2025年の夏ドラマは、さまざまなジャンルの作品が勢ぞろい。そこで今回は、元テレビ局スタッフが“絶対に外せない”3作品を紹介! ぜひ、夏ドラマを見る際の参考にしてください。(サムネイル画像出典:『愛の、がっこう。』公式Instagram)

2025年も7月に入り、各テレビ局で多くの夏ドラマがスタートします。各局が公開している情報を見ると、どれも面白そうな作品ばかり……。どのドラマを見たらいいのか迷うところです。そこでこの記事では、毎シーズンすべてのドラマを視聴している元テレビ局スタッフがおすすめのドラマを紹介! 独断と偏見で厳選した3作品を解説します。キャストも制作陣も豪華な『しあわせな結婚』は必見のドラマにまず、最もおすすめするのが、阿部サダヲさんが主演を務め、松たか子さんと共演する木曜ドラマ『しあわせな結婚』(テレビ朝日系)です。7月17日からスタートする作品で、脚本は数多くの名ドラマを作り上げてきた大石静さんが担当します。

監督の黒崎博さんは、NHK大河ドラマやNHK連続テレビ小説をはじめ、Netflixで配信された『さよならのつづき』を制作するなど、高い注目を集めるクリエイター。大作映画並みのキャストや制作陣がそろった『しあわせな結婚』は、この夏一番の話題作になりそうで、確実にチェックすることをおすすめします。

公式情報では「夫婦の愛を問うマリッジ・サスペンス」になると公表されています。阿部さん演じる人気弁護士の原田幸太郎が電撃婚をするのですが、愛する妻が「大きな秘密」を抱えていることが発覚し、幸太郎の運命が大きく動かされる……というストーリーです。

阿部サダヲ×松たか子の名演技に期待!まず、阿部さんが演じる幸太郎ですが、センセーショナルな事件の裁判で多くの無罪を勝ち取り、本業以外にもワイドショーやクイズ番組で活躍するスター弁護士です。仕事に支障を来すことを嫌い、50年間にわたり独身主義を貫いていましたが、ひょんなことから松さん演じる不思議な女性・鈴木ネルラと恋に落ちて結婚します。ネルラは高校の非常勤美術教師で、感情を表に出さず笑顔を見せないミステリアスな女性です。

幸太郎は、ネルラの家族と同じマンション内で新婚生活をスタートさせるのですが、一緒に暮らす中で徐々に違和感を覚えるようになっていきます。さまざまな伏線が張られそうな設定で、1話でも見逃すとストーリーがつかめなくなるような巧妙な構成になりそうです。

阿部さんと松さん、間違いないクオリティーの演技が見られるでしょう。阿部さんは周囲に振り回される役の演技が得意で、今回の幸太郎も人気キャラクターに仕上げる可能性が大です。映画『ファーストキス 1ST KISS』が大ヒットしたばかりの松さんは、どんな役でも丁寧に演じることでおなじみ。しかも、今回のネルラはかなりクセがある役で、話題になること間違いなしです。すでに公開されている予告動画でもネルラが不気味な存在であることが分かる描写もあり、松さんの演技だけでもドラマを見る価値があるでしょう。

さらに、公開されているほかのキャストは板垣李光人さん、岡部たかしさん、段田安則さんと個性派ぞろい。ハズレがない布陣となり、ドラマを盛り上げそうです。

新たな純愛を描く『愛の、がっこう。』続いて紹介するのは、木村文乃さんが主演を務め、Snow Man・ラウールさんと共演する『愛の、がっこう。』(フジテレビ系)です。まじめに育った高校教師・小川愛実を木村さんが演じ、ラウールさんは学校にほとんど通わず、文字の読み書きが苦手なホスト・カヲルを担当します。

同作で注目したいのは、まじめな高校教師と夜の世界に生きるホストの純愛を描くストーリーです。主人公の愛実は、古い価値観を持つ家庭で育ち、両親のいいなりで生きてきた女性。学校では学級崩壊の危機を迎え、プロポーズされた男性との関係にも悩んでいる設定です。

