【水上恒司×山田杏奈】「このドラマがつまらなかったら俳優部のせいです! 個人の意見ですけど(笑)」(水上)【sweet web独占】の画像一覧

 

10月6日より放送のドラマプレミア 23『シナントロープ』にご出演の水上恒司さんと山田杏奈さん。
見どころから現場の雰囲気までたっぷりお伺いしました!
2人のわちゃわちゃトークをお見逃しなく!

 

――まずは、今回のドラマ出演が決まった時のお気持ちを教えてください。

水上恒司(以下:水上)「僕らが小さい頃に見ていた、いわゆるドラマ全盛期と呼ばれていたときの作り方として、最初から最終話まで(台本が)出来上がっていることってほぼほぼなかったんですよね。このドラマの助監督で入られている方に当時のドラマ現場のお話を伺ったときも、台本ができてないってことがあったとおっしゃっていて。今回は数年前から企画として存在していたのでオファーをいただいた時点で結末が出来上がっていたんです。ここ数年、映画に携わることが多かったので映画的な作り方をしていくやり方が、僕のスタイルとしてはやりやすかったです。なので準備をする段階で色々試行錯誤できました。これは番組の意見というよりも僕の個人的な意見なんですけど、ここまで脚本が出来上がっていて、ブラッシュアップされている中で、このドラマが面白くなかったら俳優部のせいだなと(笑)。そのくらいの気持ちだし、そういう作品に携わることができてとても嬉しいです」

山田杏奈(以下:山田)「このあと言いにくい(笑)。でもしっかりとした脚本が出来上がっていて、(原作・脚本の)此元さんの作品も自分自身すごく好きで、脚本をはじめていただいたときから夢中になって読み進めてしまうようなストーリー性があって、この中のひとつの役を演じられるのはシンプルにすごく楽しみだなって思いました。水上さんをはじめ、同世代の役者たちでこれを作っていけるという楽しみはすごく感じています。だからね、つまらなかったら俳優部の…ね(笑)」

水上「俳優部のせいです! 個人の意見ですけどね」

山田「個人の意見です(笑)」

―脚本が出来上がっていてやりやすかったとおっしゃってましたが、そのメリットはなんですか?

水上「逆算で作れることです。こういう結末だから、ここでこういう塩梅にする。深度としても深くいくのか、それとも奥にいくのか、はたまた上の方にいくのか、みたいな。抽象的な言い方ですけど。僕は映画に出演するときは役作りを逆算で作るんですね。だから民放ドラマでそういう風に役を作っていけるのが新鮮で。だから(つまらなかったら)俳優のせいだなって思うんです。大半のドラマ制作スタイルにおいて脚本を制作側が作っていて、俳優として、もらった台本を元に役を考えて芝居をしていくことしかできないので、最終的な結末を制作側しか知らないってなると、責任は自分にないなって思う無責任さが発生しちゃうんですよね。もちろん台本が出来上がってなくても役作りをして一生懸命演じますが、今回はクランクイン前に最後まで出来上がっているからこそ、自分たちで考えてやるっていうのが試されているなと思いましたし、こういった作品が世に出ていくというのは、とても嬉しいなと思いました」

山田「例えば台本を設計図だとして、ドラえもんだったら、(物語の役割としては)ジャイアンなのか?のび太なのか?ということを考える方法で私も役を探していくので、そういう意味でいうとしっかりと全体の情報を提示してもらっているっていうのは、とても助かりますし、(台本が)出来てないよりは全部出来ていた方がこちらもやり易いので、そこはすごく幸せなことだなと思います」

―そこを踏まえた上で、どういう風に役作りをしましたか?

水上「今回のドラマが会話劇なんです。例えば、1話のシーン1終わりのセリフとシーン2の頭のセリフがかかってたりするんですよ。同じ言葉で、同じ文字なんですけど意味が違うっていうおしゃれさもあって。あとは逆に出来上がっているからこそ見落としがないかっていう緊張感もあるんですね。日々撮影に臨むにあたって、これって他にも演じ方があったんじゃないかな?みたいなことがあるんですけど、演じてる僕らでさえそう思えるぐらい色んな要素が詰まっています。僕が演じる大学生・都成剣之介、杏奈ちゃんが演じるヒロイン・水町ことみの正解を僕らとして提示しますけれども、いくらでもやりようがあるっていう。やっちゃいけないことはあるんですけど、本当にやりようはめちゃくちゃあるっていう意味で、色々楽しんで作れるし、可能性は無限にあるなという風に僕は捉えていますね」

