【今週の労務書】再雇用という働き方 ミドルシニアのキャリア戦略 坂本 貴志、松雄 茂 著

労使双方に選択肢示す

 本書は企業と会社員、双方の立場からミドルシニアのキャリアを見つめ直し、さまざまな選択肢を示している。継続雇用か定年延長か、役職定年は必要か、職業人生に留まらず、家計の変化などのデータと照らし合わせながら分析している。

 企業の人事制度としては、ミドルシニアを継続雇用するうえで、ポストオフの問題が付きまとう。組織の新陳代謝を維持するためには、全員を定年後も同じ役職に留まらせるわけにはいかない。役職定年という制度は元々プレイングマネージャーだった課長をプレイヤーに戻す手段としては有効であるものの、部長は現場から離れて長いために、プレイヤーとしての自信を失っている可能性があると指摘。準備期間が必要になるとした。

(坂本 貴志、松雄 茂 著、PHP新書 刊、税込1320円、TEL:03-3520-9630)

労働新聞

令和7年10月13日第3516号16面 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

労働新聞社

Write A Comment

Pin