(CNN) フランスの俳優ブリジット・バルドーさんが死去した。91歳だった。ブリジット・バルドー財団が28日、明らかにした。
反抗的な若さと美の象徴としてバルドーさんは、ジャンリュック・ゴダール監督の「軽蔑」などで見せた官能的で奔放な演技によって、映画における性の革命の先駆者となった。人生の後半では動物愛護活動に熱心に取り組んだ。
財団は声明で、「動物をより尊重する世界のために全てを捧げ、全てを捨てた非凡な女性の記憶に敬意を表する。バルドーさんの遺志は、財団が、バルドーさんの理想に対する同じ情熱と忠誠をもって継続する行動と闘いを通じて生き続けている」と述べた。
フランスでは「BB(ベベ)」の愛称で知られたバルドーさんは、1950年代から60年代にかけて、あからさまな性表現で観客を魅了し、道徳観念の権威を憤慨させた。バルドーさんは米国市場で人気を博し、ハリウッドでは検閲により、ヌードどころか性に関する率直な議論さえ禁じられていた時代に外国映画を米国に広める役割も果たした。
その影響について、米誌ライフは61年に「どこへ行っても、少女たちはバルドーのように歩き、装い、髪形をまね、彼女のような自由な魂になりたいと願っている」と評した。
フランスのマクロン大統領も弔意を示し、バルドーさんについて「自由な人生を体現した」とたたえ、「世紀のレジェンドの死を悼む」と述べた。
バルドーさんは1934年9月28日生まれ。きらびやかな芸能界とは無縁のパリの上流中産階級の家庭で育った。バレリーナを目指していたが、15歳の時に雑誌の表紙を飾ったことがきっかけで、マルク・アレグレ監督と、その若い助手だったロジェ・バディム氏の目に留まった。バルドーさんより6歳年上で、映画監督を志していたバディム氏は、やがてバルドーさんの恋人となり、映画スターとしての飛躍に大きな役割を果たした。
本人は自らの演技力を高く評価することはなく、批評家から称賛されることもまれだった。それでも、約20年にわたり「素直な悪女」や「軽蔑」、「ビバ!マリア」など40本以上の映画で放ったカリスマ性は否定しようがない。60年代には、フランスで人気歌手としても知られた。

映画「軽蔑」のブリジット・バルドーとジャック・パランス/AP
映画や音楽に加えて、ファッションセンスがバルドーさんを20世紀後半のポップカルチャーの最前線に押し上げた。長くストレートに伸ばした、あるいはツイストして垂らしたブロンドの髪、そしてカジュアルで体にフィットする服装へのこだわりは、60年代が終わってからも長くバルドーさんのイメージを現代的に保った。
大義のための転身
バルドーさんは1973年、39歳のときに映画界を引退し、その名声を動物の苦境に光を当てるために用いた。

欧州理事会でアザラシ漁について批判するバルドーさん=1978年/Laurent Maous/Gamma-Rapho/Getty Images
「私は美しさと若さを男性に捧げた。今は知恵と経験、最良の部分を動物たちに捧げている」。バルドーさんは87年、動物福祉のためのブリジット・バルドー財団の資金集めとして行われた記念品オークションで、集まった人々にそう語った。
一方で、論争の的であり続けた。動物の食肉処理に関するイスラムの儀礼を非難し、反移民的な見解を示したとして批判を浴びた。ロイター通信によると、イスラム教徒への侮辱などで人種的憎悪を扇動した罪で複数回有罪判決を受けている。
