【舞台裏インタビュー】<山人音楽祭2025>SHANK「仲間がバシッ!と決めているのを見ると、俺らもやろうか!って気になる」

いつものように飄々とした佇まいでステージに現れたSHANKだが、3人が音楽を響かせ始めたとき、エネルギーと心地よさを持ち合わせたバイブレーションでオーディエンスを包み込んだ。

勢いを炸裂させることも、甘美な香り漂うメロディや音で酔わせることだってある。そして余計なMCも挟むことなく、いい音楽をいいプレイで鳴らし続ける3人。ここ最近のSHANKは、ライブを観るたびに磨きが掛かっている。そんな現在進行形のバンドの姿は、9月3日に発表したばかリの5作目となるミニアルバム『BRAND NEW OLD SHIT』からも感じられる。

昨日は大阪でFACTのライブにゲスト出演し、今日は早朝から移動。ライブ中、そのスケジュールについて「全盛期のピンクレディ」と例え、ナチュラルハイな状態でステージに立っている、とも口にした庵原将平(Vo, B)。ライブ終了して約10分後、まだまだナチュラルハイなSHANKの3人に、今日のライブや新作などについて語ってもらった。

   ◆   ◆   ◆

──今日はナチュラルハイ状態で臨んだステージでしたが、手応えなどはいかがでした?

庵原将平(Vo, B):非常に楽しかったです。

早川尚希(Dr, Cho):楽しかったですね。

──バンドマン仲間のG-FREAK FACTORYが主宰する<山人音楽祭>は、今年で10周年を迎えました。

庵原:G-FREAK FACTORYはすごい尊敬しているバンドですし、昔から大好きなバンドだし、この<山人音楽祭>にも特別な想いはあります。いつも呼んでもらって感謝もしてます。

──SHANKも地元の長崎でフェス<BLAZE UP NAGASAKI>を主宰しています。2011年からスタートさせたフェスですが、早い段階からG-FREAK FACTORYにも出演してもらっています。2012年に出ていましたね。

庵原:そうですね。うちのツアーにもゲストで出ていただいたりもしています。

松崎兵太(G, Cho):僕ら、G-FREAK FACTORYがすごい好きなんですよ。バンドとしても、曲もだし、人としても。好きな要素が詰まっている。呼んでもらうのも嬉しいし、僕らがG-FREAK FACTORYを呼んで来てもらうことも、すごく光栄に思っています。

早川:僕は、SHANKとは別のバンドで活動していた時期に知り合ったバンドマンもいたりするんです。ところが僕は一度、音楽から退いていた時期もあって、その間に会えてなかった先輩とかもいて。でもSHANKに入って、再び顔を会わせる先輩たちとか友達とかがいるんですよ。再会できて、今回の<山人音楽祭>で一緒にやれるというのは、個人的にはすごく嬉しいです。

庵原:良かったな。

早川:僕は日々感謝です。

松崎:僕らは<BLAZE UP NAGASAKI>もやっているので、G-FREAK FACTORY主宰の<山人音楽祭>も、HEY-SMITH主宰の<HAZIKETEMAZARE FESTIVAL>も、10-FEET主宰の<京都大作戦>もそうだけど、仲間がバシッ!と決めているのを見ると、俺らもやろうか!って気になる。そういう刺激をもらう場でもあるんです。いい刺激をもらって帰れるんで、どのフェスも、こうやってずっと続いていけばいいなって気持ちがすごくあります。みんな、死なずに頑張ろうよっていう(笑)。

──ですよ(笑)。音楽的な面でG-FREAK FACTORYから刺激されたり、影響されたりすることもありますか?

松崎:G-FREAK FACTORYには影響を受けてますね。

庵原:音楽的なところで言うと、僕らもレゲエやダブとか好きだし、そういう要素の混ざった曲もやるんで。G-FREAK FACTORYと一緒にライブをやると、毎回刺激的なんです。

──ここ最近、様々なフェスでSHANKをよく観させてもらっているんです。とくに思うのが、すごい熟達したなということで。

松崎:ありがとうございます。

──今のラインナップに固まってから、SHANKというバンド名ではありながら、前とは違うバンドになっているぐらいの感じがします。

庵原:めっちゃ嬉しいです。

──自分たちで自覚はあまり…?

松崎:そんなこともないというか、楽しくやれていると思います。そっちが多分、でかいのかなと。楽しくやれているのが大きい。それがプラスに働いて、演奏技術的なものもうまくなっているかもしれないですけど。やっている僕らは、そこまでうまくなったな、みたいな自覚はないです(笑)。

──レゲエやダブなどが混ざり込んでも、アンサンブルが崩れることなく気持ちいいバイブレーションを生んでいるんです。SHANKのライブは、気分良く酔えるところもあるんですよ。その心地よさに身体も心も持っていかれます。

松崎:嬉しいですね、ありがとうございます。

庵原:ドラムが彼(早川)になってから、そういうところが底上げされたなって感じです。

早川:SHANKには独特のビートというのが絶対的にあって、僕がそこに合わせにいってる部分もあるし、逆に僕のビートに二人(庵原、松崎)が合わせてくれることもあって、それがうまいこと混じり合っていったと思うんです。僕がSHANKに加入してから1年以上経ち、今はもう気持ちだけでステージをやれているんで。それがいいライブ感にもなっているんじゃないかと思います。

──9月3日にミニアルバム『BRAND NEW OLD SHIT』を発表したばかりですが、今日のライブはそこからドカーンと披露するわけでもなくて。そして9月22日に埼玉の熊谷HEAVEN’S ROCKから始まるツアーに来いよ、という煽りMCも一切なく。

松崎:あっ、確かに(笑)。

庵原:忘れてました。

早川:アッハッハ(笑)!

