2025年8月24日
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映画を観ていて愛おしさが湧いてくることがあるけど、この作品は抱きしめたくなるような愛おしさでした。地方の高校の軽音部女子四人組が文化祭のステージで、ザ・ブルーハーツのリンダ リンダを歌う、ただそれだけのお話で、日常あるようなエピソードばかりなのに、なんか映画の世界にどっぷり入り込んでしまいました。山下敦弘監督は、長回しで撮ることで、その場の空気感や登場人物の感情の揺らぎを丁寧に掬い取ってみせてくれます。役者さん達も、セリフの間や表情を工夫しているのでとても現実感があります。また、韓国人留学生をメンバーに加えたことで、お話しに幅が出来、カラオケボックスの店員や告りにきた男子生徒とのエピソードには思わず笑っちゃいます。それでいて、洗面所でのぺ・ドゥナと香椎由宇との韓国語と日本語の会話は、メンバーの絆が感じられていい感じです。コンサートに大遅刻した主人公達のために、軽音部の仲間や先輩がピンチヒッターで穴埋めをしながら徐々に観客を集め、最後に主人公達がリンダ リンダを熱唱するクライマックスのカタルシスは、分かっていてもジーンときてしまい、いつまでもこのお話を観ていたい気持ちになりました。日経の夕刊の山下監督のコラムで、この映画のタイトルからバンド名にしたリンダ リンダズと言うアメリカのバンドがあり、そのバンドの10代のファンが映画祭でこの映画を観にきたと言う素敵なエピソードが書かれてました。役者では、ぺ・ドゥナの真摯でいてどこかとぼけたようなキャラが絶妙で、シャープでクールな美少女振りの香椎由宇のキャラと好一対です。告りにきた男子学生は、松山ケンイチに似てるなぁと思ったら、ご本人でした。
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リンダ リンダ リンダ

