「自分で自分が何なのかもあまりわかってないですし」。WEST.の小瀧望は照れくさそうに笑いながら、役柄について語った。木曜劇場『小さい頃は、神様がいて』(フジテレビ系)で小瀧が演じるのは、小倉家の長男・順。“天使みたいな息子”と呼ばれる消防士だ。

 岡田惠和の完全オリジナル脚本によるホームコメディで、北村有起哉演じる父・渉と仲間由紀恵演じる母・あんが、19年前に交わした「(2人目の)子供が二十歳になったら離婚する」という約束をめぐる物語。小瀧が演じる順は、幼い頃からの夢を叶えて消防士となった、誰からも愛される好青年という役どころだ。

 約2年ぶりのドラマ出演。2025年はミュージカル『梨泰院クラス』に没頭し、体作りを再開したタイミングでこの作品が決まったという小瀧が語った、役作りへの思いと俳優としての本音とは。

消防士役に手応え「制服姿も割と似合っているなと」 

ーー現場に入られて、順を演じてみていかがですか?

小瀧望(以下、小瀧):小倉家の撮影は何回かありましたが、順は最初はあまり出ていなくて。なので僕も順という役を頭で理解しつつも、今の段階ではまだ掴んでいっている途中です。たまに、“なんでも最初からすぐにできてしまう天才”みたいな人もいますが、僕は重ねていってお芝居をするタイプなので。これから撮影現場も増えてくるので、共演者の皆さんや監督とお話して、自分の中で順という役をもう少し立体的にしていきたいと思っています。

ーー順は“天使”と呼ばれるような役ですね。

小瀧:先ほども取材で写真撮影をしていたのですが、プロデューサーの方に「大丈夫、天使感ちゃんとあるよ」といじられて、ちょっと恥ずかしかったです(笑)。順の「本当に天使みたいな」というセリフも出てきますが、それが嘘臭くならないように頑張りたいと思います。

ーーちなみに、ご自身の中に天使の要素はありますか?

小瀧:わからないですね(笑)。自分で自分が何なのかもあまりわかってないですし。でも、純粋に演じることができたらなと思います。

ーー消防士らしい体作りをして臨んだとのことですが、制服姿での撮影はいかがでしたか?

小瀧:このドラマが決まる前にはミュージカル『梨泰院クラス』があったので、体作りは4カ月ぐらい何もできませんでした。ジムに通っていたのですが、その間は何もできなくなってしまって。ミュージカルが終わったタイミングで少しゆっくりしてから、またジムを再開していて、そのタイミングで本作の出演が決まりました。なので少しでもトレーニングを再開しておいてよかったです。実際に本当の消防士さんにお会いしたら、皆さん本当に勇ましくて。自分で言うのはなんですけど、自分の制服姿も割と似合っているなと思います。

ーー台本を読んだときに何を感じましたか?

小瀧:岡田さんの作品はいくつか出演した経験がありますが、「こんな難しいト書きがいっぱいあったっけ?」と思いました。「まるで何々で何々のように」と、長いカッコがあった上でセリフが続くという形で。それを見て「これはどうやろうかな……」みたいに考え込みました(笑)。それは僕だけではなく、それぞれの役にト書きがいっぱいありますし。読解力や想像力とか、もっといっぱい膨らまして、現場に来る前にいろいろやるべきこともあるなと思っています。

小瀧:たとえば「天使みたいないい息子になってしまった」という、少し驚いてしまうような順のセリフがあるのですが、それすらも嫌味っぽく聞こえないのが順な気がして。どこか納得できてしまうぐらい優しくて強い子なのだと感じます。台本を読んで感じたのは、順と自分はめちゃくちゃ遠い存在ではないということです。家族仲もいいし、僕も割と大人の顔色を伺ってきて育ってきたところがあるので。ただ“純粋さ”があるかはわからないので、その純粋さを出していきたいと思います。

父親役への道はまだ遠い?

ーー小倉家のキャストの皆さんとのやり取りを教えてください。

小瀧:ゆず役の(近藤)華ちゃんとは1番最初にティザー撮影を一緒にしたのですが、「お兄ちゃんだから頑張らないと」と思いたくさん喋りました。「今年の夏は何した?」とか、「学生生活は大変?」とか、いっぱい話してたんです。で、カメラ撮影をしているときに「2人が話をしてる感じがいいですね、ちょっと何か話ててください」という困った要望が飛んできて(笑)。そうしたら急に何を話せばいいかわからなくなって、「でも大丈夫だよ、俺喋るから任しとき!」って思ってたら、華ちゃんも頑張らないといけないと思ったらしく、「好きな食べ物なんですか?」って声を震わせながら聞いてきて(笑)。それがかわいくてかわいくて。それが本当に印象的でした。「お肉かな」って答えました(笑)。こちらから話しかけるのが0.1秒遅れてしまったんですよね。申し訳なかったです。

ーー微笑ましいエピソードですね(笑)。仲間由紀恵さんはいかがでしょうか?

小瀧:仲間さんとは今日、2人でご飯を食べるシーンでお子さんの話をしてくださいました。「子どもたちに自然の中で育ってほしいから、自然の体験をさせたい」ということをおっしゃっていて。僕は「自然が無理なんです、特に虫が……」という話をしたら、「子どもができたら大変だよ、ポケットのダンゴムシを『はい』とか渡されるから」と言われて、「厳しいな、俺に父親は……」と絶望しました(笑)。

ーー北村有起哉さんはいかがですか?

小瀧:北村さんは初共演ですが、番宣で何度かご一緒しています。本当にフランクというかフレンドリーな方で、パパ呼びではないですが、パパのように感じています。これからもっと会話するシーンがあると思うので、それが今はすごく楽しみです。

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