山田「このあとの展開に関わってくるので詳しくは言えないのですが、私たちが演じる都成、水町以外の『シナントロープ』メンバーもそれぞれの人生があって、ストーリーに関わってくるキャラクター性だったり、過去が物語の進行に関わってくるというような、しっかり作り込まれた群像劇になっています。なのでズレないようにしなきゃいけないし、説得力をもたせるにはどう振る舞ったらいいんだろうとか考えながら作っていってるっていう感じですかね」

―今回は同世代の方と共演ですが、共演者の皆さんと対峙して刺激を受けたところはありましたか?

水上「それでいうと全員です。僕自身がまもちゃん(萩原 護さん)が3回目で、一番共演回数が多いんですね。で、杏奈ちゃんともっちー(望月 歩さん)が2回。他の皆さんは初めましてなんですけど、やっぱり共演経験がある方とまた違う役でご一緒するっていうのは安心感もあるんですが、いいところや違いを見せたいっていうのもありつつ、違いを見せてほしいっていう欲があるのがやっぱり最初に出てきますね。だから杏奈ちゃんに対しても、別になめてたわけでも上から目線で見てたつもりも全くないんですけども、こんなによく考えている役者さんなんだなっていうのは、今回の共演で発見できて嬉しかったですね。『シナントロープ』が、(8月末の段階で)3分の2ぐらい撮影が終わってますけど、自分も自分を奮い立たせさせないといけないような刺激を受けて、お互いに成長できてます」

山田「ありがとうございます。そうですね、誰か1人って言うのは難しいんですけど」

水上「そういうときは主演って言った方がいいんだよ(笑)」

山田「刺激を受けたのは主演の水上さんです(笑)。実際のシナントロープの店舗セットでリハーサルをやったときに、水上さん演じる都成の芝居をベースにこのドラマは動いていくなと感じました。そこにのっかっていけば、もう大波にのったっていう安心感がある。もちろん役的にもそうですし、物語の中で都成の会話のテンポ感だったりが大きな要素になっていると思います。だからそこをどうするか、(水上さんにとって)すごく大きな選択だったと思うんですけど、一度引き込まれたら、もう大丈夫だなという気持ちをリハーサルで感じたぐらい、しっかりどんと構えていてくださる安心感があります」

―撮影中はどのように過ごされていましたか?

水上「坂東(龍汰)さんがずっとうるさい(笑)」

―坂東さんご自身も、演じる木場の役柄に近い感じですか?

水上「近いですけど、本質はそうじゃない。ファンの方が木場を見て、坂東さんってうるさい、面白い人なんだっていう一辺倒になってほしくないんです。それぞれ自分の役ってその人そのものではないっていうのは忘れないでほしくて、俳優は俳優自身の一部を使って一滴垂らした水面から広がるものを自分たちの努力で広げて広げて、自分の一部をぶわーって過剰に見せているところがあるんですけど、でも間違いなく坂東さん演じるキバタン(木場幹太)っていうのは面白い人間でもある。今回杏奈ちゃんもそうですし、他の方もそうですけど、いろんな方とご一緒にする中で坂東さんとの出会いは僕にとってはかなり大きなものになるなというような出会いでした。あの人の深さというか、世界観がすごく面白いと思います。……(山田さんに)質問なんだっけ?」

山田「ムードメーカーというか、現場の雰囲気はどうですか?っていう」

水上「いい感じです(笑)」

山田「でも本当に“いい感じ”に尽きるんですけど、それぞれがマイペースに過ごしてる時間もあれば、誰かがこれってこうだっけ?って作品に関することを投げかけたら、みんなで考えるみたいな時間もあったりして。芝居やたわいもない話を全くしないわけでもなく、しすぎるわけでもなく、すごくちょうどいいバランスで動いている現場です。ムードメーカーでいうとやっぱり坂東さんがいることがすごく大きいかなと思います。私は坂東さんと昔から何回か共演しているんですが、彼がいるとすごく場が明るくなって、人としても、とても尊敬してますね」

