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芥川なおによる話題の純愛小説を當真あみ×齋藤潤の共演で映画化
映画『ストロベリームーン 余命半年の恋』齋藤潤インタビュー
「これからもお芝居を楽しみながら全力で向き合いたい」
芥川なおによる話題の純愛小説を當真あみ×齋藤潤の共演で映画化
映画『ストロベリームーン 余命半年の恋』齋藤潤インタビュー
SNSで話題になった芥川なおの純愛小説「ストロベリームーン」を、岡田惠和脚本・酒井麻衣監督のタッグで実写化した『ストロベリームーン 余命半年の恋』が、10月17日(金)より、大阪ステーションシティシネマほか全国にて公開される。
病を抱え、幼い頃から家の中で過ごしてきた少女が、15歳の冬に余命半年との宣告を受け、かねてからの夢を叶えるために高校へ通い始め、恋に奮闘する様を描く。
「ちはやふるーめぐりー」で主演を務める當真あみが主人公の萌を演じ、『カラオケ行こ!』の齋藤潤が萌と恋に落ちる日向を演じるなど、旬の若手俳優の共演とともに、13年後の日向を杉野遥亮、13年後の萌の親友・麗を中条あやみ、萌の両親役として田中麗奈そしてユースケ・サンタマリアという豪華キャストが集結した話題作だ。
そんな本作の公開を前に、萌から突然告白される純朴な同級生の日向を演じた齋藤潤が作品について語った。
──齋藤さんがラブ・ストーリーの作品にメインキャストとして出演されるのは初めてのことだと思います。原作や脚本を初めて読まれた時はどのように感じられましたか。
恋愛ものに挑戦したいとずっと思っていましたし、芥川なお先生の原作を読んだ時にキャラクターにものすごく惹かれました。絶対、日向くんを演じたいと思っていたので、オーディションに受かって嬉しかったです。
──そうだったんですね。キャラクターに惹かれたというのは、日向に共感するところが多かったからでしょうか。
読んでいるだけで心が洗われるように感じたので、僕もその感情を分け与えられる人になりたいと思いました。憧れのような思いが強かったので、すごくやりたいと思っていました。
──日向が萌に告白された時の返答が、すごく日向らしいと感じました。齋藤さんは日向を演じる上でどのようなことを意識していたのでしょうか。
僕も、あの返答は日向らしいなと思いました。リハーサルの時に、監督に個別でお話する時間を作っていただいて、そのシーンの日向の返答についても、詳しく説明してくださったので、日向のキャラクターを掴めた部分もありました。とにかく目や表情から優しさが溢れていれば日向に近づけると思っていたので、無理をせずその場にいることが1番の目標でした。
──萌を演じた當真さんとは、9月まで放送されていたドラマ「ちはやふるーめぐりー」でも共演されていました。ドラマのすぐ後に、共演した映画が公開されることはなかなかないことだと思います。
なかなかないですよね。聞いた時はウキウキしちゃいました(笑)。
──映画の撮影が前で、ドラマの撮影が後だったのでしょうか。
この映画の撮影期間中に、「次もよろしくね」と言い合って、「かるた、どこまで覚えるのかな?」と話してました。
──本作で初めて當真さんと共演されたと思いますが、共演前はどのような印象をお持ちだったのでしょうか。
視聴者として當真さんが出演するドラマや映画を見ていたので、「萌ちゃん役は當真あみさんです」と聞いた時は、やっぱりなと思いました。
──やっぱりという感覚だったんですね。
絶対そうだと思いました(笑)。そこからは、頑張らないと、と思ってました。
──それは當真さんが萌ちゃんで良かったという気持ちもあったのでしょうか。
當真さんはたくさん経験を積まれていて、とてつもない力をお持ちなので、撮影前は當真さんの存在の大きさに緊張していました。でも、撮影中は、あみちゃんとふたりでいることも多くて、ずっと温かい時間が流れていたように感じます。また共演できるように頑張ります。
──13年後の日向を杉野遥亮さんが演じてらっしゃいましたが、完成した作品で大人になった日向を演じてる杉野さんを見られて、どのように感じられましたか。
