
理論物理学者で教育者の佐治晴夫博士の「卒寿記念レクチュア&コンサート」が、9月12日(金)午後6時30分から、旭川市大雪クリスタルホール音楽堂(旭川市神楽3条7丁目)で開かれます。
佐治博士は、理論物理学の研究にとどまらず、「1/fゆらぎ扇風機」や「VHS3倍速モード」など実用技術の開発、さらには宇宙論から人文・芸術分野まで、多岐にわたる業績を重ねてきました。アメリカ航空宇宙局(NASA)とも交流があり、宇宙探査機ボイジャー計画のゴールデンレコードに「地球の文明を伝える音」としてバッハの楽曲の収録を提案したことでも知られています。
教育者としても、大学で教鞭をとるかたわら、全国の学校で音楽と科学を融合させた講演や授業を展開。晩年には北海道美瑛町に移住し、自ら提案した「美宙(びちゅう)天文台」の台長として、地域と宇宙をつなぐ活動を続けています。
当日は「ゆらぎの理論研究から見えてくる宇宙の諸相」と題した講義に加え、佐治博士と親交の深い全盲のバイオリニスト・和波孝禧(たかよし)さんによる、バッハのボイジャー搭載曲「ガボット風ロンド」などの独奏演奏が披露されます。和波さんは、日本を代表するソリストのひとりで、国内外での豊かな演奏活動に加え、視覚障害者への音楽教育にも尽力している音楽家です。
また、「科学と音楽の心が出会うとき」と題した佐治博士と和波さんの対談も行われ、科学と芸術が響き合うひとときになりそうです。
主催のぬくもりホールの会代表の村田和子さんは「佐治さんの講義と和波さんの演奏が共演する貴重な機会。ぜひお見逃しなく」と話しています。
入場料は一般3500円、学生・ハートフル料金は2000円。チケットは旭川市内のコーチャンフォー、玉光堂、ジュンク堂、クリスタルホール売店などで販売中です。問い合わせはぬくもりホールの会(Tel.0166-22-3567)へ。