
米娯楽大手ウォルト・ディズニーは、人気深夜トーク番組「ジミー・キンメル・ライブ」の放送を再開すると発表した。キンメル氏(写真)との協議の結果、傘下の大手放送局ABC系列で23日から再開するという決定に至ったとした。写真はロサンゼルスで2022年9月撮影(2025年 ロイター/Aude Guerrucci)
トランプ米大統領が自身に批判的と見なすメディアへの圧力を強める中、ディズニーの番組再開決定はこうした圧力に対する最も注目される挑戦となる。
同番組を巡っては、17日に保守系政治活動家チャーリー・カーク氏射殺事件に関する司会者の発言を連邦通信委員会(FCC)トップが批判したことを受け、ABCが放送を無期限で休止するとしていた。
ディズニーは、キンメル氏の同番組への復帰決定を発表するにあたり、同番組の休止は、「わが国にとって感情的な時期に、緊迫した状況を一段と悪化させることを避けるため」だったと説明。同時に、問題とされるキンメル氏の発言の一部は「タイミングが不適切で、配慮に欠けるものだった」と感じているとした。ただ、はっきりと謝罪することはしなかった。
2人の関係者によると、ディズニーのボブ・アイガー最高経営責任者(CEO)とディズニー・エンターテインメントのダナ・ウォルデン共同会長が週末にキンメル氏と話し合い、22日にキンメル氏の番組放送を再開する決定に至った。この決定は、放送局のオーナーやFCCなど外部からの圧力ではなく、同社にとって最善の利益に基づくものという。
別の関係者によると、ディズニーはキンメル氏の支持者が、抗議のために有料ストリーミングサービス「ディズニープラス」の解約を消費者に促す動きから圧力を感じていたという。グーグルトレンドによると、ディズニープラスの解約方法に関するグーグル検索は12カ月ぶりの高水準に急増した。
これらの関係者によると、キンメル氏は23日の放送で、今回の問題に言及するとみられている。謝罪するのかや、コメントの制限やトーンダウンを要求されるのかは不明。
キンメル氏の広報担当者からのコメントは得られていない。
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