今月15日からAmazonプライムで公開になっている台湾のテレビドラマ『零日攻撃』(日本語題名は「零日攻撃 ZERO DAY ATTACK」)を、一気呵成に観た。と言っても、全10話(各回約1時間)のうち、25日現在、公開になっているのは第4話までだ。

台湾人のリアルな葛藤を描く

 この話題のドラマ、いい意味で、期待を裏切られた。

 前宣伝では、「初めて台湾で台湾有事(中国による台湾攻撃)を全面に扱ったテレビドラマ」という触れ込みだった。中華民国国軍(台湾軍)が全面協力し、製作費4000万台湾元(約2億円)をかけたという。「悪役」にされた中国側は猛反発だ。

 そのため私は、ウクライナ側から見たウクライナ戦争のような勧善懲悪のストーリーの壮絶な戦争ドラマかと思っていた。

 ところが、そうではないのである。実際の中華民国国軍と中国人民解放軍との戦闘シーンは、一度も出てこない(第4話まで)。

 かつ、それぞれの回は、すべてその回で完結した別個のストーリーになっている。つまり、オムニバス形式だ。

 さらに言えば、台湾有事というのは、実は「話題作りのためにテーマ設定した背景」にすぎない気すらしてくる。戦争というのは古今東西、ドラマを劇的にする最大の「メタファー」だからだ。

昨年10月、中国の人民解放軍が台湾を囲むようにして行った軍事演習の開催場所(写真:Andre M.Chang/ZUMA Press Wire/共同通信イメージズ)

 それよりも、いまを生きる各界の台湾人の悪戦苦闘の葛藤を描いたヒューマン・ドキュメントとして捉えるべきと思える。

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