トロント国際映画祭はじめ各国の映画祭を熱狂させた、インド発のエクストリーム・ノンストップ・アクション『KILL 超覚醒』。はやくもハリウッドリメイクも決定した本作が11月14日(金)に公開される。インド製エンタテインメントといえば、波乱のドラマに歌ありダンスありの全部入りの超大作が主流だが、本作はなんとダンスシーンはなし!高速で走る特急列車を舞台に、1時間44分ひたすらバトルを繰り広げる純度の高いアクション作だ。
MOVIE WALKER PRESSでは、本作の公開に先駆け試写会を開催し、感想アンケートを実施。会場に集まったインド映画ファン、アクション映画ファンからは「こんなにバイオレンスに容赦なくて、歌って踊らないハードなインド映画はじめて観た!」(40代・男性)、「鑑賞後、血の気が引いてすぐに立てないぞ!」(30代・女性)、「インドからヤバイ映画が来た!!」(10代・男性)など激しいバトルに圧倒されたという声が目白押しであった。本稿では、そんな熱きコメントを通し本作の魅力をさぐってみたい。
■キルカウントはトータルで42人!「容赦ないアクションで悪人を成敗」(20代・男性)
対テロ特殊部隊の隊員アムリト(ラクシャ)と恋人で富豪タークル家の令嬢トゥリカ(ターニャ・マニクタラ)が乗った特急寝台列車が、40名の武装強盗団に襲撃された。タークル一家が乗っていると知ったリーダー格のファニ(ラガヴ・ジュヤル)は、彼らを誘拐し身代金を手に入れようと画策。トゥリカの妹が彼らに囚われてしまった。彼女を救出するために、アムリトは敵が占拠した車両に向かったが…。
ボロボロの姿のアムリトは、消火器を片手に… / [c]2024 BY DHARMA PRODUCTIONS PVT. LTD. & SIKHYA ENTERTAINMENT PVT. LTD.
舞台となるのは走行する寝台特急の中。細い通路の両側にベッドやボックス席が並んだ車内と狭いデッキで、ハイテンションなアクションが繰り広げられる。舞台こそ限定的だが、マーシャルアーツから力まかせのパワープレイ、ナイフなど刀物のほかライターや消火器、割れたガラスなど手近にあるものをなんでも手にするなど戦法は実に多彩。大勢で取り囲むことができないため、必然的に1対1になるなど狭さがプラスに働いている。
「寝台車という狭い場所がアクションの舞台になるのか疑問だったが、単調な背景がスリリングに効くところもあり、おもしろかった」(40代・女性)
「ガンアクションはなく、肉弾戦な拳での殴り合いが良かった。手に汗握りっぱなしでハラハラしました」(20代・男性)
「『ジョン・ウィック』とは対照的に一人一人のバトルシーンが多かったところが好き」(20代・男性)
「戦闘スタイルとしてはずっと拳だけで、劇伴や殺し方でどれだけアクションを描けるか、どんな撮り方ができるかをひたすらくふうしていて、とても好感を持ちました」(20代・男性)
と、アクションシーンはかなりの高評価。バトルのほかにも扉を開け相手を突き落そうとしたり、屋根に上って車両を移動するなどスリル&スピード感ある見せ場が要所に挿入されており、寝台車のため各ベッドや座席のブースがカーテンで仕切られているために、どこに敵が潜んでいるかわからないシチュエーションもサスペンスを盛り上げている。上下左右に移動するカメラワーク、緩急をつけたカットワークで緊張の糸が途切れないよう工夫もされ、痛快さよりリアルに軸足を置いたアクション描写も本作の特長だ。
倫理観ゼロ!圧倒的悪役感を見せつけるファニ / [c]2024 BY DHARMA PRODUCTIONS PVT. LTD. & SIKHYA ENTERTAINMENT PVT. LTD.
そして「全体的にやりすぎや!!!」(20代・男性)といった想定外の激しさに衝撃を受けたというコメントも。ふらふらになりながら、渾身の力で殴り、刺し、切りつける痛みが伴う流血描写の数々に、きっと度肝を抜かれるだろう。
「アクションがかなりむごいが勢いもすごくてハンカチをにぎりしめてしまった。まさにR15!な描写だった」(20代・女性)
「普段からインド映画が好きでインド映画らしい迫力あるアクションと魅せ方が好きだけど、この作品はバイオレンスさがいままで観た作品より強くとても見ごたえがあった」(30代・男性)
「容赦ないアクションで悪人を成敗し、タイトルの意味にゾッとした」(20代・男性)
■「インド映画という先入観がひっくり返される」(20代・女性)
映画序盤ではラブストーリーも並行して展開 / [c]2024 BY DHARMA PRODUCTIONS PVT. LTD. & SIKHYA ENTERTAINMENT PVT. LTD.
