としても秀逸。非常に気づきの多い作品なので、ぜひ多くの人に観てほしい。
🎬『プロジェクト・ヘイル・メアリー』🎬
黒豆直樹
みんな大好き!ライアン・ゴズリングが、しがない中学教師役という設定もウケますが(Tシャツがかわいい!)、もちろん本筋はそこではなく。近年の、金をかけずとも知恵と工夫と職人的な技術を駆使したCGによる作品ももちろん素晴らしいですが、やはりガッツリと金と時間をかけた「これぞハリウッド!」の宇宙を舞台にしたSF大作も楽しみたい!
