北京(CNN) 中国・江西省出身のチー・ウェイハオ氏(21)は最近、新たな家族を迎えた。美しい青色をした猛毒を持つヘビだ。
ディズニーのアニメ映画「ズートピア2」が11月26日に公開されてから2日後、チー氏はインドネシア原産のトリメレウス・インスラリスを1850元(約4万円)で購入した。
チー氏のお気に入りのキャラクターも、ズートピア2に登場した新しいヘビのキャラクター「ゲイリー・ダ・スネーク」で、東南アジアのヘビをモデルにしたとみられている。
爬虫(はちゅう)類好きのチー氏は以前から青いヘビを飼いたいと考えていたが、ゲイリーが前向きで愛らしく描かれているのを見て、購入を決断したという。
「『ズートピア2』は爬虫類のペットに対するイメージ向上に貢献している。奇妙な存在ではないし、ゲイリーはその代表的なキャラクターだ」とチー氏はCNNに語った。「ゲイリーの情熱的な態度と責任感が大好きだ」
中国の干支(えと)で「巳年」が終わりに近づく中で公開されたズートピア2はこれまでに35億5000万元超の興行収入を記録し、外国のアニメ作品としては中国で歴代最高の興行収入となった。これまでの記録は2016年公開の前作「ズートピア」が保持していた。
映画興行サイト「ボックス・オフィス・モジョ」によれば、世界市場でも「ズートピア2」は興行収入10億ドル(約1540億円)を突破した。
映画の中でゲイリーは、ウサギとキツネの名コンビ、ジュディ・ホップスとニック・ワイルドの助けを借りながら、一族、そして爬虫類全体の評判を回復しようと奮闘する。
チー氏は、中国では爬虫類の飼い主が「気味の悪い生き物が好きな変わり者」と見なされがちだとし、ゲイリーがそのイメージを改善してくれることを期待していると話した。
映画に登場する青いヘビに魅了され、毒があるにもかかわらず実物を飼いたいと考える人は、チー氏だけではない。

チー・ウェイハオ氏のペットはズートピア2のゲイリーに似ている/Qi Weihao
中国のオンラインメディア「澎湃新聞」によると、映画公開後、主要な中国の電子商取引(EC)プラットフォームではトリメレウス・インスラリスの検索数が急増し、価格も数百元から数千元へと上昇した。
近年、爬虫類は中国の若者の心をますますつかんでいる。国営新華社通信が伝えたデータによると、24年末時点で中国では1700万人以上が海外の珍しいペットを飼育しており、市場規模は約100億元に迫っている。その60%以上がZ世代だという。
中国のペット産業に関する25年の報告書によれば、ペットとして飼われている爬虫類の50%以上がヘビだ。
地元メディアによれば、これらの爬虫類のほとんどは、実店舗で販売される前に人間によって飼育・調教されているが、一部はオンライン販売業者を通じて購入者に直接配送されることもある。
猛毒のヘビをオンラインで購入する動きが広がる中、当局の懸念も強まっている。40分車を走らせて対面でヘビを引き取ったという経験豊富なチー氏も、軽い気持ちで決めるべきではないと警告する。「ヘビの飼育に関する豊富な経験と安全な設備がないのであれば、軽率に毒ヘビを飼うのはやめてほしい!」
中国紙・新京報も、映画の中の青いヘビは愛らしく勇敢で人間的な特徴を備えているが、現実の毒ヘビは決して無害な「流行のおもちゃ」ではないと論評した。「毒ヘビが逃げ出したり攻撃したりすれば、飼い主やその家族を危険にさらすだけでなく、公共の安全を脅かす事件に発展する恐れもある」
一方、中国のゲイリー・ファンの中には、より安全なヘビ関連グッズにお金を使う人も多い。
ネット通販大手「淘宝(タオバオ)」では、中身が分からない「ブラインドボックス」形式のキャラクター商品が、週間売り上げランキングのトップ10に入った。キャラクターのぬいぐるみも実店舗で高い人気を集めている。
「ズートピア2」公開から約1週間後、上海ディズニーランドの従業員は地元メディアの取材に対し、「現在、ゲイリーのぬいぐるみは在庫切れで、すぐには入手できないかもしれない」と語っていた。
