映画「解夏」の舞台にもなった、長崎市にある聖福寺で大規模な修復工事が進められています。
中国と長崎の交流の歴史が生んだ、唐寺を未来につなぐ取り組みです。
【NIB news every. 2025年8月27日O.Aより】
今年5月。
親子連れなど、約60人の市民が熱心に見学していたのは、“鐘楼” の解体現場。
(参加者)
「建築系のワークショップが滅多にないので参加した」
(参加者)
「屋根の仕組みや骨組みの組み方を見てすごいと思った」
長崎市玉園町にある「万寿山 聖福寺」(まんじゅさん しょうふくじ)。
黄檗宗寺院で、長崎四福寺の一つ。
江戸時代初め頃の1677年(=延宝5年)に創建された唐寺です。
聖福寺は、「大雄宝殿」「山門」「天王殿」「鐘楼」の4つが、
国の重要文化財に指定されています。
(長崎聖福寺修復協力会 田上 富久 会長)
「(さだまさしさん原作の)映画『解夏』の舞台になった場所として。
あるいは、坂本龍馬ゆかりの “いろは丸事件” の談判のあった場所として知られていることが多いが、もともとは崇福寺、興福寺、福済寺と同じ黄檗宗の唐寺のひとつなんです。
いろんな歴史の舞台になった価値のある場所」
しかし、建立から300年以上が経過し、老朽化。
2020年度から大規模な修復工事が進められています。
修復には約18億円5000万円かかる見込みで、寺のほか、国や県や市、さらに市民有志により発足した「長崎聖福寺修復協力会」が費用を募るなどしています。
今回の解体を手掛けるのは、西暦578年創業の金剛組。
(金剛組 大阪本店工事部 木村 静 課長)
「大阪の四天王寺を建立するために、聖徳太子から百済の3人の大工が招へいされ、そのうちの1人が金剛組を創業しました」