2025年10月13日、オープンアクセス(OA)書籍に関わる出版社、図書館員等から成る英国の非営利団体Open Book Collectiveが、書籍のOA出版のための共同資金調達モデルにおける図書館員の経験と参加障壁に関する報告書を公開しました。

報告書は、欧州6か国(フィンランド、フランス、ドイツ、オランダ、ポーランド、スウェーデン)の図書館員を中心に、一部出版社、OAの専門家も対象として行ったインタビューを基にしており、共同資金調達モデルに関する既存の研究や各国のOA出版の現状についてもまとめています。

終章では、共同資金調達モデルの推進に向け、透明性のある資金調達や運営を通じた信頼性の構築、各国のコンソーシアムを通じた図書館の参加を可能にすること、地域・言語・主題面での多様な出版、自国語で出版活動を行う地域の出版社との連携など8項目が提言されています。

Report on librarians’ barriers to participation in collective funding models for open access books(Open Book Collective, 2025/10/13)
https://openbookcollective.pubpub.org/pub/report-on-librarians-barrier-to-participation-in-collective-funding-models-for-open-access-books

Fathallah, J.; Deville, J.; Penier, I.; Corazza, F. Collective funding models for open access books: Librarians’ experiences and barriers to participation across six European contexts. Open Book Collective.
https://doi.org/10.5281/zenodo.17339946

参考:
オープンアクセス書籍のための持続可能な資金調達(文献紹介) [2025年02月14日]
https://current.ndl.go.jp/car/239958

持続可能で公平な書籍のオープンアクセス出版に関するプロジェクト“Open Book Collective”の背景と取組(記事紹介) [2022年6月16日]
https://current.ndl.go.jp/node/46329

E2621 – 小規模OA出版社の持続のためのガバナンス:COPIMの取組から
カレントアウェアネス-E No.462 2023.08.24
https://current.ndl.go.jp/e2621

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