記者
「きょうから、南京事件を題材にした、いわゆる抗日映画が中国全土で公開されます」

映画のタイトルは日本語で「南京写真館」。南京市を占領した旧日本軍のカメラマンが残虐な行為を撮影し、そのフィルムの現像を命じられた現地の人たちの苦悩を描いています。

「南京事件」をめぐっては、日本政府は非戦闘員らへの殺害や略奪行為について「否定できない」とする一方、中国側は「30万人が犠牲になった」と主張しています。

映画の公開などを踏まえ、上海にある日本総領事館は今月、反日感情の高まりに注意を呼びかけています。

映画を見た人のなかからは、日本を批判する声も出ています。

映画を見た南京市民
「先祖にかわって、日本を許すわけにはいきません」

SNS上で怒りを爆発させるインフルエンサーも…

映画を見た中国のインフルエンサー
「私の頭の中は真っ白。残っているのは憎しみだけ。日本人と共存なんて絶対ない」

このインフルエンサーに取材を申し込みましたが、返事はありませんでした。

一方、映画の舞台となった南京市で生まれ育ち、運送会社を経営する畢書生さん(30)は、日系企業との取引もあることから隣国である日本との関係を重視しています。

南京市で会社経営 畢書生さん
「中日間には歴史問題もありますが、日本は中国の近代化にも多くの支援を行いました」

「日本は過去の侵略に正しい認識で向き合うべき」とも主張しますが、過激なバッシングではなく、交流が大事だと話す畢さん。

きのう、先行上映で鑑賞しましたが、直後に口にした言葉は“恨み”ではありませんでした。

南京市で会社経営 畢書生さん
「中国人だけでなく、日本人もファシズムの被害者だったと思っています。だからこそ、みんなが歴史をしっかり記憶し、今ある平和を大切にしてほしいと願っています」

TBSテレビ

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