広尾の、とあるマンションの一室で開かれる、ブックコミュニティー「Daily Practice Books」。住所非公開の隠れ家であり、エレベーターのボタンを押しながらちょっとドキドキした気分になるだろう。
オーナーがここを開いたのは、2022年のこと。約3000冊の蔵書を抱えていたが売り払うのもためらわれ、引っ越しを機に自宅を改装して本棚を設置、自宅を開放することにした。現在は一部、新本やZINEも扱う場であり、閲覧・貸し出しをする私設図書館でもある。また、読書会、茶会、編み物などのワークショップの会場にもなっている。
ずらりと並ぶ書籍はアートブックを中心に、小説、エッセー、コミック、人文・思想とジャンルに垣根はない。緑の塊が気になったので近づいてみると、東海林さだおの「丸かじりシリーズ」だった。ハマって全巻揃えたそうで、偏愛感あふれる他人の書棚をのぞく楽しみも味わわせてくれる。人によって、「自分の棚を見るよう」「知らない本がいっぱい」と感想もさまざまだ。
「本屋をやってみたい」という訪問者もいるという。街の書店が消えていく一方、シェア型書店は隆盛し、新本を入手するハードルは下がっている。本を介して人が緩やかにつながる同コミュニティーは、新たな「書店」の可能性も秘めているのかもしれない。
開放日やイベントなど詳細は、Instagramをチェックしてほしい。