―2人が感じる会話劇の魅力や、ドラマの見どころを教えてください。

水上「映像としてドラマや映画で見せていく会話劇の面白さと、我々が現実世界の会話の中で生まれる面白さってちょっと違う気がしていて。でも役者としては、リアリティーがないけど、リアリティーをもたせていくのが会話劇の面白さなのかなって。それは間合いとかなのかなと思います。例えば、相手のセリフを受けての間とか」

山田「シンプルにセリフが多くて楽しくないですか? じっと待ってるようなシーンより喋ってた方が楽しい」

水上「確かにそうだよね」

山田「子供っぽい言い方だけど(笑)」

水上「本当アホみたいなことばっかりやってるんです。ペラペラ喋って面白いよね、『シナントロープ』。ずっと『シナントロープ』やっていたい(笑)」

山田「自信満々ですね(笑)」

―アドリブを入れたり工夫したりしてますか?

水上「僕は台本を改変することはないんですけど、台本にあることは全部忠実にやって、そこにプラスしていきます。削ってマイナスにして、新しいのをプラスしていくことはないんです」

山田「今回はセリフがシーンを跨いで繋がっていたりするので、最後にちょっと違うことを言うとかは全部カットされてしまうんですね。逆にしっかりと固まっている部分があるのにその中で自由にやれる面白さみたいなものは、すごくあるんじゃないかなって。出発して着地するところがちゃんとあるけど、その道のりは誰が話しているかによって違ったりとか、その人の色が出たりと、現場で撮影してても面白いなと思ってますし、見どころのひとつになっています」

―ではドラマ以外の質問で、この秋にしてみたい理想のデートプランありますか?

水上「紅葉を見に行きたいです。でも最近紅葉が遅いから、秋を越えて冬になっちゃうかもしれないけど」

山田「フルーツ狩りとか行きたいです。栗拾いとか(笑)。梨とか季節の果物を食べに行きたいです」

―では最後にsweet読者に向けて甘いメッセージをお願いします!

水上「甘いメッセージ⁈ 『シナントロープ』は決して甘いドラマでも甘い時間帯の放送でもないですが、ドラマを見ながら甘いスイーツを食べるのはどうでしょう。『シナントロープ』は東京都内が舞台ですが、東京は甘い世界じゃないですから。塩味たっぷりのこのドラマを見ながら甘いスイーツを食べていただければ、楽しい時間になるんじゃないですかね」

山田「甘いメッセージ……難しい」

―普通にsweet読者の方へのメッセージで大丈夫です!(笑)

水上「いいんですか⁈ 俺考えたのに(笑)」

山田「(笑)。皆さんに楽しんでもらえる、今までにないような青春群像劇×ミステリーという目が離せないドラマになっています。最初から追ってみてほしいので、ぜひ1話からご覧ください!」

水上「1話の1シーンから79カットあるからね」

山田「たしかに! 頑張って撮ってるのでぜひ見てください♡」

―ありがとうございました!

 

●ドラマ「シナントロープ」
10月6日より、毎週月曜夜11時6分〜テレビ東京ほか

街の小さなバーガーショップ「シナントロープ」。そこで働く8人の若者たちの中で、大学生の都成剣之介(水上恒司)はバイトの同僚、水町ことみ(山田杏奈)に密かに想いを寄せていた。ある日、シナントロープで不可解な強盗事件が発生。少しづつ日常が歪み始め…。

 ●PROFILE
水上恒司/みずかみこうし
1999年生まれ、福岡県出身。ドラマ『中学聖日記』でデビュー。主な出演作は、ドラマ『MIU404』『真夏のシンデレラ』、映画『死刑にいたる病』『OUT』『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』など。2023年度後期連続テレビ小説『ブギウギ』では、ヒロインの歌手・福来スズ子の人生に大きな影響を与える、村山愛助を演じた。

山田杏奈/やまだあんな
2001年生まれ、埼玉県出身。少女漫画誌「ちゃお」のモデルオーディションで11年にグランプリを受賞し、デビュー。 16年、『TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ』でスクリーンデビューし、19年、ヒロイン役で出演した『小さな恋のうた』で、第41回ヨコハマ映画祭最優秀新人賞を受賞。24年公開の『正体』で第48回日本アカデミー賞優秀助演女優賞、同作と映画『ゴールデンカムイ』では新人俳優賞を受賞。

 

 

 

 

Write A Comment

Pin