過去を背負って生きてるように感じて、胸が苦しかったです。台本を読んで、展開は把握していましたが、日向がどんな人間になっているかまでは想像できてなかったので、映画を観た時はすごいなと思いました。
──萌ちゃんのお父さんとお母さんの場面や、萌ちゃんが家族と過ごす時間に、ぐっとくるものがありましたが、齋藤さんはどの部分にぐっときましたか。
どうしようもないタイムリミットを持ちながらも、一緒に過ごす時間を明るくしようとする姿を見て、自分には到底できることではないので、すごくかっこいい家族だと思いました。それを心がけていても、萌ちゃんがいない時に出る、お母さんとお父さんの姿や本音にすごく胸が締め付けられましたし、苦しくなる瞬間がたくさんありました。
──齋藤さんは、日向を演じる上で苦しくなる瞬間もあったと思いますが、どのように感じてらっしゃいましたか。
日向が萌ちゃんのためにどれだけ動けるかというのが、日向にとって成長のポイントだったと思います。日向を演じながら、事実を知った時に感じる苦しみは、一体どこからやってくるものなのか考えましたし、自分が生きていて、普通に息をしていることなど、今の自分と比べて考えることもありました。
──日向を演じるにあたって、監督とは事前にどのようなお話をされたのでしょうか。
監督から「日向が純粋に萌ちゃんのことを好きだという目線や、ふとした時の表情を撮りたい」とお聞きしていたので、そこをまず軸にしていました。それに加えて、「日向の持つ優しさなどの性格面を映したい」と、リハーサルの時にお聞きしたので、そういう部分も意識しながら演じていました。
──人との関わり方など、後半にかけて日向の変化が見えたように感じました。
終盤は萌ちゃんと出会う前と違って、日向が自主的に動くようになるので、僕も日向の変化を感じました。ずっと自分に何かを与え続けてくれた萌ちゃんに、自分ができる全てのことをしたいと思えた瞬間だと思うので、そこからが日向くんの大きな成長のポイントだったと思います。受け身だった分、自分が与える番になるんだということは意識してました。
──今回は静岡での撮影でしたが、以前、齋藤さんが出演された『からかい上手の高木さん』は小豆島が舞台で、『室井慎次』は秋田が舞台でした。映画には、場所の力がすごく影響すると思いますが、今回の撮影でも、土地の力みたいなものは感じられましたか。
それは、ずっと感じています。具体的なことを言うと、ホテルでの生活になるので、スタッフの皆さんやキャストの皆さんと同じ場所で泊まっていて、撮影外でも、ちょっとコンビニ行ったら会うこともありますし、エレベーターに乗る時に一緒になることもあって。そういうちょっとしたことでも、コミュニケーションが取れるので、地方での撮影は、チームパワーというか、士気がすごく上がるものだと僕は捉えてます。
──『カラオケ行こ!』や『室井慎次』シリーズなど、メインキャストとして出演する作品が増えてますが、ご自身のこれからについて、どのように考えてらっしゃいますか。
まず、ここまで連れてきていただいたことに本当に感謝しています。こうして取材させていただくことも、作品ごとにだんだんと増えているように感じています。こういう風にお仕事ができていることを有難く感じる気持ちはこれからも無くさずに、成長していくスピードを上げていかないといけないと思うので、もっと皆さんに喜んでいただけるような役者さんになるためにも、これからもお芝居を楽しみながら全力で向き合うことが僕のこれからの目標です。
──まだまだ制服は着られると思いますが、この先の抱負や、どういう役をやってみたいかなどをお聞かせください。
とにかくアクションがしたいです。学校の中で全員蹴散らして、屋上に立って「ライオン・キング」の音楽を流すみたいな(笑)。あとは、ピアノやバンドとかの音楽系と、学生です。
──学生の役は、ある程度の年齢までしかできないですから。
たぶん、あっという間に終わっちゃうと思うので、楽しみたいです。あとは、英語などの外国語を話す役もやりたいですし、自分が外国語を話せるようになるのも目標です。
取材・文/華崎陽子
(2025年10月21日更新)