映画『国宝』大ヒットですね!
一時期は足繁く歌舞伎に通っていた筆者も、もちろん見てきました。原作と脚本は違う部分もあるので、原作を読むのも面白いでしょう。
さて、映画を見て歌舞伎に興味が湧いた人もたくさんいたのではないでしょうか?僭越ながら、筆者が観劇した経験を元に、超初心者のためのガイドをします。
歴史の流れは読み飛ばしてQ&Aから読んでいただいてもOK。
①歌舞伎の歴史の流れ
【出雲の小国➡女性が演じる➡若衆歌舞伎➡野郎歌舞伎➡現在へ踏襲】
1603年、出雲の阿国(いずものおくに)という女性が京都で「かぶき踊り」を披露したのが歌舞伎の始まりとされています。
当初は女性が演じていましたが、風紀上の問題から1629年に女性の出演が禁止され、少年による「若衆歌舞伎」になりましたが、若衆が売春をするというのでまたも禁止され、成人男性による「野郎歌舞伎」へと変化しました。
江戸時代(17世紀〜19世紀)
歌舞伎は庶民の娯楽として発展し、江戸(東京)、京都、大阪を中心に劇場が建てられました。
この時代に、『荒事(あらごと)』と『和事(わごと)』という演技スタイルが確立されました。
荒事:勇壮で力強い演技(例:市川団十郎)
和事:繊細で情緒的な演技(例:坂田藤十郎)
また、衣装や化粧(隈取)、舞台装置などが豪華になり、視覚的にも魅力的な芸術となりました。
明治時代(19世紀後半〜20世紀初頭)
西洋文化の流入により、歌舞伎も変化を余儀なくされ、劇場の近代化、照明の導入、脚本の改良などが行われました。一方で、伝統を守る動きも強く、古典歌舞伎の保存が進められました。
昭和〜現代(20世紀〜現在)
映画やテレビの登場により観客が減少する時期もありましたが、国の重要無形文化財に指定されるなど、文化的価値が再認識されました。