この夏、連続ドラマに挑戦しているSnow Manの深澤辰哉とラウール。グループの最年長と最年少でもある“ふかラウ”コンビが、それぞれの持ち味を活かして活躍することで、Snow Manとしての表現力の幅がさらに広がっている印象だ。

 深澤が出演しているのは、斎藤工主演のヒューマンミステリー『誘拐の日』(テレビ朝日系)。間抜けでお人好しな誘拐犯・新庄政宗(斎藤)と、誘拐された被害者で記憶喪失に陥ってしまった天才少女・七瀬凛(永尾柚乃)が異色バディを組み、逃亡しながら事件の謎を解き明かしていくという韓国ドラマ原作の話題作だ。深澤が演じるのは、凛の父親が院長を務める栄進記念病院の顧問弁護士・山崎忠である。

【衝撃の過去】天才少女と誘拐犯の”約束”|誘拐の日

 山崎は病院の副理事長でもある凛の大叔父・七瀬富雄(長谷川初範)の秘書としても活躍しており、かつては家庭教師として凛の家に出入りしていたという過去も。病院、そして凛の家にまつわる様々な要望に対して、結果を出してきた“仕事ができる”役は、二枚目から三枚目まで器用に立ち回りながら、今のSnow Manへと勢いづけてきた深澤自身にもどこか重なるところがある。

 初めての弁護士役に向けて、整体で姿勢を整えたり、ビジュアル面でも髪を暗めに染め直して、メガネを着用したりと役作りについてコメントしていた深澤。また、インタビューでは「でもメガネはクールで仕事ができるアイテムとして使っていると思いきや、意外と重要なんですよ。ネタバレになるのでここまでしか言えないですけど(笑)」(※1)と、視聴者の気分を盛り上げる配慮を忘れないのも、「さすが!」と言いたくなるところだ。

 演技を見ていても、単に七瀬家に仕えているというだけではない雰囲気をそこはかとなく漂わせるところが上手い。やるべきことに淡々と取り組みながらも、そこに自らの意志がチラリと見える。冷静沈着な“顧問弁護士”としてのあり方と、そこに確かに息づく人間味を感じさせる、その立ち居振舞いが作品に奥行きをもたらしている印象だ。

 そうした深澤の繊細な表現はソロ曲「iro iro」(ベストアルバム『THE BEST 2020 – 2025』収録)にも表れている。特に〈ありふれた今日もこの通り/赤 青 ピンク 白 緑/Ah ドキドキで忙しいぐらい/目の離せない今だよ〉〈彩れば今日もこの通り/黄色  オレンジ  黒  Snowy/Ah いつだって居てほしい/僕と君とキミと色々になるよ〉とSnow Manのメンバーカラーを歌うフレーズには、メンバーをいつも〈目の離せない〉と“母”のように見守る深澤自身を表しているように聴こえてならない。

Tatsuya Fukazawa ‘iro iro’ Music Video

 そんな深澤の全体に向けた細やかな働きかけに気づき、率直に「めっちゃいい」と伝えられるのがラウールだ。“ふかラウ”コンビで担当したラジオ『不二家 presents Snow Manの素のまんま』(文化放送/2025年3月27日放送回)では、「『めっちゃいい』って言ってくれる」と「iro iro」についてラウールが嬉しい反応をくれたと報告した深澤。その言葉を受けて、ラウールは「えー、今回の中で言うと一番ヒットでした」とさらに深澤を喜ばせるやり取りが微笑ましかった。

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