競技かるたを題材にした末次由紀による『ちはやふる』は、原作コミックスやアニメ、映画シリーズなどあらゆるメディアにおいて多くのファンに支持され続けた作品だ。7月からはドラマ『ちはやふる-めぐり-』(日本テレビ系)として、新たなキャスト陣とともに再び物語が動き始めている。

 本作で原菜乃華が演じるのは、瑞沢高校かるた部の新メンバー・月浦凪。前作の主人公・千早(広瀬すず)に憧れながら競技かるたに打ち込むうちに、どんどん自信を付けていきかるたを楽しむようになったという凪の変化を、原は繊細に演じ切った。前シリーズのオーディションも受けていたという原にとって『ちはやふる』という作品はどんな存在なのか、心境を語ってもらった。【インタビューの最後には、サイン入りチェキプレゼント企画あり】

映画シリーズを何度も観返して挑んだ役作り

——制作発表会見のとき、役作りにあたって「前シリーズまでの千早を何度も繰り返し観た」とおっしゃっていたのが印象的でした。実際に撮影が始まってから、原さんと凪との共通点、あるいは「ここは全然違うな」と感じたところがあれば教えてください。

『ちはやふる』當真あみらが意気込み語る 上白石萌音「プレッシャーと責任を感じました」

7月期の日本テレビ系水曜ドラマ『ちはやふる-めぐり-』の制作発表会見が6月13日に同局で開催され、主演の當真あみをはじめ、上白石…

原菜乃華(以下、原):性格はあまり似ていないかなぁ……。凪はすごくポジティブで明るい子で、もちろんめぐるとの因縁はあるんですが、それよりも今をしっかりと生きている子だと思います。切り替えの速さや根っからのポジティブさはすごく羨ましいです。私にも明るい面もありますが、凪のように常に輪の中心にいるタイプではなかったかなと。凪は自分で空気を作っていく人ですが、私はどちらかというと人が作ってくれた空気に馴染んでいくタイプの人間だと思います。

——過去作のオーディションも受けていたということですが、改めて今回ドラマ版に出演されたことで、『ちはやふる』は原さんにとってどんな作品になりそうですか?

原:今まで、これほど大人数の学園ドラマに関わったことがあまりなかったので、すごく新鮮で楽しかったです。王道の青春ストーリーをやらせていただくのはひとつの目標でもあったので、それを大好きな『ちはやふる』という作品で叶えられたのはすごく意味があるなと感じています。

—— 『ちはやふる』といえば競技かるたの世界を本格的に描いてきたシリーズでもあります。原さんは人生の中で「勝負」に本気で落ち込んだ経験などはありますか?

原: あまりないですね。小さい頃からずっとお芝居しかやってこなくて。でもオーディションは本当にたくさん受けて、そのぶんたくさん落ちてきました。「これに受からなければ」という気持ちで臨むことも多かったので、ある意味、物心ついた頃からオーディション1回1回が“勝負”だったのかもしれません。お仕事やお芝居に対する情熱は、きっと部活動に対する情熱と近いものがあるのかなと思います。小さい頃からやってきたことだったので、食べることや寝ることと同じような感覚で、やめるという発想もあまりなくて。勉強も運動も得意だったわけではなかったので、唯一周りから褒めてもらえることがこのお仕事だったという感覚です。凪のような青春もうらやましいなと思うときはありますが、私自身の青春時代も、たとえ学校の中ではなかったとしても毎日レッスンに通ったり、オーディションに行ったりという日々の中にあって。もしあの時間がなければ今の自分はいないと思うので、何かに打ち込んだ青春という意味では、部活動と同じような大切な時間だったと思います。

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