7月19日に放送される音楽特番『音楽の日2025』(TBS系)のダンス企画「DREAM DANCE」にて、櫻坂46から三期生の村山美羽と村井優が“坂道グループ選抜チーム”として出演する。これは、グループのダンス力を牽引する存在としての評価と信頼が窺える抜擢だと言えるだろう。だが、筆者を含め櫻坂46を応援しているBuddies(櫻坂46ファンの呼称)からすると、選ばれるべくして選ばれた2人が“ようやく”その舞台につことになった、という実感のほうが強かったのではないだろうか。

TBS 「音楽の日2025」のダンス企画「DREAM DANCE」坂道グループ選抜チーム の練習風景が”THEオファー” @the_offer_tbs にてピックアップされました。

テーマはメラメラ。「音楽の日2025」放送は7月19日(土)14:00~21:56です:)

坂道グループ 選抜チーム(敬称略)
金川紗耶(乃木坂46) /…

— TAKAHIRO/上野隆博 (@TAKAHIRO_UENO_) July 13, 2025

 村山と村井は自身らを「コーヒーとミルク」と呼んでいる(※1)。黒を好む村山と白を好む村井というファッションの趣味の違いから生まれたというコンビ名だが、それぞれのパーソナリティやパフォーマンスにおけるスタイルの対照性をも象徴していると言えるのではないだろうか。静かに自分の内で魂を燃やす村山と、明るくしなやかな立ち振る舞いを見せる村井。そのあり方は異なるが、どちらも櫻坂46の現在、そしてこれからの核となる存在だ。

「自業自得」村井優&村山美羽Ver.

 2人の“ギャップ”を巧みに引き出し、その魅力をより際立たせているのが、櫻坂46の冠番組『そこ曲がったら、櫻坂?』(テレビ東京系)での姿だ。ステージでは真剣にパフォーマンスに向き合う彼女たちが、番組では一転して柔らかく親しみやすい一面を見せている。

 中でも象徴的なのが村井だ。「本当に大人になれているの?そこさく二十歳お祝い会」では、過去に立ち幅跳びで240cmという記録を出したことを告白。「インパクトを残したくて」という理由からだったというが、少し“ズル”をしたことも明かしており、そのエピソードには彼女らしい天真爛漫さと、どこか憎めない負けん気が滲んでいた。普段は「ふわふわ」と形容されるような天然な雰囲気と、柔らかい人柄でファンから親しまれている存在だ。村山もまた、番組内では物静かでクールな立ち居振る舞いだが、時折ユニークな言葉選びや感性を垣間見せる。感情をストレートに表に出すタイプではないが、どこか印象に残るメンバーであり、そこに彼女独自の個性がある。

【二十歳のメンバーをお祝い!!】そこ曲がったら、櫻坂? 本当に大人になれてるの? #そこさく 二十歳お祝い会 冒頭特別公開

 いざステージに立った彼女たちが見せるのは、そうした印象を一瞬で覆す、凄みのあるパフォーマンスだ。村山は、『8th Single BACKS LIVE!!』でセンターを務めた「マンホールの蓋の上」では、重心の安定した姿と、内側から滲み出る情熱が高く評価された。どんなに激しい振り付けでも体幹の強さを活かしたブレのないその動きには、村山の存在に吸い寄せられていく感覚があった。感情をそのまま放出するのではなく、息遣いやタイミングをコントロールしながら、作品世界と観客のあいだに“間”を作り出す。演劇で言えば、いわば“台詞のない演技”に似た魅力を持っているのが村山のパフォーマンスであり、表現である。

櫻坂46『静寂の暴力』

 また、三期生を代表する楽曲「静寂の暴力」は、その芸術観が最も顕著に表れた楽曲。曲中で実際に声を出して踊るという演出が求められたが、彼女の動きは感情の爆発ではなく、抑制の中にある痛みを見せるような静かな叫び。誰よりも静かでありながら、誰よりも印象に残るパフォーマンスだった。

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