庵原:何も考えてなかった。

──あっ、寝てないから(笑)。

早川:ナチュラル・ハイ状態で(笑)。

松崎:ライブのときに、明後日のことを言わないというか、明後日からのことをあまり気にしてないんだと思う。ライブはライブなんで。

──そのときのライブってものに、ストイックに入り込んでいる3人ですから。

庵原:いや、そこもあんま考えてない(笑)。今日のライブを良くしよう、ぐらいで。

──演奏する姿はストイックですよ。ミニアルバム『BRAND NEW OLD SHIT』の手応えや、すぐに始まるツアーに期待していることは?

庵原:作品はいつもいいと思って出しているんですけど、半年とか1年間掛けて作って、自分たちは散々聴いているから、もういいのかどうかよく分からなくなってる(笑)。作品を出してツアーを周ったり、みんなの前でやったりしないと、実際の手応えは自分たちでも分からない。どう評価してもらえるかも。でもいいものができたなと思いますよ。

──早川さんは思い入れが深いでしょ?

早川:そうですね。このメンバーで初めてちゃんと曲を作って、ようやく自分が作ったドラムパターンやフレーズでライブができるってのは嬉しくて。

──なぜ自分がSHANKにいるのか、そのひとつの答えでもあるのが『BRAND NEW OLD SHIT』ですか?

早川:そんな深くは考えていなかったかもしれないけど(笑)、確かにそうですね。なんで僕がSHANKにいるのか。二人がやりたいこととか、もうちょいドラムはこうしようかとか、曲作りでそういうディスカッションがすごいできたんで。そこはすごく良かった。『BRAND NEW OLD SHIT』のレコーディングをしたからこそ、さらにライブが良くなった気がしますね。以前からの曲をやっていても。二人はこんなところにシビアだなとか気にするなとか、そういったことをレコーディングを通して僕も理解できたんで。僕自身が、バンド自身とメンバーとちゃんと向き合えた感じです。今後も、レコーディングをしていくたびに良くなっていくと思います。

松崎:曲をやってみて、ライブではこう映えるんだとか、そういうことも見つかっていくと思うんです。ツアーを廻りながら、お客さんの反応とか、こっち側の手応えも含めて体感できると思う。『BRAND NEW OLD SHIT』はすでに完成しているものですけど、実際にツアーを廻った末にアルバムは完成するものだろうなって。ツアーを通して曲が成長していったらいいなと。実際にやってみてどうなるか、ということですね。

──12月6日&7日に<BLAZE UP NAGASAKI 2025>を開催しますが、『BRAND NEW OLD SHIT』の曲たちがツアーを通して、どう化けていったのかというひとつの姿を見せられるような?

早川:確かに。

庵原:そうですね、それはある。

松崎:まさかの、『BRAND NEW OLD SHIT』から1曲もやらない可能性もある(笑)。
──おいおい、SHANKだからあり得る(笑)。

早川:まさかの「おいおい」ってツッコミ(笑)。

松崎:いや、でも曲がどう成長するかという意味でも楽しみですよ、ツアーは。

取材・文◎長谷川幸信
写真◎淵上裕太
ライブ写真◎HayachiN

■G-FREAK FACTORY主宰<山人音楽祭 2025 ~10th Anniversary~>
9月20日(土) 群馬・日本トーターグリーンドーム前橋
9月21日(日) 群馬・日本トーターグリーンドーム前橋
〒371-0035 群馬県前橋市岩神町1-2-1
open9:30 / start11:00 / 終演20:00※予定

▼9/20(土)出演者
Age Factory / ENTH / かりゆし58 / 氣志團 / KOTORI / G-FREAK FACTORY / SHANK / 上州弾語組合 / SKA FREAKS / 高木ブー / DJダイノジ(大谷) / 10-FEET / TOTALFAT / 花冷え。 / HAWAIIAN6 / The BONEZ / locofrank / ROTTENGRAFFTY(※五十音順)
“能登半島応援企画 MAKE A PROMISE TO NOTO (Tokyo Tanaka×バカビリー×高橋ちえ)”
▼9/21(日)出演者
片平里菜 / G-FREAK FACTORY / J-REXXX BAND / JUN SKY WALKER(S) / 上州弾語組合 / 四星球 / 竹原ピストル / NakamuraEmi / バックドロップシンデレラ / ハルカミライ / Hump Back / BANYAROZ / 04 Limited Sazabys / FOMARE / BRAHMAN / HEY-SMITH / 山嵐 / LOW IQ 01 & THE RHYTHM MAKERS PLUS(※五十音順)

『山人MCバトル×戦極MCバトル』※開催は9/21(日)
Armadillo / bendy / DOTAMA / FCザイロス / GOMESS / KOOPA / 溝上たんぼ / NAIKA MC / 歩歩 / risano / Sitissy luvit
DJ:R da Masta
司会:K.I.G

『上州弾語組合』
9/20(土) 清水 明夫 / KIE Anderson / garb / 16号。 / 横山 ナオ / 上原梅弦
9/21(日) 高平 悠 / 山口 貴大 / 茂木 拳 / 鹿山 音楽 / ジュンペイ / 藤井 トモカズ

▼チケット
・各1日券 9,500円(税込)
・2日券 18,000円(税込)
・駐車場付 1日券(9/20)※SOLD OUT
・駐車場付 1日券(9/21)※SOLD OUT
・駐車場付 2日券 ※SOLD OUT
(問)DISK GARAGE https://info.diskgarage.com
主催:DISK GARAGE/BADASS/上毛新聞社
企画・制作:DISK GARAGE/BADASS

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