織田裕二
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俳優の織田裕二(57)が、31日放送のTBS系「日曜日の初耳学」(日曜後10・00)にゲスト出演し、代表作「踊る大捜査線」シリーズの映画第2弾にまつわる裏話を明かした。
97年にテレビドラマとしてスタートし、映画化も大ヒットした人気シリーズ。織田は湾岸署の捜査一課に配属された、正義感の強い所轄刑事の青島俊作を熱演した。織田以外の登場人物を主人公にした、スピンオフ作品も数々、登場した。
中でも03年公開の映画第2弾「踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!」は、興業収入173.5億円を記録。日本の実写映画では歴代1位の数字で、いまだに破られていないが、実は織田は同作の映画化は頭になかったという。
98年に公開された第1弾「踊る大捜査線 THE MOVIE 湾岸署史上最悪の3日間!」は、織田の熱意が実っての映画化だった。「絶対、映画化しようよってずーっと言ってて」と明かし、「映画1作目で全部消化したんですよ。夢叶ったし、もうやりたかったことはできたし。『踊る―』って作品に関しては、これで終わりでもいいと思ったんです」と打ち明けた。織田の目論見は大当たり。98年公開の映画第1弾は、興業収入101億円の大ヒットとなった。
これで燃え尽きた織田に、あるベテラン俳優から、次作での共演を望む便りが届いた。青島刑事の先輩刑事・和久平八郎を演じた、故いかりや長介さんからだった。
「いかりやさんから直接、お手紙を1回だけいただいたことがあって。“青島よ…いい加減、集めろ”って。いかりやさんが書いた和久さん調の手紙をくれて。“俺もそろそろ待ちきれねえぞ。年齢が年齢だし、早く作れ”って。そういうお手紙をいただいて。しゃれた手紙なんですよ」
和久は長く所轄の警察官として捜査に当たり、脱サラして警察に入った青島に捜査のイロハや、味わいのある人生訓を与えていくという役どころ。撮影を通じて2人の絆が醸成され、いかりやさんは晩年、織田を演技の師匠と仰ぐほど尊敬していた。
織田は続編への出演を決意したころ、いかりやさんは既に病魔に冒されていた。「パート2の時に顔がむくんでいたんですね。ああ、ご病気なんだっていうのはその時、分かって」。映画は03年に公開され、いかりやさんはそれを見届けて04年、天国へ旅立った。
自分に残された時間が長くないことを悟り、織田をけしかけた、いかりやさんの思い。織田は「2は間に合ったんですけど、2の後、亡くなって。和久さんがいなくなったらもう終わりだなって諦めた。もうこの作品はできないだろうって」と、当時の本音を漏らしていた。
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