国立新美術館は2025年5月15日から25日まで、「DESIGN MUSEUM JAPAN展 2025 ~集めてつなごう 日本のデザイン~」を開催した。クリエイターが日本各地に点在する地域のデザインをリサーチし、それぞれの解釈を加えて展示を実施。同館では今回で3回目となり、盛況だった。

2025年5月18日に開催したトークセッション「日本のデザインミュージアムに向けて」の様子。登壇したクリエイターがリサーチの裏側を話し、会場内の参加者に問いかけながらデザインミュージアムのあり方を探った。写真はデザイナーの宮前義之氏が足を運んだ高知県の「街路市」の映像。江戸時代から300年以上続く日曜市は、海や山の旬の食材や地域の特産品を生産者から直接購入できる日本最大級の市場だといわれる。なんでもそろう、市が培った、目に見えないコミュニケーションデザインを会場に運んで伝えることの難しさを話した(撮影/丹野加奈子)

2025年5月18日に開催したトークセッション「日本のデザインミュージアムに向けて」の様子。登壇したクリエイターがリサーチの裏側を話し、会場内の参加者に問いかけながらデザインミュージアムのあり方を探った。写真はデザイナーの宮前義之氏が足を運んだ高知県の「街路市」の映像。江戸時代から300年以上続く日曜市は、海や山の旬の食材や地域の特産品を生産者から直接購入できる日本最大級の市場だといわれる。なんでもそろう、市が培った、目に見えないコミュニケーションデザインを会場に運んで伝えることの難しさを話した(撮影/丹野加奈子)

 展覧会の内容は、NHK(日本放送協会)の特集番組「デザインミュージアムジャパン」と連動している。

 番組では「日本にまだないデザインのミュージアムをあなたが作るなら、どんなものを作るか」を、映像、アート、建築、そしてデザイン分野の様々な領域で活躍するクリエイターに問いかけ、彼らと一緒に日本の各地に点在する〈デザインの宝物〉を所蔵する館や組織をリサーチ。その〈デザインの宝探しの旅〉の過程を伝える。

 「DESIGN MUSEUM JAPAN展 2025」は、2024年度にリサーチした8つの〈デザインの宝物〉を中心に展覧会を構成した。

 DESIGN MUSEUM JAPAN展 2025を共催した一般社団法人Design-DESIGN MUSEUM代表理事の倉森京子氏は、「展示作品を入り口に、実際に現場に足を運ぶ仕掛けをつくっていきたい」と話した。

 倉森氏によれば、NHKの美術系教養番組「日曜美術館」と連動した枠内特集にも手応えを感じているという。タレントの櫻井翔をナビゲーターに起用することで、地域の博物館や文化財に興味がなかった人も番組に関心を寄せるようになった。

 「自分の身の回りにあるデザインに興味を持った」といった内容をSNSに投稿する動きが見られ、Xでは番組に関して1万件を超える投稿があったという。

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これまで展示した合計27人の「デザインの宝物」は正方形のカードにアーカイブされている。来場者は気になるカードを選び、冊子にして持ち帰ることができる。本カードを含む会場展示のグラフィックはグラフィックデザイナーの岡本健氏が担当(撮影/丹野加奈子)

 国立新美術館での展覧会の入場者数は、22年に行われた1回目は18日間で2万3099人、24年の2回目は10日間で8911人だったが、3回目であるDESIGN MUSEUM JAPAN展 2025には10日間で1万1680人が訪れた。

8人のクリエーターが参加

 DESIGN MUSEUM JAPAN展 2025の参加クリエイターは8人。

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