今年大きな飛躍を遂げている18歳・當真あみが、連続ドラマ初主演に続き、『ストロベリームーン 余命半年の恋』(10月17日公開、酒井麻衣監督)で長編映画初主演を果たした。本作は、「余命半年」と宣告された少女・桜井萌が、高校1年生の春に“一生分の恋”をしようとする青春純愛ストーリー。デビューから5年間を駆け抜けた當真がやりたいこととは――(取材・文=平辻哲也)
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當真は沖縄県出身の18歳。現在の所属事務所にスカウトされ、中学生だった2021年にCMデビュー。翌年より『カルピスウォーター』14代目テレビCMキャラクターで注目を集め、NHK大河ドラマ『どうする家康』では徳川家康の長女・亀姫役を演じるなどテレビ、映画でキャリアを積んだ。今年は映画『おいしくて泣くとき』、『雪風 YUKIKAZE』、7月期の日本テレビ系『ちはやふる-めぐり-』で連続ドラマ初主演を果たした當真にとって、本作が念願の長編映画初主演となる。
本作は芥川なお氏のデビュー小説『ストロベリームーン』が原作。當真が演じるのは、病弱でありながらも明るく前向きに生き、余命半年を告げられてもなお「運命の相手」との出会いを信じる少女・桜井萌。幼い頃から体が弱く、ほとんど家で過ごしてきた少女。
高校入学を機に一念発起して学校に通い始め、そこで出会った転校生・佐藤日向に突然告白する。戸惑いながらも受け入れてくれた日向との関係はやがて恋へと発展し、2人は“ストロベリームーン”と呼ばれる6月の満月を一緒に見る約束を交わす。しかし誕生日を迎えたその日を境に、萌は学校に姿を見せなくなり、連絡も途絶える。13年後に明かされる秘密が、切なくも温かな物語を紡いでいく。
台本を読んだ當真は、萌を「明るくて天真爛漫(らんまん)で、自分の気持ちに素直にまっすぐな子」と捉えたという。普段は静かであまり喋らない性格のため、萌をどうすれば「見守ってあげたい存在」にできるかを意識して演じたと話す。
酒井麻衣監督からは「声や表情、動きも普段と変えてほしい」とアドバイスを受け、読み合わせの段階から役作りを進めた。自由に動いてよいとされた一人芝居の場面では、学校で好きな人を待ちながら慌てる姿などを監督と相談しながら工夫し、自然な萌の姿を形にしていった。
撮影の最初に臨んだのは萌の家のシーンだった。田中麗奈とユースケ・サンタマリアが演じる両親、美代子と康介や、池端杏慈演じる親友、高遠麗と共に過ごす家庭の場面は、外観から部屋まで可愛らしく作り込まれ、ひまわりのモチーフが随所に飾られていた。「萌が両親に大切に育てられていることが伝わるようで、愛を感じました」と振り返る。
自身がもし萌と同じく余命を告げられたらどうするかと問われると、「やりたいことをめちゃくちゃ詰め込みたい」と即答。特に旅が好きで、友人と新潟の花火大会や秋田の竿燈まつり、青森のねぶた祭り、仙台の七夕祭りを3泊4日で回った経験もある。「もし半年しかなかったら、1日も休まず全国や海外を旅したい」と笑顔を見せた。