立維国の3党首、野党候補一本化で結論持ち越し 玉木氏「依然隔たり」

 10月15日、 首相指名選挙を巡って野党候補一本化を模索する立憲民主党、日本維新の会、国民民主党は午後に党首会談を開き、結論を持ち越した。写真は会談後、都内で取材に応じる国民民主の玉木雄一郎代表(2025年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

[東京 15日 ロイター] – 首相指名選挙を巡って野党候補一本化を模索する立憲民主党、日本維新の会、国民民主党は15日午後に党首会談を開き、結論を持ち越した。国民民主の玉木雄一郎代表は記者団に対し「歩み寄りがあったとは思うが依然として隔たりが大きい」とした上で、「幹事長・国対委員長レベルで整うなら、来週月曜にもう一度党首会談をやってもいい」と語った。

維新の藤田文武共同代表によると、16日以降に幹事長・国対委員長レベルの会合を調整する。野党統一候補について具体的な話はほとんどなかったという。立民の野田佳彦代表は、安全保障やエネルギーなどについて引き続き協議するとし「必要に応じて党首会談を開く」と述べた。

野田氏は玉木氏への一本化も視野に入れる。ただ、国民民主は安全保障政策、原子力発電所を含むエネルギー政策、憲法改正の3点について立民の歩み寄りを求めている。

玉木氏によると、野田氏はこの日の会談で、安全保障法制の違憲部分の改正という従来の主張について「違憲部分はこれまで見つかっていない」と説明した。安全基準を満たした原発の稼働は賛成する一方、新増設は認めず「原発ゼロ社会を一日も早く実現」とうたう党綱領を改めない考えを表明。憲法改正には「賛成できない」と語ったという。

野田氏の回答を受け、玉木氏は記者団に「少し歩み寄りがあったのかなと思うが依然として隔たりがある部分が大きい」と述べた。「政権の枠組みを決める大切な話なのでもう少し丁寧にやってほしい」と野田氏に伝えたとも説明。16日以降3党の幹事長・国対委員長レベルで協議を続け、整えば20日にも再び党首会談を開くという。

<高市総裁から指名選挙で記名依頼>

この日は与党・自民党の高市早苗総裁も立民、維新、国民民主と個別に党首会談を開いた。玉木氏によると、高市氏は国民民主の連立入りを打診したほか、首相指名選挙で自身の名前を書いてほしいと要請した。玉木氏はその場で回答せず、改めてガソリン暫定税率廃止や所得税非課税枠の拡大を実行するよう要請したという。

玉木氏は記者団に「基本政策では自民党とかなり重なるところがある」と話す一方、「信頼関係が醸成できれば様々な協力の形が見えてくる」と述べ、所得税について両党政調会長による協議体を設けて実現に向けた議論を進めることで合意したことを明らかにした。

高市氏は維新の吉村洋文代表(大阪府知事)とも午後6時から会談した。これに先立ち、維新の藤田氏は立民、国民民主との党首会談の中で、高市氏との会談では首相指名で高市氏の名前を書くか否かは決まらないと述べたという。

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2025年6月からロイターで記者をしています。それまでは朝日新聞で20年間、主に政治取材をしてきました。現在、マクロ経済の観点から日々の事象を読み解く「マクロスコープ」の取材チームに参加中。深い視点で読者のみなさまに有益な情報をお届けしながら、もちろんスクープも積極的に報じていきます。お互いをリスペクトするロイターの雰囲気が好き。趣味は子どもたち(男女の双子)と遊ぶことです。

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