夏野修市長(左)から感謝状を受け取る吉田一衛さん=砺波市砺波図書館で
砺波市砺波図書館の小中学生向けの電子書籍の購入に役立ててほしいと、元市社会福祉協議会長の吉田一衛さん(90)=同市神島=が100万円を同館に寄付した。吉田さんの寄付で購入した電子書籍の児童書177冊の閲覧を21日に始めた。
吉田さんは2021年度から毎年度、大型絵本、ボードゲーム、ブックバックなどの購入費を寄付してきた。今回の寄付は5回目で寄付総額は500万円になった。
市は4月に小中学生向け電子書籍サービスを開始し、学習端末(タブレット)で図書を閲覧できるようにしている。吉田さんの寄付で購入したのは自然科学や歴史マンガ、折り紙や工作の本などで、ウェブでは「吉田一衛文庫」として貸し出している。学童保育などで折り紙や工作をする時に活用したいという声もあり、同図書館が購入する電子書籍を選んだ。
寄付に対する感謝状の贈呈式が20日、同館であり、夏野修市長が吉田さんに感謝状を手渡し「このたびも寄付をいただきありがとうございます」と感謝した。
吉田さんは1988年に務めていた企業でパソコンによる在宅学習事業に関わった思い出があり、同図書館開館5周年に合わせ、電子書籍の購入のための寄付を心に決めていた。「私の90歳の節目であり、書籍文庫を充実させるために次に続く人に出てきてほしい」とも。吉田さんが寄付で購入を指定したボードゲームを活用している「図書館お助け隊!」ゲーム部が昨年11月にゲーミング図書館アワード2024大賞を受賞し、吉田さんの寄付が図書館の特色づくりに役立っている。(武田寛史)
