田原町駅から大通りを一本入ると、えんじ色のファサードとガラス窓が目に入る。「リーディンライティン ブックストア(Readin’ Writin’ BOOKSTORE)」は外国の店のような趣があり、一度見たら忘れられない店構えだ。
元は材木倉庫だったそうで、吹き抜けの天井や太い梁(はり)があって開放感がある。左の壁一面に木材で組まれた棚は圧巻だ。白い階段を上がると畳敷きの中2階があって、少しホッとするだろう。読書会や「一箱古本市」を開催することもある。
新聞社に長く勤めていた店主は、このまま定年を迎えるより自分で何かをやる方がいいと、2017年の4月に58歳で思い切って新刊書店をオープンした。
新聞記者の頃から人と違う視点を持つことを意識していて、それは今でも変わらない。ここ数年はジェンダー、フェミニズム、戦争、食、レイシズムなどを扱う本や絵本に力を入れている。
「よそがやらないことをやる」というスタンスで、オープン時からトークイベントも継続して開催。社会学者の梁・永山聡子がゲストを呼んで社会問題について語り合うイベントは、今や定番となっている。
書店を営みながら家族との時間を大切にしているという店主の物腰は柔らかく、親切な接客が心地よい。
