※日経エンタテインメント! 2025年8月号の記事を再構成
“アジア版グラミー賞”を日本から――音楽業界の主要5団体がタッグを組み、2025年5月に京都で初開催された日本最大級の国際音楽賞「MUSIC AWARDS JAPAN」。J-POPのグローバル化を大きな命題とする同アワードに迫る短期集中連載。第4回は、主催したCEIPA理事長の村松俊亮氏に振り返りと展望を語ってもらった。
村松俊亮(むらまつ・しゅんすけ)
1963年生まれ、大分県出身。87年CBS・ソニーグループ(現ソニー・ミュージックエンタテインメント)入社。2002年ソニー・ミュージックレコーズ代表取締役執行役員専務。15年同社取締役。20年より現職。日本レコード協会会長とCEIPA理事長も兼任する
2025年が第1回となる、新たな国際音楽賞「MUSIC AWARDS JAPAN」(以下、MAJ)の授賞式が5月21~22日の2日間、ロームシアター京都にて開催された。
最優秀楽曲賞にCreepy Nuts『Bling-Bang-Bang-Born』、最優秀アーティスト賞にMrs. GREEN APPLE、最優秀アルバム賞に藤井風『LOVE ALL SERVE ALL』が選出。Creepy Nutsは最多となる9部門を獲得した。また、SpotifyとUSENの各ユーザー投票で決まる賞には、ともにNumber_iが選ばれた。
MAJは、既存の音楽賞とは大きく性質が異なる。受賞数は実に62にも上り、いわゆるJ-POPはもちろんのこと、ジャズ、クラシック、さらに海外楽曲まで多岐にわたる音楽ジャンルが対象。各部門の受賞作品・アーティストは国内外の音楽関係者5000人の投票を経て決定するなど、“透明性”にもこだわった。
短期集中連載の第4回では、主催団体であるカルチャー アンド エンタテインメント産業振興会(CEIPA)の理事長であり、日本レコード協会の会長、そしてソニー・ミュージックエンタテインメント代表取締役社長 グループCEOでもある村松俊亮氏にインタビュー。様々なチャレンジがあった第1回のMAJをどう捉えているのか。まずは、このような音楽アワードを立ち上げた狙いを、改めて語ってもらった。
「レコード協会が独自にユーザーアンケートを行ったところ、日本国内では音楽無関心層が結構な勢いで増えていたんです。これには、僕らも危機感を持っていまして。こういった状況の中で、ユーザーにとって分かりやすい、シグネチャーとなるようなアワードを立ち上げて、そこを起点に様々な発信をしていきたいと考えました。
アワードという形を選んだのには、アーティストやプロダクションのみなさんの声も影響しています。彼らが海外のビジネスパートナーやメディアと話すときに、『名刺代わりになるアワードが日本には存在しない』とよく聞くんです。アーティスト同士や音楽業界からリスペクトを受けて、認められた証がぜひ欲しいということで、であれば自分たちでつくるしかないと。もちろん日本国内だけでたたえ合うのではなくて、しっかりグローバルと連携し、お互いに認め合えるようなアワードにすべきだという思いでスタートしました」(以下、村松氏)
この記事は会員限定(無料)です。
ビジネス視点からのゲーム情報を発信
日経Gamingニューズレター(メルマガ)

国内外を問わず、ゲーム市場の最新動向、企業の経営・マーケティング戦略、AI(人工知能)やネットワーク、システム運用といった技術の最前線、著名な経営者やクリエイター、プロゲーマーのインタビューなどの情報をお届けします。また、東京ゲームショウをはじめとする国内外のゲームイベントについてもリポートします。登録は無料!
ぜひ、ご登録ください!