アルフォンソ・キュアロン監督は『ゼロ・グラビティ』(2013年)で、“宇宙の映像は作れる”ということを証明してくれました。まるで本当に宇宙で撮影したかのような臨場感のある映像で、もし本当に宇宙があるとすれば、そこは恐ろしい場所であるという現実を見せつけてくました。

 今作は2018年に、1970年から1970年のメキシコのローマ地区を舞台にした家政婦に焦点を当てて、Netflix作品としてモノクロ映画というスタイルで登場しました。

 ナレーションやBGMといった、わかりやすい演出はなく、淡々と横にスライドするカメラワークで、当時の人々の様子を冷静に見るというスタンスです。手前も奥もピントがあっているため、VRのように自由に好きなものを見ることができます。
 平面な広い大地を感じます。
 海のシーンの後、カメラの動きが変わります。

 背景も人もリアルにCGで作れるとしても、これほど拘って当時のメキシコのローマ地区を再現したのは何故なのか、考えてしまいました。
 まるでイタリアのローマにあるような建造物に注目させたいのか、メキシコの歴史に興味を持ってもらいたいのか、家族の愛(ROMAとAMOR)について描きたいだけではなさそうです。
 撮影方法等についても魅力を感じます。Netflixで配信されているメイキングドキュメンタリー『ROMA/ローマ 完成までの道』を観たいと思います。

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