タイトルみて、何かしらの“完璧”が描かれるのかと思ったら、完璧に何も起きなかったよ。
主人公の毎日は、トイレ掃除、缶コーヒー、銭湯、読書、就寝。これが延々と続く。事件も感情の爆発もない。でも、見ているうちに「このルーティン、ちょっと羨ましいかも」と思えてきます。
完璧なルーティンって心地いい。何も起きない安心感と、毎日同じことを繰り返すことで、自分の輪郭が保たれるような感覚。

映像は意外なほど美しく、東京の街が静かに優しく描かれています。木漏れ日や空の色が孤独をそっと包み込むように映り、役所広司の演技も、セリフ少なめながら深みがありました。

タイトルの「PERFECT DAYS」は、どういう意図だったのかつかみかねています。完璧な日々とは、こういう静かな繰り返しのことなのか。それとも、完璧に空っぽな日々を皮肉っているのか。
まぁ、つまり、ちょっと刺さったけど、ちょっと物足りない物語でした。

評価 ★★★☆☆☆(3.5)

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