神奈川図書館 司書のおすすめBOOK 第63話〈横浜市神奈川区〉

神奈川図書館 司書のおすすめBOOK 第63話

今月のおすすめ本は、『新版魂(ソウル)のゆくえ』(ピーター・バラカン/著、アルテスパブリッシング、2019年)。

この本の初版は、ソウルミュージックをあまりよく知らない人のための入門書という位置づけで、1989年に出版されました。入門書の枠を超えたボリューム感であり、音楽ガイドという要素を多分に含みつつも、個々のミュージシャンの生涯や、素晴らしい音楽が作られた数十年前のアメリカの歴史的背景まで、著者独自の鋭い視点でわかりやすく書かれています。

例えば、「ファンク」というジャンルで活躍したスライ&ザ・ファミリーストーンについては、「歴史に残るような大傑作」と評している作品もあれば、「ぱっとしない」と辛らつな評価をしている作品もあり、一つのミュージシャンを評するにしても、かなりフラットな目線で著者は書いています。

おすすめの理由

時代の変化の中で、絶え間なく新しい音楽がどんどん生み出されます。現在当たり前に耳にする音楽も、ずっと昔、世界のどこかで作られた素晴らしい音楽が、その創作の源流にあるのかもしれませんね。秋の夜長に、知らない音楽の扉をこの本から開いてみませんか。※本の中の2次元コードから聞くことができます。

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