「アクションのバイオレンスさだけでなく、キャラクターが魅力的なのも最高だった」(10代・男性)というコメントにあるように、個性豊かなキャラクターも本作の魅力だ。アムリトは特殊部隊のエキスパート。車内でトゥリカにプロポーズした直後、バトルの渦に巻き込まれる。
「彼女と2人きりの時の優しい表情と一転、敵と戦うときのアクションと表情がとてもよかった」(30代・男性)
「強くてかっこいいのに問答無用で無双するのではなく、手こずりながら敵を倒していくのがすごい」(30代・男性)
親友のヴィレシュとの友情にも多くのコメントが集まっていた / [c]2024 BY DHARMA PRODUCTIONS PVT. LTD. & SIKHYA ENTERTAINMENT PVT. LTD.
強盗団とはいえ民間人が相手なだけに序盤は手加減をしていたアムリトだが、トゥリカや同行していた親友を傷つけられ“超覚醒”。一撃必殺の怒涛のバトルにシフトする。愛も怒りも友情もド直球な純情一途な青年で、感情のふり幅も広いキャラクターに思わず感情移入してしまう観客が続出していた。
そんなアムリトが永遠の愛を誓ったトゥリカには「守られてばかりではない強い女性」(40代・男性)という声も寄せられた。可憐なお嬢様キャラである一方、大切な妹を守るためけなげに強盗団に立ち向かう芯の強さも持っている。彼女がナイフを手に強盗団と対峙する姿に「インド映画という先入観がひっくり返されるシーンだと思った」(20代・女性)というコメントも納得だ。どんな状況でもアムリトへの愛を貫き通すところもポイントが高い。
守られるばかりではない、強盗団に対してアクティブに動くトゥリカ / [c]2024 BY DHARMA PRODUCTIONS PVT. LTD. & SIKHYA ENTERTAINMENT PVT. LTD.
対する強盗団も、裏社会の人間とは一線を画している。彼らはインドでダコイトと呼ばれる強盗団で、階級社会で抑圧された人々や搾取される側の弱者がやむなく結成した組織も少なくない。その犯行には社会や不平等への抗議という側面もあり、親族だけで構成された本作の強盗団も質素な衣装や計画性の希薄な作戦にそれをにおわせている。
「家族で犯行に及んでいたため、敵キャラでありながら家族愛を感じる描写があって意外だった」(20代・男性)
「ここまで犯罪者側が互いの死を悲しむ映画を初めて観たが、これがリアルの犯罪なのだと思った」(20代・女性)
“超覚醒”したアムリトを見て、強盗団も思わずこの顔 / [c]2024 BY DHARMA PRODUCTIONS PVT. LTD. & SIKHYA ENTERTAINMENT PVT. LTD.
敵側にドラマを感じさせるところも本作の魅力といえる。一方で「過激さ、報復、自分の家族だけに優しい利己的な感情に流されまくる物語が新鮮だった」(40代・女性)というコメントも寄せられ、アクションだけでなく、ドラマやその背景に注目するとまた違った楽しみが見つかるはず。
1人で多くの敵に挑むアムリトは、トラップなど実戦で鍛えた戦術を駆使して強盗団を翻弄する。最初はおびえていた乗客たちが、しだいに彼をサポートしていく展開もおもしろい。なかでも盗賊たちに愛する家族を殺された女性たちが立ち上がり、復讐を果たす姿も大きな見せ場になっている。
「『ダイハード』と『オールド・ボーイ』に近いと思った。主人公が鬼神のように戦う姿が印象的だった」(30代・男性)
「終始、ストーリーよりアクションが際立ってました。職業や立場がそれぞれあって形勢が変わる様子がおもしろかったです」(20代・男性)
■「この殺し方はハリウッドがリメイクできるとは思えません〜!!」(40代・女性)
全編アクション満載の、ソリッド・シチュエーションなアクションとして各国で高い評価を得ている本作。スパイスとしてちりばめられた家族の絆などインド映画おなじみの要素が、映画にさらなる奥行きを与えている。
「ただかっこいいだけでなく、アクションやストーリーも楽しめ、更にリアルさも満載で最高に楽しめました」(30代・男性)
「血と暴力と家族愛が満たされる」(30代・女性)
「限られたシチュエーションで様々なリアリティがあるアクションが見れた」(20代・男性)
「1秒も目が離せないものすごいアクション・バイオレンス映画」(40代・女性)
衝撃だらけのストーリー、その終着駅をぜひ見届けてほしい / [c]2024 BY DHARMA PRODUCTIONS PVT. LTD. & SIKHYA ENTERTAINMENT PVT. LTD.
とアクション以外の要素でも楽しめた様子で、しかもハリウッドリメイクがすでに決定している本作。「この殺し方はハリウッドがリメイクできるとは思えません〜!!」(40代・女性)とのコメントも納得だが、プロデュースを手掛けるのが「ジョン・ウィック」シリーズの生みの親チャド・スタエルスキ監督なので、期待して間違いないはず。続報にも注目だ。
ネタバレになるので本稿では紹介しなかったが、観客の誰もが驚く“ある仕掛け”があったりと、とにかくハイテンションで104分突っ走る本作。全編アクションてんこ盛りのなか、“超覚醒”後に繰り出される衝撃を、ぜひスクリーンで味わってほしい。
『KILL 超覚醒』は11月14日(金)公開! / [c]2024 BY DHARMA PRODUCTIONS PVT. LTD. & SIKHYA ENTERTAINMENT PVT. LTD.
文/神武団四郎