一方で、カヲルは母親からの愛情をあまり受けずに育ち、義務教育も満足に受けられなかったホスト。交わるはずのない2人が運命的な出会いを果たし、徐々に心を通わせる姿が描かれるドラマです。形は違うものの、心に孤独を抱える愛実とカヲル。さまざまな障壁にぶつかりながら、真実の愛を求めようとする2人の関係が面白そうな作品となります。

脚本はヒットメーカーの井上由美子さんが務め、テレビドラマとしては2014年の『昼顔〜平日午後3時の恋人たち〜』(フジテレビ系)以来のラブストーリーを担当。新感覚の恋愛作品になりそうです。

Snow Man・ラウールは俳優としてもブレークなるか?『愛の、がっこう。』で注目されるのは、ラウールさんが俳優としてブレークするかです。ラウールさんは、モデルとして世界進出しながらも、俳優としての出演作は少なめ。2021年公開の映画『ハニーレモンソーダ』、2024年公開の映画『赤羽骨子のボディガード』で個性的な演技を披露していますが、俳優としての実力は未知数です。それだけに、『愛の、がっこう。』でどんな表現力を見せるのか、注目が集まります。

すでに公開されている予告では、ラウールさんのビジュアルがホストにいい意味でぴったり。また、木村さんが徹底的に作り込んでいるお嬢様の愛実との見た目のバランスもよく、同局で春ドラマとして放送された『波うららかに、めおと日和』のように、大ヒットドラマになりそうな予感がしています。

そのほか、田中みな実さんや中島歩さん、りょうさんや沢村一樹さんなど、間違いないメンバーが勢ぞろい。同作は7月10日から放送予定です。

松本潤の新境地が見られそうな日曜劇場『19番目のカルテ』最後に紹介するのは、今シーズンの日曜劇場となる『19番目のカルテ』(TBS系)です。松本潤さんが主演を務めるドラマで、原作は漫画『19番目のカルテ 徳重晃の問診』(コアミックス)。7月13日から放送予定です。

毎回話題になる日曜劇場ですが、『19番目のカルテ』は注目すべきポイントが盛りだくさん。まず、松本さんはキャリア30年目で初の医師役に挑戦します。また、同作で取り扱うのは「19番目」の新領域とされる総合診療医で、新感覚のヒューマン医療エンターテインメント作品になる予定です。

徳重晃は“イケオジ”となった松本潤にぴったり!松本さん演じる徳重晃は、患者と対話し、心の状態や生活背景をもとに最善の治療法を見つけ出す総合診療医。現在18の専門分野に分けられる医療で、19番目の新領域として加わったのが総合診療科となります。あまりなじみのない分野なだけに、総合診療医がどんな形で問診を行うのかも見どころの1つです。事前に公開された映像を見ると、徳重は穏やかな口調でひょうひょうとしていて、つかみどころのないキャラクター。そんな不思議な性格の徳重が、どうやって患者を救っていくのか、興味深いドラマになりそうです。

この徳重ですが、年齢を重ねて“イケオジ”になった松本さんにビジュアルがぴったり。松本さんの新たな魅力を発見できそうな作品であり、人気の高い医療ヒューマンドラマということで、高視聴率が期待できそうです。

松本さんだけでなくキャストも豪華で、同じ病院の整形外科で働く新米医師・滝野みずきを小芝風花さんが担当。さらに、世界を舞台に活躍する新田真剣佑さんや、木村佳乃さん、田中泯さん、ファーストサマーウイカさん、津田寛治さんなども出演します。毎回大きな注目を集める日曜劇場ですが、今回の『19番目のカルテ』は特に話題作となりそうです。

ほかにも面白そうなドラマが目白押し!さて、ここまで3作品を紹介しましたが、ほかにもさまざまなジャンルの面白そうなドラマが目白押しです。時間に余裕がある人は、気になるドラマを初回放送だけでも視聴してみることをおすすめします。 この記事の筆者:ゆるま 小林
長年にわたってテレビ局でバラエティー番組、情報番組などを制作。その後、フリーランスの編集・ライターに転身。芸能情報に精通し、週刊誌、ネットニュースでテレビや芸能人に関するコラムなどを執筆。編集プロダクション「ゆるま」を立ち上げる。
(文:ゆるま 小林)

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